業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、IFRSを適用しており、事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握する利益指標として「事業利益」を導入しております。当該「事業利益」は、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した段階利益です。

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当期における世界経済は、景気に持ち直しの動きが見られるものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は続いており、依然として厳しい状況にありました。

そのような状況の中で、当社グループの売上は、国内については、しょうゆ、食品、酒類が堅調に推移し、飲料は前年に及ばなかったものの、食料品製造・販売事業全体で前年同期の売上を上回りました。海外については、食料品製造・販売及び食料品卸売事業ともに好調に推移し、前年同期の売上を上回りました。

この結果、当連結会計年度の連結グループの売上収益は5,164億4千万円(前年同期比117.5%)、事業利益は522億7千3百万円(前年同期比122.6%)、営業利益は506億8千2百万円(前年同期比121.6%)、税引前利益は542億3千1百万円(前年同期比125.6%)親会社の所有者に帰属する当期利益は389億3百万円(前年同期比124.9%)となりました。

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ645億5千2百万円増加し、5,030億6千1百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ141億5千9百万円増加し、1,391億5千3百万円となりました。

当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ503億9千3百万円増加し、3,639億7百万円となりました。

b.経営成績

<セグメントの業績の概要>

セグメントの業績の概要は次のとおりであります。

 

国内における売上の概要は次のとおりであります。

(国内 食料品製造・販売事業)

当事業は、しょうゆ部門、つゆ・たれ・デルモンテ調味料等の食品部門、豆乳飲料・デルモンテ飲料等の飲料部門、みりん・ワイン等の酒類部門からなり、国内において当該商品の製造・販売を手がけております。各部門の売上の概要は次の通りであります。

■しょうゆ部門

しょうゆは、家庭用分野では、テレビ宣伝を中心とした商品の付加価値を伝えるマーケティング施策等により「いつでも新鮮」シリーズは前年同期を上回りましたが、「特選 丸大豆しょうゆ」などのペットボトル品が前年同期を下回り、家庭用分野全体として前年同期を下回りました。加工・業務用分野は、前年の新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、前年同期を上回りました。また、しょうゆは2022年2月に原材料高騰等を背景とした価格改定を行いました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。

■食品部門

つゆ類は、ストレートタイプつゆの「具麺」シリーズ、白だしが好調に推移しましたが、全体では前年同期並みになりました。たれ類も、主力商品である「わが家は焼肉屋さん」が堅調に推移し、前年同期を上回りました。「うちのごはん」は、2021年2月発売の新シリーズ「肉おかずの素」の売上が好調に推移し、前年同期を上回りました。デルモンテ調味料は、家庭用分野が苦戦したものの、加工・業務用分野が増加し、前年同期を上回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。

■飲料部門

豆乳飲料は、健康志向の高まりを背景に需要が拡大し、飲用だけでなく料理素材として豆乳を使う消費者も増えております。特定保健用食品の商品や無調整豆乳を中心として売上が伸び、前年同期を上回りました。また、豆乳飲料は2022年2月に原材料高騰等を背景とした価格改定を行いました。デルモンテ飲料は、トマトジュースが振るわず、前年同期を下回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を下回りました。

■酒類部門

本みりんは、家庭用分野では、「濃厚熟成本みりん」、高付加価値商品の「米麹こだわり仕込み本みりん」などが売上を伸ばし、加工・業務用分野は前年同期並みになりました。ワインは前年同期を上回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。

 

以上の結果、国内 食料品製造・販売事業の売上収益は1,488億1千5百万円(前年同期比100.5%)、事業利益は116億2千2百万円(前年同期比99.9%)と増収減益となりました。

(国内 その他事業)

当事業は、臨床診断用酵素・衛生検査薬、ヒアルロン酸等の製造・販売、不動産賃貸及び運送事業、グループ会社内への間接業務の提供等を行っております。

臨床診断用酵素は前年同期の売上を上回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。

 

この結果、国内 その他事業の売上収益は216億4千3百万円(前年同期比102.2%)、事業利益は18億7千万円(前年同期比97.7%)と、増収減益となりました。

 

 海外における売上の概要は次のとおりであります。

(海外 食料品製造・販売事業)

当事業は、しょうゆ部門、デルモンテ部門、海外における健康食品等のその他食料品部門からなり、海外において当該商品の製造・販売を手がけております。各部門の売上の概要は次の通りであります。

