業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。

 

a 財政状態

総資産は、前連結会計年度末に比べて31,917百万円増加し、350,981百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べて6,977百万円増加し、92,871百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べて24,940百万円増加し、258,109百万円となりました。

 

b 経営成績

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ、11.3%増加の129,546百万円となりました。

利益につきましては、営業利益22,376百万円(前連結会計年度比15.4%増)、経常利益25,904百万円(前連結会計年度比24.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益18,836百万円(前連結会計年度比22.9%増)となりました。

売上原価率は、48.7%(前連結会計年度比0.6ポイント上昇)となりました。また、販管費率は、34.0%(前連結会計年度比1.3ポイント低下)となりました。これらの結果として、営業利益率は、17.3%(前連結会計年度比0.7ポイント上昇)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが21,314百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが9,111百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが8,181百万円の支出となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、21,314百万円の収入となりました。主な内訳は、収入項目では税金等調整前当期純利益25,563百万円、支出項目では法人税等の支払額7,074百万円であります。前連結会計年度との比較では、5,211百万円収入が増加しております。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、9,111百万円の支出となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出10,174百万円であります。前連結会計年度との比較では、1,759百万円支出が増加しております。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、8,181百万円の支出となりました。主な内訳は、配当金の支払額4,896百万円であります。前連結会計年度との比較では、2,244百万円支出が減少しております。

 以上の結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて7,867百万円増加し、67,536百万円となりました。

③ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品事業

120,233

+1.7

合計

120,233

+1.7

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

b 受注実績

 当社グループは、見込生産を主体としているため記載を省略しております。

 

c 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品事業

129,546

+11.3

合計

129,546

+11.3

(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アルフレッサ ホールディングス㈱

31,426

24.0

28,866

22.3

㈱メディパルホールディングス

28,732

22.0

27,725

21.4

㈱スズケン

20,361

15.6

19,659

15.2

東邦ホールディングス㈱

14,516

11.1

14,142

10.9

2 上記の相手先のうち、持株会社制を採用している会社は当該持株会社の名称を付すとともに、属する関係会社の取引高を集計して記載しております。

3 前連結会計年度は「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用前の数値で表示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 財政状態

当連結会計年度末における資産合計は350,981百万円で、前連結会計年度末に比べて31,917百万円の増加となりました。流動資産は、棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ25,146百万円の増加となりました。固定資産は、投資有価証券が減少した一方で、建物及び構築物の増加等により、前連結会計年度末に比べて6,771百万円の増加となりました。

負債合計は92,871百万円で、前連結会計年度末に比べて6,977百万円の増加となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金が増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べて2,505百万円の減少となりました。固定負債は、長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて9,482百万円の増加となりました。

純資産合計は258,109百万円で、前連結会計年度末に比べて24,940百万円の増加となりました。株主資本は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べて13,880百万円の増加となりました。その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べて8,103百万円の増加となりました。また、非支配株主持分は、前連結会計年度末に比べて2,956百万円の増加となりました。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末と同様の68.3%となりました。

 

b 経営成績

当連結会計年度の売上高は、前年同期と比べ11.3%増加し、129,546百万円となりました。

国内の売上高は、119,567百万円となりました。医療用漢方製剤129処方の売上高は、新型コロナウイルス感染症の拡大による受診控え等の影響を受けながらも、e-プロモーションの拡充を進めたことにより、前期比で8.1%増加しました。主力である育薬処方の大建中湯は前年同期に比べ3.4%増加し、六君子湯は前年同期に比べ8.3%増加しました。Growing処方では、五苓散、加味逍遙散が好調に推移しました。

海外の売上高は、原料生薬と飲片(刻み生薬)の販売を中心とする生薬プラットフォーム(平安津村薬業有限公司、深セン津村薬業有限公司等)の売上高が大きく寄与し、9,978百万円となりました。

売上原価は、売上高の伸長により前年同期と比べ12.7%増加し、63,081百万円となりました。売上原価率は、前年同期と比べ0.6ポイント上昇し、48.7%となりました。

販売費及び一般管理費は、前年同期と比べ7.3%増加し、44,088百万円となりました。主にe-プロモーションに伴う活動経費等の増加によるものです。販管費率は、前年同期と比べ1.3ポイント低下し、34.0%となりました。

以上の結果、営業利益は前年同期と比べ15.4%増加し、22,376百万円となりました。営業利益率は、前年同期と比べ0.7ポイント上昇し、17.3%となりました。経常利益は、為替差益の影響により、前年同期と比べ24.1%増加し、25,904百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期と比べ22.9%増加し、18,836百万円となりました。

