事業等のリスク

2【事業等のリスク】

  当社グループの事業においてリスクの要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

  なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1)経営環境の変化について

 当社グループは、インターネット業界においてクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスを提供しております。現在は顧客企業のIT投資マインドの上昇を背景として事業を拡大しておりますが、今後国内外の経済情勢や景気動向等の理由により顧客企業のIT投資マインドが減退するような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境」に記載しております。

 

(2)競合他社による影響について

  当社グループのクラウド事業では先行者メリットを活かしつつ、顧客のニーズに合ったサービスの開発を行うことで優位性を高めております。しかしながらクラウドサービスの新規参入の技術的な障壁は必ずしも高いものとは言えず、資金力、ブランド力を有する大手企業をはじめとする競合他社により類似したサービスが開発され価格競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)特定の製品への依存リスクについて

  当社グループは、法人向けに業務効率化に貢献するクラウドサービスの提供を行っており、交通費・経費精算システム「楽楽精算」(2022年3月期 売上:7,658百万円)と、問い合わせメール共有・一元管理システム「メールディーラー」(2022年3月期 売上:2,178百万円)の二つが主力サービスとして、当社グループの業績を牽引しております。「楽楽精算」の急成長により、売上高では「メールディーラー」への依存度は低下傾向にあるものの、依然として利益面では「メールディーラー」への依存は未だ高い状態にあります。二つの主力サービスが当社グループの売上高に占める割合は大きく、今後、競合製品との競争激化により売上高が大幅に減少した場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)技術革新等への対応について

  当社グループが各種サービスを提供するインターネット業界においては新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており、非常に変化の激しい業界となっております。そのため常に新しい技術要素をITエンジニアに習得させてまいりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合当社グループが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また、新技術への対応のため予定していないシステムへの投資が必要となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

  また、会計、税務、人事労務その他の規制に関する変更により、当社グループが提供するサービスについて重大な修正を要した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)ITエンジニア派遣市場の動向について

  現在、多様なインターネットサービスの登場や企業の情報システム化に伴い国内ITエンジニア派遣市場は活況を呈しておりますが、企業によるシステム開発の内製化、人件費や事業コストの安い新興国の企業・人材を活用して開発コストを削減するオフショア開発が当社グループの想定する以上に急激に進んだ場合、及び、主要な派遣先の業績不振等により派遣受入ニーズが減退した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)主要な取引先の喪失の可能性について

  IT人材事業においては数十名規模のチームで派遣を行う場合もあり、その結果1社当たりの売上額が大きい取引先が存在します。取引先とのコミュニケーションを頻繁にとることで取引先のニーズに合った人材を派遣し顧客満足度の向上に努めておりますが、何らかの原因によりそれらの取引先の喪失があった場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(7)システムトラブルによるリスクについて

  当社グループはクラウドサービス及びレンタルサーバーサービスを提供しており、同サービスの保守・運用・管理は通信ネットワークに依存しております。安定的なサービス提供のため、サーバー設備の増強や情報セキュリティ責任者が適切なセキュリティ手段を講じることで外部からの不正アクセスの回避等を行っておりますが、以下のシステム障害が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

①サービス提供を行っているコンピューターシステムへの急激なアクセスの増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によって当該コンピューターシステム及び周辺システムがダウンした場合。

②コンピューターウィルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合。

③従業員の過誤等によって、当社グループの提供サービスのプログラムが書き換えられたり、重要なデータが削除された際、事態に適切に対応できず信用失墜や損害賠償による損失が生じた場合。

 

(8)法的規制によるリスクについて

①クラウド事業について

  当社グループは、電気通信事業者(旧一般第二種電気通信事業者)として総務省に届出(届出番号E17-2681)を行っており、電気通信事業法に基づく通信役務の提供を行っております。現在のところ、当社の事業に対する同法による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、社会情勢の変化等により当社の事業展開を阻害する規制の強化等が行われる可能性は絶無では無く、万一かかる規制の強化がなされた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