■しょうゆ部門

北米市場においては、家庭用分野では、主力商品であるしょうゆに加え、しょうゆをベースとした調味料などの拡充に引き続き力を入れており、当社のブランド力を活かした事業展開を行ってまいりました。また、加工・業務用分野では顧客のニーズに合わせたきめ細かな対応をし、事業の拡大を図りました。この結果、前年同期の売上を上回りました。

欧州市場においては、主要市場であるドイツ、オランダ、イタリアなどで売上を伸ばし、前年同期の売上を上回りました。

アジア・オセアニア市場においては、中国市場では前年の新型コロナウイルス感染症の影響から回復したことにより、前年同期の売上を上回りました。また、インドネシア、タイにおいても売上を伸ばし、全体として前年同期を上回りました。この結果、部門全体では前年同期の売上を上回りました。

■デルモンテ部門

当部門は、アジア・オセアニア地域で、フルーツ缶詰・コーン製品、トマトケチャップ等を製造・販売しております。

中国の伸びが全体を牽引し、部門全体で前年同期の売上を上回りました。

■その他食料品部門

当部門は、主に北米地域において、健康食品を製造・販売しております。

部門全体では前年同期の売上を上回りました。

 

以上の結果、海外 食料品製造・販売事業の売上収益は1,157億9千3百万円(前年同期比114.8%)、事業利益は227億1千1百万円(前年同期比111.2%)と、増収増益となりました。

(海外 食料品卸売事業)

当事業は、国内外において、東洋食品等を仕入れ、販売しております。

北米では、新型コロナウイルス感染症による規制が緩和され外食需要が回復してきていることから、前年同期を上回りました。また、欧州、アジア・オセアニアでも同様の理由により前年同期を上回りました。この結果、卸売事業全体では、前年同期の売上を上回りました。

 

この結果、海外 食料品卸売事業の売上収益は2,620億6千8百万円(前年同期比132.1%)、事業利益は176億8千6百万円(前年同期比167.5%)と、増収増益となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ235億5千1百万円増加し、792億2千9百万円となりました。

当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、520億9千3百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ50億7千3百万円収入減でありました。これは主に、税引前利益が増加したものの、棚卸資産の増加、営業債権及びその他の債権の増加、法人所得税の支払による支出が前連結会計年度に比べ増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、161億5百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出、有価証券の取得による支出があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、179億円の支出となりました。これは主に、配当金の支払、リース負債の返済による支出、自己株式の取得による支出があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

国内 食料品製造・販売

160,389

101.2

国内 その他

4,926

99.0

海外 食料品製造・販売

105,631

117.4

合計

270,948

106.9

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

b.受注実績

当社グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

国内 食料品製造・販売

145,867

100.4

国内 その他

7,915

105.0

海外 食料品製造・販売

100,792

113.7

海外 食料品卸売

261,864

132.3

合計

516,440

117.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)経営成績等

(a)経営成績の分析

(業績概要)

当連結会計年度の当社グループの業績は、国内においては、しょうゆ、食品、酒類が堅調に推移し、飲料は前年に及ばなかったものの、増収となりました。利益面では、しょうゆ、食品、酒類の増収による増益効果があったものの、原材料等の高騰の影響により、ほぼ前年並みとなりました。海外においては、食料品製造・販売及び食料品卸売事業がともに好調に推移したことにより、増収増益となりました。この結果、売上収益は前年同期に比べ77,028百万円増収の516,440百万円(前年同期比117.5%)、事業利益は前年同期に比べ9,622百万円増益の52,273百万円(前年同期比122.6%)、営業利益は前年同期に比べ9,010百万円増益の50,682百万円(前年同期比121.6%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期に比べ7,744百万円増益の38,903百万円(前年同期比124.9%)となりました。

(売上収益)

