業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、ワクチンの接種の進展や各種政策の効果等もあり、経済活動が段階的に再開されたことから、徐々に持ち直しの動きがみられましたが、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源価額の上昇や急激な円安に伴うマーケットの混乱が見られるなど、先行きの予断を許さない状況となっております。

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における経済は、新型コロナウイルスの世界的な蔓延が、未だ外食産業を中心とした需要は回復に至らず、当事業年度末を迎えました。

イ 財政状態

(資産)

資産につきましては、主に商品及び売掛債権等の増加等により前事業年度末に比べ6億47百万円増加し82億35百万円(前期比8.5%増)となりました。流動資産は、主な理由として、売上債権12億87百万円の増加、商品8億4百万円の増加等により、6億63百万円増加し、77億5百万円となりました。固定資産は、固定資産の売却等により、15百万円減少し、5億29百万円となりました。

 

(負債)

負債は、前事業年度末に比して1億87百万円増加し、76億71百万円(前期比2.5%増)となりました。流動負債は、借入金2億2百万円の減少があったものの、仕入債務4億60百万円の増加等により、2億15百万円増加し、75億24百万円となりました。固定負債は退職給付引当金の減少等により、28百万円減少し、1億47百万円となりました。

 

(純資産)

純資産は、当期純利益1億33百万円の計上及び第三者割当増資による資本金等の増加により、前事業年度末に比して4億60百万円増加し、5億64百万円となりました。

 

ロ 経営成績

当事業年度の経営成績は以下の通りであります。

売上高は、前事業年度に比して46億22百万円増加し、210億45百万円(前事業年度比28.1%増)となりました。

売上原価は、売上高の増加に伴い前事業年度に比して45億15百万円増加し、202億96百万円(前事業年度比28.6%増)となりました。この結果、売上総利益は前事業年度に比して1億6百万円増加し、7億49百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、前事業年度に比して95百万円増加し、5億14百万円(前事業年度比22.8%増)となりました。主な要因は、臨時株主総会の開催にかかる費用が嵩み、前事業年度に比して支払報酬78百万円及び株式費用11百万円が増加したことや営業活動の活発化により旅費及び交通費が9百万円増加したことによります。これらにより営業利益は、前事業年度に比して11百万円増加し、2億35百万円となりました。

営業外収益は、為替差益7百万円、保険解約金収入17百万円等の計上等により39百万円となりました。営業外費用は、第三者割当に関連する費用の計上35百万円等により1億1百万円となりました。これらにより経常利益は、前事業年度に比して1百万円増加し、1億73百万円となりました。

特別損益項目としては、主に特別損失として、減損損失を23百万円計上いたしました。

これらの結果、税引前当期純利益は、前事業年度に比して7百万円増加し、1億52百万円の税引前当期純利益となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(食料部)

牛肉・タイ産の加工食品につきましては、産地価格が高騰している中、新型コロナウイルス感染防止が優先されておりましたが、国内での外食機会も徐々に回復基調であり、海外での生産や輸送等も徐々に回復基調にありますが、前事業年度比では取扱数量・売上高共に減少となりました。

鶏肉におきましては、国内需要の増加及び販売単価の高い水準での推移が長期間にわたって継続したことにより、取扱数量・売上高共に当初の予想を大幅に上回る結果となりました。

この結果、当事業年度の売上高は、100億20百万円(前事業年度比3.4%増)となりました。

 

(営業開拓部)

農産品につきましては、大豆等で中国などの産地価格が引き続き高騰しており、また、産地国の輸出規制の影響を受けたものの、新規取引の開拓により、利益率の高い商品の販売を強化し、売上高を増加させることができました。

化学品は、利益率の高い商品の取引を伸ばすことができ、売上高を増加させることができました。中国関連では、2020年9月期から開始した、中国のネット販売会社向けの生活関連商品の拡販により、順調に売上高を伸ばすことができました。

この結果、当事業年度の売上高は、84億53百万円(前事業年度比51.9%増)となりました。

 

