当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大により、経済活動に大きな制約を受け非常に厳しい状況で推移いたしました。ワクチン接種が進む一方で、新たな変異ウイルスによる感染拡大もあり、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の発令と解除を繰り返す状態が続きました。今後は、ワクチン接種率の更なる向上とともに、行動規制が緩和され、経済活動が回復することが期待されますが、先行きは不透明な状態が続いております。
ホームセンター業界におきましては、前事業年度の「巣ごもり需要」による売上高の伸長に対する反動減がありましたが、概ね好調な推移となりました。しかしながら依然として業種・業態の垣根を越えた顧客獲得競争が激化しており、厳しい経営環境にあります。
このような状況のもと、当社は、<「全員参加」~皆で現状のやり方、考え方、ルールを改め地域密着型の店舗・会社をつくる~>を当事業年度のテーマに掲げ、お客様の期待を上回る商品とサービスの提供を行うべく、品揃えやサービス内容の見直しを進めてまいりました。
当事業年度も、まずはコロナ禍でのお客様の需要に応えるべく、従業員のマスク着用や定期的な消毒の実施など、安全対策を最優先としながら営業活動を実施してまいりました。
店舗政策におきましては、前事業年度に引き続き、複数店舗で改装を実施し、市場や地域に合わせた売場への変更を行い、またトイレや舗装等の改修を行うことで、お客様により安心・安全にご利用いただける店舗へと変更いたしました。
当事業年度の売上高は、前事業年度との比較では、衛生用品をはじめ、苦戦した部門が多くありましたが、レジャー用品やペット用品等、好調に推移した部門もあり、総じて想定を上回って推移いたしました。
商品部門別には「DIY用品」は、ペット部門、リフォーム部門、木材部門等が好調に推移し、売上高は161億6千9百万円(前年同期比2.5%増)となりました。
「家庭用品」は、日用品・家庭用品部門で、主に衛生用品等が前年を大きく下回りました。売上高は96億5千万円(前年同期比10.5%減)となりました。
「カー用品・自転車・レジャー用品」は、レジャー・スポーツ部門、灯油部門は好調に推移したものの、食品部門、文具部門の販売が低調に推移し、売上高は49億3千4百万円(前年同期比0.9%減)となりました。
「その他」の部門は、3億6千5百万円(前年同期比1.3%減)と前事業年度と同水準となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は311億2千万円(前年同期比2.5%減)、営業利益は5億7千6百万円(同41.7%減)、経常利益は6億4千6百万円(同36.8%減)、当期純利益は、1億8千3百万円(同70.7%減)となりました。
なお、セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
[ホームセンター事業]
ホームセンター事業につきましては、想定を上回る実績で推移しておりますが、前事業年度の新型コロナウイルス感染拡大に関連した特需の反動や複数店舗の改装による費用発生等から、売上高、セグメント利益とも減少となりました。この結果、売上高は311億2千万円(前年同期比2.5%減)、セグメント利益は3億1千4百万円(同57.8%減)となりました。
[不動産賃貸事業]
不動産賃貸事業につきましては、大きなテナント誘致や撤退はありませんでした。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、前事業年度はテナントからの要請で賃料減額を行いましたが、当事業年度はそれがなかったことから、営業収入及びセグメント利益は増加となりました。この結果、営業収入は6億2千5百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益は2億6千1百万円(同7.4%増)となりました。
(資産)
流動資産は、前事業年度と比べ2億5千6百万円減少し、84億6千3百万円となりました。これは、主にたな卸資産が4億4千9百万円増加しましたが、現金及び預金が7億6千9百万円減少したこと等によります。
固定資産は、前事業年度と比べ4億6千3百万円増加し、99億7千3百万円となりました。これは、主に有形固定資産が1億1千9百万円、差入保証金が2億7千5百万円それぞれ増加したこと等によります。
この結果、資産合計は、前事業年度と比べて2億7百万円増加し、184億3千6百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前事業年度と比べ2億8千8百万円増加し、73億7千4百万円となりました。これは、主に未払金が3億4千2百万円減少しましたが、短期借入金が8億円増加したこと等によります。
固定負債は、前事業年度と比べ3千6百万円減少し、7億6千4百万円となりました。これは、主に長期借入金(1年内返済分を除く)が3千8百万円減少したこと等によります。
