課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社は光学薄膜技術の限界にチャレンジすることを常にめざし、研究開発型企業として、グローバル市場での存在感を発揮してまいりました。今後も光学薄膜装置製造+成膜プロセスソリューションを一体で提供する企業として、研究開発を加速し、市場の求めるニーズを高度かつ迅速な技術的対応で答える事業スタイルを徹底して行きたいと考えます。

 

当社グループ事業に関連する最終製品の成膜需要はスマートフォンをはじめ、IoT(自動車・半導体光学融合・生体認証・AR/VR)・LEDと様々な分野に拡大しております。

スマートフォンでは、カメラの複眼化・高機能化、3Dセンシング技術、自動車では、自動運転技術向上による車載カメラ・センサ技術、よりグラフィカルな表示を可能とするインストルメントパネル等のディスプレイ化及びパネルの大型化、IoT分野では、スマートグラスやウェアラブル端末等のAR/VR技術、LEDでは、光源、ミニLED等、成膜を必要とする最終製品は多様化しております。

最終製品の多様化により光学薄膜の用途が広がり、事業機会が増すとともに、競争環境は激しさを増しております。

このような環境の中、当社グループが認識している課題は以下のとおりであります。

 

(1) 市場・お客様ニーズに対応した研究開発強化

 市場・お客様の光学薄膜ニーズは、従来の平面への成膜だけでなく、凹凸面や3D曲面への成膜や微細化・高機能化等の技術要求水準が極めて高く、光学薄膜技術のみならず、他の成膜技術・半導体加工技術等との技術的融合が重要となります。

 これらのニーズに対し、当社・光馳科技(上海)有限公司・光馳科技股份有限公司(台湾)・Afly solution Oy(フィンランド)に加え、2021年にALD事業の本格展開を目的に新設した光馳半導体設備(上海)有限公司によるグローバル体制で横断的に研究開発を行い、他社にない優れた製品開発、生産技術向上、グローバルで多様な人材採用による技術力強化、産学連携による新技術の研究開発及び新事業の創出に取り組みます。

 より一層の拠点間の連携強化を図り、お客様ニーズに対応した製品開発を加速してまいります。

 

(2) グループ経営強化及び競争優位性確立

 当社グループは、当社がグループ全体の研究開発やマーケティングに関する統括・事業活動の推進を中心的に行い、統括力・指導力を発揮してグループ全体の企業体質向上に取り組みます。

 光馳科技(上海)有限公司及び光馳科技股份有限公司(台湾)は、生産・研究開発拠点として、主要市場である中国・台湾のお客様の成膜ニーズを的確に把握し、迅速に生産・研究開発活動に反映しております。生産では、生産コスト削減・生産効率向上・品質管理を徹底し、研究開発では、新型装置開発に積極的に取り組み、お客様の成膜ニーズに対応しております。

 光馳半導体設備(上海)有限公司においてALD装置事業に特化した事業展開をするとともに、Afly solution OyにおいてALD装置の設計、研究開発を積極的に行い、ALD装置事業の強化に努めてまいります。

 グループ一丸となり、徹底したコスト削減による収益力向上、品質安全管理強化を通じた製品信頼性向上、成長のための積極的な研究開発投資を図り、競争優位性確立を目指します。

 

(3) 事業規模拡大への対応・投資

 当社グループの事業規模及び関連する事業活動分野は拡大しております。今後は、成膜装置生産、プロセス開発の総合的な成膜装置提供サービスを強化し、従来事業を伸長させていくとともに、M&Aや事業提携等の機会を探し、従来事業とのシナジーを得ながら事業拡大を目指す必要があります。また、新技術に注目した国内外での企業投資を活発化し、成膜装置技術の新たな展開につながる技術ノウハウの取得や資本コストを意識した投資判断や投資管理を徹底し、株主価値のさらなる向上を目指します。

 

(4) SDGs・ESGの取り組み

 持続可能な社会の実現に向け企業としての社会的責任を果たすため、SDGs・ESGへの取り組みを重視した経営を進めてまいります。

 環境・社会においては、環境負荷を低減した製品開発や地域貢献活動に積極的に取り組み、環境社会に配慮した企業活動を目指します。

 ガバナンスにおいては、引き続き経営体制を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実を図るとともに、ステークホルダーと積極的な対話を行い、信頼性及び透明性の高い経営を目指します。

(5) 新型コロナウイルス感染症への対応及び業績影響

 当社グループでは新型コロナウイルス感染症に対し、社員及びその家族、お客様をはじめとするステークホルダーの安全確保・感染防止を優先し、各国政府及び地方自治体の要請、指導にできるだけ応えるとともに、事業に及ぼす影響を最小限に抑えるべく、必要な対応を行っております。

 新型コロナウイルス感染症は依然、世界的に流行しており、顧客の引き合いに大きな変化はないものの、感染再拡大により部品調達や生産活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

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