業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による各種政策の効果や海外経済の改善を受けて、持ち直しの動きがみられましたものの、新型コロナウイルス感染症の影響及び原燃料価格の高騰により、依然として厳しい状況で推移いたしました。

 このような情勢のもとで、当社グループは、3カ年の第6次中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)に基づき、コスト削減で収益性の向上に努めるとともに成長戦略の実現と経営資源の効率化を進めるなど、新型コロナウイルス感染症の影響で打撃を受けた収益の早期回復と企業価値の向上に取り組んでまいりました。

 当連結会計年度の売上高につきましては、一部製品の出荷が好調に推移したことや、新型コロナウイルス感染症の影響により縮小した経済活動の持ち直しの動きのなかで、製品の需要が回復したことなどにより、前連結会計年度を上回る8,149百万円(前連結会計年度比29.7%増)となりました。

 損益面につきましては、超微粒子酸化チタン製造設備増設に伴う減価償却費の増加及び主要原燃料価格の高騰などの影響を受けましたものの、売上高の増加に加え、生産数量も増加したことなどにより、営業利益は373百万円(前連結会計年度は営業損失64百万円)、経常利益は287百万円(前連結会計年度は経常損失150百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は265百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失178百万円)となりました。

 

 セグメント別の概況は、次のとおりであります。

 

(酸化チタン関連事業)

 酸化チタン関連事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により縮小した経済活動の持ち直しの動きのなかで、トナー外添剤向け及びUVカット化粧品向け製品の需要が回復したことや、リチウムイオン二次電池向け製品の出荷が好調に推移したことなどにより、出荷数量が増加いたしました。

 

 その結果、当セグメントの売上高は5,464百万円(前連結会計年度比23.6%増)となり、超微粒子酸化チタン製造設備増設に伴う減価償却費の増加及び主要原燃料価格の高騰などの影響を受けましたものの、売上高の増加に加え、生産数量も増加したことなどにより、営業利益は408百万円(前連結会計年度比121.2%増)となりました。

 

(酸化鉄関連事業)

 酸化鉄関連事業につきましては、トナー向け新製品の出荷が好調に推移したことや、新型コロナウイルス感染症の影響により縮小した経済活動の持ち直しの動きのなかで、汎用品向け及び化粧品向け製品の需要が回復したことなどにより、出荷数量が増加いたしました。

 その結果、当セグメントの売上高は2,622百万円(前連結会計年度比44.0%増)となり、売上高の増加に加え、生産数量も増加いたしましたものの、主要原燃料価格の高騰などの影響を受けましたので、営業損失は76百万円(前連結会計年度は営業損失266百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は551百万円となり、前連結会計年度末より25百万円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは687百万円(前連結会計年度は△149百万円)となりました。これは、売上債権の増加(△612百万円)、棚卸資産の増加(△719百万円)などの資金減があったものの、税金等調整前当期純利益(283百万円)、減価償却費(853百万円)、仕入債務の増加(567百万円)、その他の営業活動による収入(318百万円)などの資金増によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは△3,453百万円(前連結会計年度は△770百万円)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出(△3,452百万円)などの資金減によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは2,740百万円(前連結会計年度は597百万円)となりました。これは、短期借入金の返済による支出(△300百万円)、長期借入金の返済による支出(△452百万円)などの資金減があったものの、長期借入れによる収入(3,600百万円)などの資金増によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

対前期比増減(%)

酸化チタン関連事業

6,842

34.6

酸化鉄関連事業

2,623

57.1

その他

7

△9.3

合計

9,473

40.2

(注)1 金額は期中平均販売価格によっております。

2 当社グループは生産に関し外注は行っておりません。

 

b.受注実績

 当社グループは受注生産は行っておりません。

 

c.販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

対前期比増減(%)

酸化チタン関連事業

5,464

23.6

酸化鉄関連事業

2,622

44.0

その他

63

45.5

合計

8,149

29.7

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

稲畑産業株式会社

1,954

31.1

2,419

29.7

森下産業株式会社

990

15.8

1,473

18.1

株式会社東芝

1,111

17.7

1,311

16.1

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により会計基準の範囲内で見積り計算が行われており、資産及び負債、収益並びに費用にその結果が反映されております。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なることがあります。

 なお、重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は16,372百万円となり、前連結会計年度末に比べ667百万円増加いたしました。これは主にその他流動資産が217百万円、有形固定資産が559百万円それぞれ減少したものの、受取手形及び売掛金が448百万円、電子記録債権が163百万円、商品及び製品が464百万円、仕掛品が172百万円、投資有価証券が104百万円それぞれ増加したことによるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は9,635百万円となり、前連結会計年度末に比べ373百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が300百万円、その他流動負債が2,848百万円それぞれ減少したものの、支払手形及び買掛金が230百万円、電子記録債務が135百万円、長期借入金が3,093百万円それぞれ増加したことによるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は6,737百万円となり、前連結会計年度末に比べ294百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が234百万円増加したことによるものであります。

 

③経営成績の分析

 当連結会計年度における売上高は8,149百万円(前連結会計年度比29.7%増)、売上原価は6,675百万円(前連結会計年度比26.0%増)、販売費及び一般管理費は1,101百万円(前連結会計年度比4.6%増)、営業利益は373百万円(前連結会計年度は営業損失64百万円)、経常利益は287百万円(前連結会計年度は経常損失150百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は265百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失178百万円)となりました。

 

④キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」 に記載のとおりであります。

 短期運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした長期資金需要は、主に設備投資によるものであります。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 

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