この結果、負債合計は、前事業年度と比べて2億5千1百万円増加し、81億3千9百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前事業年度と比べ4千4百万円減少し、102億9千7百万円となりました。これは、利益剰余金が3千1百万円減少したこと等によります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度と比べて7億6千9百万円
減少し、11億1千2百万円となりました。
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、主に税引前当期純利益の減少やたな卸資産の増加、仕入債務の減少等により、1億7千7百万円と前事業年度と比べ20億3千8百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、主に有形固定資産の取得による支出の増加及び差入保証金の差入による支出の増加等により、12億9千7百万円と前事業年度と比べ11億4千万円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果調達した資金は、主に短期借入金の純増により、3億5千1百万円と前事業年度と比べ17億3千8百万円(前事業年度は13億8千7百万円の使用)の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(注) 1 「不動産賃貸事業」では仕入を行っていないため、仕入実績は記載しておりません。
2 商品部門別の各構成内容は、次のとおりであります。
DIY用品………………………………木材・石材・建築資材・リフォーム・エクステリア・DIY・ワーキング・園芸・農業資材・植物・ペット・電材等
家庭用品…………………………………家庭用品・日用品・インテリア用品・収納用品・家電品・たばこ等
カー用品・自転車・レジャー用品……カー用品・自転車・レジャー用品・飲料・文具・カウンター・灯油等・カー用品専門店・自転車専門店
その他……………………………………ピット工賃等店舗受取手数料、ダイソー
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
(注) 1 ホームセンター事業の各部門の構成内容はa.仕入実績をご参照下さい。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の売上高は311億2千万円(前年同期比2.5%減)となりました。営業利益は5億7千6百万円(同41.7%減)、経常利益は6億4千6百万円(同36.8%減)となりました。
売上高は、想定を上回る実績で推移しましたが、前事業年度の新型コロナウイルス感染拡大に関連した特需の反動により、前事業年度を下回る結果となりました。
不動産賃貸収入は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、前事業年度はテナントからの要請で賃料減額を行いましたが、当事業年度はそれがなかったことから、若干の増加となりました。
その結果、営業総利益は前事業年度より、3億9千9百万円減少し、95億5千7百万円(前年同期比4.0%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、広告宣伝費の増加に加え、前事業年度に引き続き複数店舗の店舗改装を実施したことから修繕費や備品購入費等が前年同様に高い水準で推移しました。その結果、前事業年度より1千3百万円増加し、89億8千万円(前年同期比0.2%増)となりました。
以上の結果、営業利益、経常利益につきましては、いずれも前年同期を下回る結果となりました。
当期純利益につきましては、減損損失を1億9千3百万円、解約損失引当金繰入額1億2千3百万円を計上した結果、1億8千3百万円(前年同期比70.7%減)となりました。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社を取り巻く環境は、業種、業態を超えた厳しい競争の渦中にあり、その状況は今後も続くものと予想されます。
このような状況のもと、当社は、「暮らしもっと楽しく、快適な住まいづくりのお手伝い」をスローガンに、お客様の真の満足を追求し、「快適な店」「納得のいく品揃え」「きめ細かいサービス」の3分野にわたり、お客様第一主義を実践してまいります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資金需要の主なものは、店舗の出店・改装投資及び情報関連投資であります。戦略的な出店等による
資金需要に対しては、主として営業活動によるキャッシュ・フローに伴う収入及び金融機関からの借入金により対応することとしております。
当事業年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等について
当社は、継続的な企業価値の向上を実現する指標として、「営業収益経常利益率」を重要な指標として位置づけており、営業収益経常利益率3%を当面の目標としております。当事業年度における営業収益経常利益率は2.0%であります。引き続き営業収益の向上、売上総利益率の改善、販売費及び一般管理費の削減に努め、継続的な目標達成に向けて取り組んでまいります。
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