事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 為替レ-トの変動

当社グループの事業は、主に日本と米国、タイ国、中国、ベトナムにおいての製品の生産と販売活動を行っております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円貨換算されているため、換算時の為替レートにより影響を受ける可能性があります。

次に、当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域の現地通貨での輸出価格の下落(過少評価)となります。一方、現地の製造コストは変わらないことから、現地通貨での利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、為替予約等により短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的な通貨変動により、計画された販売活動等を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料の価格変動

鋼材、銅及び原油価格の高騰による原材料価格の上昇により製品価格競争の激化の影響を受け、今後の当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(3) 海外活動に潜在するリスク

当社グループの生産活動のおよそ76%および販売活動のおよそ54%は、アジアの新興国市場等の日本国外で行われております。これらの海外市場での事業には以下に掲げるようないくつかのリスクが存在します。

①予期しない法律または規制の変更

②不利な政治または経済要因

③人材の採用と確保の難しさ

④インフラの未整備

⑤テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

当社グループは、競争力のある製品の製造とコスト削減のために、中国および東南アジア地域において生産規模の拡大を続けてまいりました。その中でも、中国における政治または法環境の変化、経済状況の変化、電力供給不足など、予期せぬ事象により事業の遂行に問題が生じる可能性があります。従って、これらの事象は業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 需要の変動

当社グループの製品の需要は、電機・電子業界等の市場における経済状況の変化を受けると共に、一部の市場においては、その需要動向に季節的な変動要因があります。

また、当社グループの商品には、大手顧客の商品の企画段階から参画する特注品もあり、顧客の商品の需要変動により、当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。

 

(5) 特定製品への依存

当社グループは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を契機に、太陽光発電市場において住宅用途から産業用途までラインアップを広げたことにより、当社グループの連結業績のうち大きな割合を太陽光発電用パワーコンディショナが占める状況となっております。なお、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を始めとする政府のエネルギー政策全般及び当社グループが生産する太陽光発電関連製品の販売先や電気事業者の動向等によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 公的規制に関するリスク

当社グループは、グローバルに事業活動を展開するなかで、労働、個人情報保護、安全保障貿易管理、贈収賄防止、独占禁止法令など、さまざまな法規制の適用を受けています。そこで、社員等を対象として教育・研修をはじめとするコンプライアンスの取組みを行っております。
 しかしながら、規制・法令の新設・変更・解釈において厳格化が進むなどしており、当社グループが公的規制に抵触することになった場合には、事業活動が制限されたり、その遵守のために追加的な費用等が発生する等、今後の当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 価格競争によるリスク

当社グループは、国内外の市場において激しい競争にさらされており、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格を設定することが困難な場合があります。
 当社グループは、こうした市場競争に対してシェアを確保していくため、継続的なコストダウン施策の推進や収益向上に努めておりますが、企業努力を上回る価格下落圧力等により、今後の当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 知的財産権に関するリスク

当社グループは、事業収益に貢献する戦略的知財活動として知的財産権の取得及び管理の強化とその活用に努めております。
 しかしながら、特定の地域における固有の事由等によって当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があり、当社自ら知的財産権保全のために訴訟等を提起しなければならない可能性があります。また、一方では、当社グループの製品が第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受ける可能性もあります。
 以上のような知的財産権について重大な係争問題が発生した場合には、多額の費用と経営資源が費やされる可能性があり、今後の当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品の品質に関するリスク

当社グループは常に製品の品質向上に尽力し、製品の品質確保に万全を期しております。しかし、予想し得ない品質上の欠陥や、リコールが発生するリスクや、初動対応などの危機対応の失敗により当社グループの信頼性やブランド、売上高、市場シェア等に影響をうけ、今後の当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 研究開発活動に関するリスク

当社グループは、革新的な新製品の開発による売上高の増加が、企業の成長にとって重要な役割を担っていると考え、経営戦略の主題として新製品の開発に取り組んでおります。
 しかしながら、変化の激しい中で将来の需要を予測し、常に業界及び市場において技術革新による魅力的な新製品をタイムリーに開発・供給し続けることができるとは限らず、販売機会損失等により今後の当社グループの経営成績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 自然災害等に関するリスク

当社グループは、国内外において多数の製造工場や研究開発施設を有しております。日本をはじめとするそれらの施設がある地域においては、地震や台風、津波、洪水等の不可避的な自然災害や火災等の事故、新型インフルエンザ等の感染症の発生により、当社の市場やサプライチェーン等に支障をきたす可能性があります。このような状況が長期間続いた場合には、今後の当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12) 借入金の依存度および金利の動向

当社グループは、生産設備及び運転資金として、銀行借入等により調達しており、当社グループの業績および財務状況によっては、金利変動等により影響を受ける可能性があります。

 

前連結会計年度
(2018年3月31日)

当連結会計年度
(2019年3月31日)

有利子負債残高(百万円)

10,735

4,864

総資産(百万円)

22,695

18,428

有利子負債依存度(%)

47.3

26.4

支払利息(百万円)

142

100

 

 

(13)継続企業の前提に関する重要事象等の解消について

当社グループの業績は過去2年間の連結会計年度において、営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、前連結会計年度末の連結純資産の部は1,277百万円となりました。また、当社単体の業績は過去2年間の事業年度において、営業損失、経常損失及び当期純損失を計上し、前事業年度末の単体純資産の部は822百万円の債務超過となりました。
 この結果、金融機関と締結している一部の借入契約(2018年3月31日現在借入残高3,981百万円)について、同契約の財務制限条項に抵触しておりました。
 これらの状況により、重要な営業損失、経常損失及び親会社に帰属する当期純損失の計上、財務制限条項への抵触等といった状況に該当することから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在しておりました。
 当該状況を解消し、今後の事業再生に向けた強固な収益体質の確立と、財務体質の抜本的な改善を図るため、産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法所定の特定認証紛争解決手続(以下、「事業再生ADR手続」といいます。)の下で、2018年10月16日にダイヤモンド電機株式会社とスポンサー契約を締結し、スポンサーの意向を反映した当社の事業再生計画に対して2018年12月7日に事業再生ADR手続の対象債権者たる取引金融機関の同意をいただき、事業再生ADR手続が成立いたしました。
 当第2四半期連結会計期間末においては、連結貸借対照表及び単体貸借対照表において債務超過となっていましたが、承認された事業再生ADR手続の事業再生計画を推し進める中で、2018年12月25日に事業再生ADR手続の対象債権者たる取引金融機関から4,947百万円の債務免除を受け、また、2019年1月22日にダイヤモンド電機株式会社を割当先とする2,999百万円の第三者割当増資を実施しており、連結貸借対照表及び単体貸借対照表上の債務超過を解消しております。
 なお、事業再生ADR手続の対象債権者たる取引金融機関に対し、債権放棄後の対象債権額については2020年3月期末まで元本を据え置き、2021年3月期から対象債権総額の7分の1相当額を毎年均等返済する契約となっており、財務制限条項は付されておりません。
 
 以上により、取引金融機関からの金融支援及び資本増強策が実施されたことから、当連結会計年度において、「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消いたしました。

 

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