課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

 

   ① 地域包括ケアのイノベーターとして「豊かな超高齢社会の創造」に貢献

 当社は、わが国の社会福祉体制の基本的設計図としての国家的重要施策である「地域包括ケアシステム」というフロンティアにおいて、制度の変革・改善と歩調を合わせつつ、医療・介護・住宅・生活支援・予防・地域連携を一貫して推進できる先進的な地域包括ケアモデルの開発と普及に挑戦するイノベーターの役割を担ってまいります。これを基本的な事業コンセプトとして、当社グループが一体となり、高齢者住宅の整備・供給、医療と介護の連携、生活支援サービスの普及等に起業家精神をもって取り組む所存であります。

 同時に、法令遵守と堅固な内部統制・透明な企業統治のもと、良き企業市民としての行動に徹し、これらを通じて、「豊かな超高齢社会の創造」に貢献する社会的責任を遂行いたします。

 

  ② 「総合ケアセンター理念」の実践

 当社は、「総合ケアセンター」においてご提供しているデイサービス、宿泊サービス、レジデンスのそれぞれについて、その目的、サービスの基本コンセプト、サービス提供の姿勢を示した「理念」を掲げています。それらの理念を統合した「総合ケアセンター理念」は次のとおりであり、それぞれのサービス理念とともに、介護サービスを提供する現場の事業所では、お客様にベストサービスを提供するうえでの基盤として、これを日々の介護の場において実践しております。

 

 

1.優れた建物・設備・人材を活かして、通所サービス、宿泊サービス、住宅サービス等を提供する地域の福祉拠点として、地域社会の厚生の向上に貢献します。

 

2.要介護高齢者の方々が、会話と笑顔のある、希望と生きがいに満ちた「輝きのある生活」を取り戻すことを、併設デイサービスによってご支援します。

 

3.広く要介護高齢者の方々に、多くの「安全・安心・快適・安価・便利」なサービスをご提供します。

 

 

(2) 目標とする経営指標

 

上記の基本方針を実現するうえでの「堅実な事業成長」と「健全な財務基盤」を実現していくための目標として重視する経営指標は、次のとおりであります。

 

① 事業の成長性の指標 : 営業収入成長率、経常利益成長率、ROIC(投下資本利益率)

② 財務基盤の健全性の指標 : 純資産比率(リース資産・負債調整後)、資金収支・現預金残高

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 

① 要介護者の増加に対応し、安全・安心・清潔・快適な住まいと、通所介護と宿泊サービスによる生活機能の維持・向上を一貫して提供する先進的なサービス・モデルの開発と普及を通じて、センター事業の業容拡大を推進します。

② フード事業・物販事業等の高齢者向け生活支援サービスの業容拡大を推進します。

③ 超高齢社会の多様なニーズに基づいた新規事業を開発・育成して業容の拡大を図ります。

④ 健全で安定的な事業成長の基盤となる強固な財務体質を構築します。

⑤ 社会的価値と経済的価値の統合による企業価値の最大化と価値創造の永続的連鎖を実現します。

 

(4) 会社の対処すべき課題

 

当社は、「地域包括ケアシステム」の推進主体としての「総合ケアセンター」の先進的機能を一段と強化するとともに、複合的なサービス展開による顧客満足度の最大化を実現することを通じて、高齢社会における不可欠なインフラの役割を果たし、豊かな高齢社会の創造に貢献しつつ、業容及び収益の飛躍的成長を図ります。

同時に、過年度の先行投資によって確立したビジネスモデルにさらに磨きをかけ、その豊富なノウハウを駆使しつつ、センターの着実な増設に取り組んでまいります。

 

以上の課題を踏まえて、当社が取り組むべき当面の優先的施策は概略以下のとおりであります。

 

Ⅰ. 法令遵守と安全運営

法令遵守と安全運営は、事業活動を営んでいくうえでの基本的前提条件であります。それぞれについて、部門横断的な連携のもとに全社の英知を結集してまいります。

 

Ⅱ. 内部統制の充実

当社経営の根幹として、全社的な内部統制の整備・強化に全力を注入して取組み、業務プロセスの適正性の確保のための厳正な点検と継続的改善を図ってまいります。

 

Ⅲ. 強固な財務基盤の確立

センター拠点の積極的な新規開設に備えて、強固な財務体質を構築いたします。

 

Ⅳ. 顧客増加の具体的方策

① サービス内容の向上

平成30年度制度改正の主旨に沿いつつ、介護サービスと生活支援サービスの多様なメニューを用意して、ご利用者及びご家族の個々のニーズに合わせた複合的なサービスのご提供により、お客様のご便宜を増進します。

② センター事業のブランド・イメージの向上

通所・宿泊・住宅の3つのサービスを切れ目なくご提供し、当社の総合ケアセンターをご利用いただくことにより、要介護高齢者が「輝きのある生活」を同センターにおいて日常送っていただけるサービスモデルの優位性を積極的に訴求し、ブランド名にふさわしい高品質サービスに徹します。

③ 営業力、渉外力の強化

上記の方策のもとに、1人でも多くの顧客を増やし、1回でも多く利用していただくための営業力の一層の強化を図ります。

④ 「サービス品質ナンバーワン」の評価の確立

真にお客様と心の「つながる」サービスと「デイコミュニティ」のご提供を通じて、ご利用者の孤独感・孤立感の払拭に寄与いたします。また、いざという時こそ真にお役に立つ対応により、当社の全施設がそれぞれの地域において、お客様からもケアマネージャーの皆様からも、最も信頼されるサービス品質ナンバーワンの評価の確立を目指します。

 

Ⅴ. センターの着実な増設

① 新規開発の再開

過年度の集中的なセンター開設及びノウハウ蓄積期間中の初期赤字からの脱出に伴い、ニーズの高い地域を中心に新規開発を再開し、サービス・ネットワークを拡充します。

② 財務の健全性とのバランス

新規開設に伴う先行投資コストと、収益・財務の実力とのバランスを重視しつつ、着実な増設に徹します。

 

Ⅵ. 生産性向上のための施策

① サービスオペレーションの見直しによる効率化と標準化の推進

適正人員配置のもとでの最適標準オペレ-ションにより、サービス品質の向上と効率化を同時に実現します。

② 管理部門の体制強化

小さくて効率的な本社管理部門の体制強化による販管費の圧縮ととともに、拠点現場に対する効果的な業績管理・指導・支援体制を充実し、全社的な生産性向上を図ります。

③ 良質な社員の確保と高齢者・女性の活用

「総合ケアセンター理念」を真摯に実践して、心の通う高品質サービスを提供できる良質な社員の確保に注力し、生産性の高い社員集団の構築を図ります。

また、気力、体力に優れ成果をあげる能力を持つ高齢者を活用するとともに、強い向上心と意欲を持つ女性社員の活躍を期待し管理職への登用を進めます。

併せて、社員一人ひとりの適正な能力評価にもとづいたキャリアパスの設定と、サービスの標準化のための体系的な教育育成を通じて、生産性の高い高品質サービスを提供できる体制を強化いたします。

 

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