  また、インターネットの普及に伴い、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダー責任制限法)」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」及び「特定商取引に関する法律」等の法令が整備されておりますが、今後、これらの法律による規制の強化、関連業者を対象とした新たな法的規制等が制定された場合、当社グループの業務が一部制約を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②IT人材事業について

  当社グループのIT人材事業においては、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という。)により規制されているため、当社は同法に基づき厚生労働大臣の許可を受け、一般労働者派遣事業を行っております(派遣:派13-310802、紹介:13-ユ-309573)。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行うもの(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事項に該当したり、法令に違反した場合には、事業許可の取り消し、又は業務の停止を命じる旨を定めています。当社では、社員教育の徹底、内部監査等による関連法規の遵守状況モニター、取引先の啓蒙等により、法令違反等の未然防止に努めていますが、万一当社役職員による重大な法令違反等が発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(9)特定の人物への依存について

  代表取締役社長である中村崇則は、当社グループの創設者であり、会社経営の最高責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社グループの事業推進において重要な役割を果たしております。

  当社グループは、中村崇則に過度に依存しない経営体制を整備するため、取締役間の相互の情報共有や事業部制導入による経営組織の強化を図っております。しかしながら、何らかの理由により中村崇則が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(10)人材の採用・育成について

  今後の業容拡大を図る中で、各事業において、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であると認識しております。そのため人材の採用・育成を継続的に行っておりますが、今後各事業において人材獲得競争が激化し、優秀な人材の採用が困難となる場合や在職している人材の社外流出が大きく生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(11)情報管理体制について

  当社グループは、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しておりますが、このような対策にもかかわらず重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(12)知的財産の侵害におけるリスクについて

  当社グループは、提供しているサービスの名称について商標登録申請をしております。また、第三者の知的財産の侵害の可能性については、戦略企画部法務担当及び顧問弁護士並びに弁理士等を通じて事前調査を行い対応しております。しかしながら、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合、当社グループへの損害賠償請求やロイヤリティの支払要求、使用差止請求等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(13)海外子会社について

  当社グループは、海外子会社においてクラウドサービスの一部を開発しており、当該国の政治・経済・社会情勢の変動に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規則の変更等により当地における事業の継続が困難となる等のカントリーリスクを有しております。カントリーリスクについては顧問契約を締結している現地の会計事務所や法律事務所と情報を共有し適切に対応することでリスクヘッジを行っております。しかしながら、このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)自然災害について

  クラウド事業の顧客の情報資産が格納されるサーバーは、東京都内及び大阪府内に分散管理することでリスクを分散させておりますが、データセンターやその周辺ネットワーク設備等に被害を及ぼす災害、事故等が発生し情報資産の消失又はサービスの提供が維持できない状態に至った場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、災害、事故等によりIT人材事業における派遣先の重要な設備が損壊し事業活動の停止もしくは事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(15)有価証券の価格変動リスク

  当社グループでは、有価証券を保有しておりますが、市場価格のない株式等以外の有価証券については、株式市場の変動などにより時価が著しく下落した場合には、評価損を計上することとしております。また、市場価格のない有価証券については、期末時点での発行会社の財務状況や今後の見通しから減損すべきだと判断した場合には、評価損を計上することとしております。このような状況になった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)のれんの減損による影響について

 当社グループは、企業買収に伴い生じたのれんを2022年3月期末時点で627百万円計上しております。買収時の収益計画と概ね相違ない進捗であり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に起因する業績の落ち込みも見られておらず、減損の兆候はないと判断しているものの、収益性の悪化などによる価値の毀損により、当該のれんの減損処理を実施する場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によるリスク

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、業績の落ち込みも懸念されますが、セグメントごとの影響は次のとおりであります。
 クラウド事業においては、貴重な見込み顧客獲得機会である展示会が中止や延期となる状況が継続する場合、成長投資を十分に実行できない可能性があります。
 IT人材事業においては、新たな派遣先に赴任する場合、一定の業務説明や情報共有が必要になりますが、顧客企業の状況によりましては、エンジニア契約の手続きに遅れが生じ、新たなエンジニアの受け入れや派遣先変更に伴うエンジニア派遣契約の開始に遅れが生じる可能性があります。

 

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