当社を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の制限を受ける等、依然として厳しい状況ではありますが、製薬企業の使命である製品の安定供給を最優先に取り組んでまいります。

 

[ 新型コロナウイルス感染症への取り組み及び業績への影響について ]

 当連結会計年度において、製品供給への影響は国内及び海外ともに出ておりません。また、業績影響については、医療機関への訪問による情報提供活動の制限等、一部事業活動への影響を受けております。

 不透明な事業環境が続きますが、引き続き状況の変化を注視するとともに、感染予防に細心の注意を払った生産・物流の維持や情報収集・提供活動等への対応を行ってまいります。

 

c 経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

なお、当連結会計年度において、経営成績に重要な影響を与える要因はございません。

 

d 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「売上高」「営業利益」「売上高営業利益率」「親会社株主に帰属する当期純利益」「EPS」「ROE」を、目指すべき方向性等を示す数値目標として設定しております。

当社は、当連結会計年度の通期業績予想について、業績動向等を踏まえ、2021年5月11日に公表した予想値を修正し、2021年10月29日に改めて公表しました。

2021年度修正業績予想との比較では、売上高は129,546百万円(計画比1.6%増)、営業利益は22,376百万円(計画比6.1%増)、売上高営業利益率は17.3%(計画比0.8ポイント増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は18,836百万円(計画比13.5%増)となりました。

EPSは246.2円(計画比29.2円増)となり、ROEは8.2%(計画比0.8ポイント増)となりました。

 

e セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは医薬品事業の単一セグメントであります。

(医薬品事業)

 売上高は、前連結会計年度に比べ11.3%増の129,546百万円となりました。

 セグメント利益は、前連結会計年度に比べ15.4%増の22,376百万円となりました。

 セグメント資産は、前連結会計年度に比べ31,917百万円増加の350,981百万円となりました。

 

f 今後の見通し

2023年3月期の業績予想につきましては、売上高は国内医療用漢方製剤ならびに中国事業の伸長傾向をふまえ138,500百万円を見込んでおります。このうち海外の売上高は14,300百万円の見込みであります。利益につきましては、営業利益20,800百万円(7.0%減)、経常利益21,200百万円(18.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益15,000百万円(20.4%減)を見込んでおります。

国内においては、MRによる実面談での情報提供に加え、デジタル技術を活用したハイブリッド型プロモーションにより、医療従事者一人ひとりが必要とする情報を最適なチャネルから適切なタイミングで提供し、最適な顧客体験を実現することで、漢方市場の継続的拡大を目指してまいります。海外においては、生薬プラットフォームにおける原料生薬、飲片(刻み生薬)の販売拡大とともに、中成薬事業参入に向けた取り組みを進めてまいります。なお、現時点で新型コロナウイルス感染症の収束時期を正確に見通すことが困難な状況でありますが、状況に変化が発生した場合には適時・適切な開示を実施いたします。

当社は、今後も、社員やお得意先、お取引先の皆様等の安全を最優先に感染拡大防止に努め、政府の方針や行動計画に基づき対応方針を決定すると共に、適切な事業継続を図ってまいります。

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する

当期純利益

翌連結会計年度

2023年3月期

(増減率)

138,500

 

(6.9%)

20,800

 

(△7.0%)

21,200

 

(△18.2%)

15,000

 

(△20.4%)

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金、社債、金融機関からの借入金により資金調達を行っております。運転資金は自己資金及び短期借入金を基本としており、設備投資資金は社債及び長期借入金を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は50,000百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は67,536百万円となっております。

 

c 資金使途

当社グループは2022年度にスタートした第1期中期経営計画を長期経営ビジョン実現のための基盤構築のステージとして位置づけ、成長(事業規模の拡大)と収益力(利益率の向上)による企業価値の向上を目指し、適切なリスクをとりながら将来のために必要な投資を行ってまいります。

国内事業関連投資として、国内での製造工程(抽出・乾燥、造粒、包装・表示)及び天津工場での抽出・乾燥工程に投資を計画しており、中国事業関連投資として、中薬研究センター建設及びIT基盤構築への投資を計画しております。また、中成薬企業の提携・買収等を実施し、中国国民の健康に広く貢献できる企業となるべく事業基盤の構築を進めてまいります。

なお、当社グループの2022年度設備投資金額は17,500百万円、研究開発費は7,600百万円を計画しております。

今後もさらなる事業基盤の構築に向けて、適切な資金調達及び中長期的な視点から経営の意思を反映した資源配分を行ってまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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