(生活産業部)

 

輸入豚肉では、前事業年度より、新たな取り組みで、欧州産豚肉の売上を伸ばしており、取扱数量・売上高ともに増加となりました。

この結果、当事業年度の売上高は、25億71百万円(前事業年度比119.6%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ15億61百万円減少し、3億20百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、16億77百万円(前年同期は得られた資金6億48百万円)となりました。これは主に、税引前当期純利益1億52百万円、売上債権の増加12億81百万円、棚卸資産の増加8億4百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、5百万円(前年同期は得られた資金6百万円)となりました。これは主に、保険積立金の解約による収入35百万円、差入保証金の差入による支出50百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、1億21百万円(前年同期は使用した資金2億43百万円)となりました。これは主に、株式の発行による収入3億15百万円、短期借入金の純減1億86百万円によるものです。

 

 

 

③仕入、受注及び販売の実績

イ 商品仕入実績

営業開拓部の商品仕入実績が著しく増加しております。

これは、主に中国関連の生活関連商品の仕入が増加したことによります。

生活産業部の商品仕入実績が著しく増加しております。

これは、主に欧州産豚肉の仕入が増加したことによります。

当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

前年同期比(%)

食料部

9,985,029(千円)

123.5

営業開拓部

8,498,954(千円)

162.0

生活産業部

2,616,817(千円)

189.8

合   計

21,100,800(千円)

143.4

 

ロ 受注実績

食料部の受注残高が著しく減少しております。

これは、主に輸入鶏肉の受注が減少したことによります。

営業開拓部の受注高が著しく増加しております。

これは、主に中国関連の生活関連商品の受注が増加したことによります。

生活産業部の受注高・受注残高が著しく増加しております。

これは、主に欧州産豚肉の受注が増加したことによります。

当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

食料部

8,287,737

75.9

1,375,521

44.2

営業開拓部

8,297,196

145.5

372,800

70.4

生活産業部

2,655,187

193.7

284,151

141.4

合   計

19,240,121

107.0

2,032,472

52.9

 

 

ハ 販売実績

営業開拓部の販売実績が著しく増加しております。

これは、主に中国関連の生活関連商品の売上が増加したことによります。

生活産業部の販売実績が著しく増加しております。

これは、主に欧州産豚肉の売上が増加したことによります。

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

前年同期比(%)

食料部

10,020,413(千円)

103.4

営業開拓部

8,453,481(千円)

151.9

生活産業部

2,571,916(千円)

219.6

合   計

21,045,811(千円)

128.1

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

BEIJING CRANE TRADING CO.,LTD

3,104,656

18.9

4,926,004

23.4

伊藤ハム㈱

3,482,522

21.2

3,485,682

16.5

㈱NOHYU

2,528,187

12.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況の分析

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 重要な会計方針」に記載しているとおりであります。

当社は、この財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況を勘案して合理的と認められる見積りや判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映しております。しかし、見積りには特有の不確実性があるため、実際の結果とは相違する場合があります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 経営成績目標に対する認識及び分析

経営目標において売上総利益率を4%と設定しており、当事業年度におけるセグメント別の売上高総利益率等は、次のとおりとなりました。

 

 

食料部

営業開拓部

生活産業部

全 社

売  上  高 (千円)

10,020,413

8,453,481

2,571,916

21,045,811

売上総利益 (千円)

446,063

250,925

52,242

749,231

売上高総利益率

4.4%

2.9%

2.0%

3.5%

上記のように、経営環境等の影響もあり、食料部を除いて目標に達することはできませんでした。

 

ロ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

③資本の財源及び資金の流動性

イ 資金需要

当社の資金需要は主に運転資金需要であります。運転資金需要は商品仕入のほか、販売費及び一般管理費の営業費用であります。営業費用の主なものは、人件費、賃借料、報酬等となっております。

ロ 財政政策

当社は、運転資金につきましては、内部資金及び借入により調達しております。

 

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