当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績
当社グループは当連結会計年度においては、売上高431億20百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益20億71百万円(前年同期比0.1%増)、経常利益25億34百万円(前年同期比0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16億34百万円(前年同期比5.1%減)となりました。
第3次中期経営計画『MOOVING ONE』1年目の当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発出と解除、感染者数の増加と減少に合わせて経済活動の制限と緩和が繰り返される中、均してみると緩やかな回復基調は維持されました。国内では巣ごもり需要の増加、アメリカ、中国等海外経済の順調な回復を背景にして企業業績の改善が続いていることから設備投資についても、緩やかな回復傾向が見受けられました。一方、資源・原材料高や半導体を中心とする「部品等の供給制約」の影響により製造業を中心に足踏みの状況が見受けられました。さらに「オミクロン株の感染拡大等コロナ禍の動向」「米中対立」等に加え、期末には「ロシアによるウクライナ侵攻」による全世界規模での景気後退懸念が起こり、経済活動の完全再開どころか、先行きに大きなリスク要因が生まれました。
2020年初よりのコロナウイルス感染拡大に伴う企業の設備投資や生産活動の下押しによる当社業績への影響は、当連結会計年度は、2021年4月27日発表の業績予想に対して、売上高達成率98.3%、営業利益達成率94.2%、経常利益達成率98.1%、親会社株主に帰属する当期純利益達成率94.0%と未達となりました。新型コロナ感染状況は、一進一退の状況で小康状態を保ってはいるものの、消費を中心とする国内景気は回復には程遠い状況にあります。加えてロシアによるウクライナ侵攻よる原油・LNGを始めとする原材料高や円安により、引き続き厳しい経済状況が続き、当社業績に影響を与える企業の工業生産量や設備投資の状況についても、不透明な状況が予想されます。当社グループとしては、その中でも取引先のニーズに最大限応える努力を行うとともに、安定的に商品の供給責任を果たし、コスト削減や感染収束後の回復に向けた準備を実施してまいります。このような経済環境の中、第3次中期経営計画『MOOVING ONE』を引き続き対面営業、課題解決型の提案営業の充実・拡大を図ると同時に顧客の業務効率化ニーズにも対応出来る インフラを整備・活用することで、更なる企業価値の向上を目指します。
中期経営計画につきましては下記Webアドレスにて開示済みであります。
https://www.sugi-net.co.jp/for_investors/material.html
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
(東部)
東部では、商品の欠品、原油高の影響により全ての業界で予定していた設備投資計画を実施できない状況が出始めてきております。素材生産企業は原料高の価格転嫁が進み収益を上げ始めてはいますが、一進一退状況であります。最終製品を製造する企業は原料価格改定を受け入れたことにより、更なる自動化や効率を上げる計画を迫られております。一方、自動車関連業界は今後に向けて準備を進めております。半導体業界は引き続き好調を維持しており、全体としては堅調に推移いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は102億50百万円(前年同期比6.0%増)、セグメント利益は4億37百万円(前年同期比11.6%減)となりました。
(中部)
中部では、半導体業界を中心とする設備投資が続いておりますが、工業生産の中心である自動車・鉄鋼業界の設備投資は限定的な状況となっております。特に自動車業界の減産は、製造現場へ影響を及ぼしております。今後も、コロナ禍、世界情勢の変化により商品調達への影響も考えられますが、全体としては堅調に推移いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は123億48百万円(前年同期比11.6%増)、セグメント利益は5億36百万円(前年同期比6.0%増)となりました。
(西部)
西部では、新型コロナウイルスの影響、原材料・原油の価格高騰の影響により食品関連では低調な流れとなりました。また、半導体不足、原材料不足は様々な業種の生産体制に影響を与えております。その中、半導体関連、鉄鋼関連にて好調な流れがあり、全体としては堅調な推移となりました。
この結果、当セグメントの売上高は191億92百万円(前年同期比3.2%増)、セグメント利益は9億88百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
(海外)
海外では、対米ドルに対する円安傾向は強まっており、日本からの輸出は好調を推移しております。主力国である中国では、半導体を筆頭に活況を呈しており全体の数字を押し上げた結果、輸出全体でも引き続き好調に推移いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は13億29百万円(前年同期比29.4%増)、セグメント利益は1億9百万円(前年同期比29.4%増)となりました。
市場規模が大きく成長余力が大きいにもかかわらず、まだ、占有率が低い東部へ経営資源を投入するのと併行して、自動車鉄鋼工作機械等の従来の主要な得意先業種以外の新型コロナウイルス感染拡大による影響や部品供給制約の影響が少ない、または逆にプラスの影響がでている業種へ得意先の幅を広げる努力により、売上利益とも拡大を図る方針です。
販売及び仕入の状況は次のとおりであります。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は仕入価格によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
(3) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は383億14百万円となり前連結会計年度末に比べ4億95百万円増加しております。資産につきましては主に電子記録債権が6億14百万円、売掛金が5億40百万円、土地が5億10百万円、ソフトウエアが1億51百万円、投資有価証券が2億37百万円増加する一方で、現金及び預金が12億6百万円、ソフトウエア仮勘定が1億58百万円減少したためであります。負債は60億47百万円となり前連結会計年度末に比べ1億58百万円増加しております。これは主に買掛金が58百万円、長期未払金が28百万円、未払消費税等が1億26百万円減少する一方で、未払法人税等が1億82百万円増加したためであります。また純資産は322億67百万円となり前連結会計年度末に比べ3億37百万円増加しております。これは主に利益剰余金が7億11百万円増加する一方、自己株式取得により4億28百万円費やしているためであります。この結果、自己資本比率は84.2%となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資産」という。)は、80億73百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動より得られた資金は10億20百万円(前年同期は33億25百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益25億33百万円、減価償却費3億43百万円の収入に対して法人税等の支払額6億89百万円、売上債権の増加による9億62百万円の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は8億80百万円(前年同期は2億25百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得6億84百万円、投資有価証券の取得1億5百万円、無形固定資産の取得1億3百万円の支出に対して、有形固定資産の売却による収入12百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は13億46百万円(前年同期は14億64百万円の支出)となりました。これは自己株式の取得4億28百万円、配当金の支払9億17百万円の支出によるものであります。
従来より投資活動・財務活動に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローにて賄っており健全な財務体質を維持しております。新型コロナウイルス感染拡大や部品供給制約により、業績が悪化した場合にも現金同等物を月間平均仕入額の2ケ月相当分確保しており、当面の資金繰りには問題ないと考えております。
一方、換金容易な純投資目的の投資有価証券を単体で17億84百万円保有しております。また、連結ベースで各取引金融機関と当座貸越限度を総額40億50百万円契約しております。
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