当連結会計年度の当社グループの売上収益は、前年同期に比べ77,028百万円増収の516,440百万円(前年同期比117.5%)となりました。

ⅰ.国内 食料品製造・販売事業

しょうゆ部門は、家庭用分野ではテレビ宣伝を中心とした商品の付加価値を伝えるマーケティング施策等により「いつでも新鮮」シリーズは前年同期を上回りましたが、「特選 丸大豆しょうゆ」などのペットボトル品が前年同期を下回り、家庭用分野全体として前年同期を下回りました。加工・業務用分野は、前年の新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、前年同期を上回りました。また、しょうゆは2022年2月に原材料高騰等を背景とした価格改定を行いました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。一方、食品部門は、つゆ類は、ストレートタイプつゆの「具麺」シリーズ、白だしが好調に推移しましたが、全体では前年同期並みになりました。たれ類も、主力商品である「わが家は焼肉屋さん」が堅調に推移し、前年同期を上回りました。「うちのごはん」は、2021年2月発売の新シリーズ「肉おかずの素」の売上が好調に推移し、前年同期を上回りました。デルモンテ調味料は、家庭用分野が苦戦したものの、加工・業務用分野が増加し、前年同期を上回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。飲料部門では、豆乳飲料は、健康志向の高まりを背景に需要が拡大し、飲用だけでなく料理素材として豆乳を使う消費者も増えております。特定保健用食品の商品や無調整豆乳を中心として売上が伸び、前年同期を上回りました。また、豆乳飲料は2022年2月に原材料高騰等を背景とした価格改定を行いました。デルモンテ飲料は、トマトジュースが振るわず、前年同期を下回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を下回りました。酒類部門では、本みりんは、家庭用分野では、「濃厚熟成本みりん」、高付加価値商品の「米麹こだわり仕込み本みりん」などが売上を伸ばし、加工・業務用分野は前年同期並みになりました。ワインは前年同期を上回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。この結果、前年同期に比べ693百万円増収の148,815百万円(前年同期比100.5%)となりました。

ⅱ.国内 その他事業

臨床診断用酵素は前年同期の売上を上回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。この結果、前年同期に比べ457百万円増収の21,643百万円(前年同期比102.2%)となりました。

 

ⅲ.海外 食料品製造・販売事業

北米市場においては、家庭用分野では、主力商品であるしょうゆに加え、しょうゆをベースとした調味料などの拡充に引き続き力を入れており、当社のブランド力を活かした事業展開を行ってまいりました。また、加工・業務用分野では顧客のニーズに合わせたきめ細かな対応をし、事業の拡大を図りました。この結果、前年同期の売上を上回りました。欧州市場においては、主要市場であるドイツ、オランダ、イタリアなどで売上を伸ばし、前年同期の売上を上回りました。アジア・オセアニア市場においては、中国市場では前年の新型コロナウイルス感染症の影響から回復したことにより、前年同期の売上を上回りました。また、インドネシア、タイにおいても売上を伸ばし、全体として前年同期を上回りました。この結果、部門全体では前年同期の売上を上回りました。

デルモンテ部門は、中国の伸びが全体を牽引し、部門全体で前年同期の売上を上回りました。その他食料品部門は、部門全体では前年同期の売上を上回りました。この結果、前年同期に比べ14,960百万円増収の115,793百万円(前年同期比114.8%)となりました。

ⅳ.海外 食料品卸売事業

北米では、新型コロナウイルス感染症による規制が緩和され外食需要が回復してきていることから、前年同期を上回りました。また、欧州、アジア・オセアニアでも同様の理由により前年同期を上回りました。この結果、卸売事業全体では、前年同期の売上を上回りました。この結果、前年同期に比べ63,736百万円増収の262,068百万円(前年同期比132.1%)となりました。

(事業利益)

当連結会計年度の当社グループの事業利益は、前年同期に比べ9,622百万円増益の52,273百万円(前年同期比122.6%)となりました。

ⅰ.国内 食料品製造・販売事業

しょうゆ部門、食品部門、飲料部門は前年同期を下回ったものの、酒類部門が前年同期を上回りました。この結果、国内 食料品製造・販売事業の事業利益は、前年同期に比べ9百万円減益の11,622百万円(前年同期比99.9%)となりました。

ⅱ.国内 その他事業

国内 その他事業の事業利益は、前年同期に比べ44百万円減益の1,870百万円(前年同期比97.7%)となりました。

ⅲ.海外 食料品製造・販売事業

しょうゆ部門は、北米、欧州、アジア・オセアニア市場において堅調に推移しました。デルモンテ部門は前年同期を上回り、その他食品部門は前年同期を下回りました。この結果、海外 食料品製造・販売事業の事業利益は、前年同期に比べ2,294百万円増益の22,711百万円(前年同期比111.2%)となりました。

ⅳ.海外 食料品卸売事業

北米、欧州、アジア・オセアニア市場において堅調に推移し、前年同期を上回りました。この結果、海外 食料品卸売事業の事業利益は、前年同期に比べ7,130百万円増益の17,686百万円(前年同期比167.5%)となりました。

(営業利益)

当連結会計年度のその他の収益及びその他の費用は、前年同期に比べ612百万円の減収となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、前年同期に比べ9,010百万円増益の50,682百万円(前年同期比121.6%)となりました。

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

当連結会計年度の金融収益及び金融費用は、公正価値評価益の増加等により前年同期に比べ1,983百万円の増収となりました。この結果、税引前利益は、前年同期に比べ11,036百万円増益の54,231百万円(前年同期比125.6%)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期に比べ7,744百万円増益の38,903百万円(前年同期比124.9%)となりました。また、基本的1株当たり当期利益は、前年同期に比べ40.63円増加の202.94円となりました。

 

(b)財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前期末に比べ47,846百万円増加しております。これは主に、現金及び現金同等物、棚卸資産が増加したことによるものであります。非流動資産は、前期末に比べ16,705百万円増加しました。これは主に、有形固定資産、その他の金融資産(非流動)が増加したことによるものであります。この結果、当連結会計年度末の資産合計は、前期末に比べ64,552百万円増加の503,061百万円となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前期末に比べ10,529百万円増加しております。これは主に、営業債務及びその他の債務が増加したことによるものであります。非流動負債は、前期末に比べ3,629百万円増加しました。これは主に、リース負債、その他の非流動負債が増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、前期末に比べ14,159百万円増加の139,153百万円となりました。

(資本)

当連結会計年度末における資本は、前期末に比べ50,393百万円増加しております。これは主に、利益剰余金が増加したことによるものであります。この結果、資本合計は363,907百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は、前期に比べ0.8%増加の71.1%となりました。

(c)キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場環境の変化、原材料市況の変動、為替レートの変動、食の安全性に関わる問題等があります。

市場環境の変化については、景気動向の悪化や消費者の嗜好・価値観の変化、新たな競争相手の出現等によって、当社グループの提供する商品及びサービスに対する需要が低下した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。こうした中、当社グループは、グローバル企業である強みを生かし、事業及び展開地域を多様化することによって、特定地域及び特定事業の変動が全体に及ぼす影響を限定的にできるような体制を強化しております。また、当社グループ各社の業績を月次で把握しており、業績に大きな変化があった場合には原因を分析し、迅速に対応ができるような体制も構築しております。

原材料市況の変動については、主力製品のしょうゆに使用される大豆、小麦等は国際商品市況の影響を受け、また原油価格の変動は包装資材であるペットボトル等や商品の製造経費、運送費に影響を与えることから、原材料市況の変動が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。こうした中、当社グループは、業績の把握及び予算の立案時等において、原材料費変動の影響についての分析及び検討を行い、必要な対応策を講じる体制を構築しております。また、大豆、小麦に関しては、グループ会社間で情報交換を行い、相場変動による影響を低減しております。

為替レートの変動については、当社グループは連結財務諸表作成のために在外子会社等の財務諸表を円貨に換算しており、また商品・サービスの提供及び原材料・仕入商品の調達を外貨建てで行っていることなどから、為替レートの変動が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。こうした中、当社グループは、業績の把握及び予算立案時等において、為替レートの分析及び検討を行い、必要な対応策を講じる体制を構築しております。また、特に影響の大きい主要原材料等については、為替予約を利用してリスクヘッジすることにより、その影響を低減するための対策を講じております。

食の安全性に関わる問題については、当社グループでは、安全で高品質の商品を安定的に供給することを基本的な使命と考え、品質保証体制及び品質管理体制の強化に取り組んでおりますが、偶発的な事由によるものを含めて製品事故が発生した場合や当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。こうした中、当社グループでは、キッコーマングループ品質方針を定め、グループ主要製造会社に品質保証担当部門を設置するとともに、グループ横断の委員で構成される品質保証委員会を開催し、国内外の安全性、法令の順守、社会的公平性の確保を図る体制を構築しております。

3)資本の財源及び資金の流動性

(a)資金需要

当社グループの資金需要の主なものは、事業活動における運転資金及び設備資金等であります。運転資金需要のうち主なものは、製品の生産に必要な原材料等の仕入や商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また設備資金需要としては、生産設備への投資に加え、情報処理の為の無形資産投資等があります。

(b)財政政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、国内、主要な海外子会社のものを含め当社において一元管理し、当社グループ全体の有利子負債の削減を図っております。また、当社グループは国内1社の格付機関から格付を取得し、本報告書提出時点において、格付投資情報センター:「A+」となっており、また金融機関には十分な借入枠を所有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。

4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

5)経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

6)経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

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