研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループの技術は、光応用技術をコアに、エレクトロニクス、精密機構、及び画像処理などの周辺技術を融合させたオプトメカトロニクスと呼ばれる複合技術で、代表的な製品である半導体マスク欠陥検査装置やマスクブランクス欠陥検査/レビュー装置、レーザー顕微鏡、及びFPDフォトマスク欠陥検査装置ほか、すべての製品開発に活用されています。

 新しい製品の開発にあたっては、既に製品を納入している多くのお客さまや各種研究開発機関へのサービス・サポートを通じて、お客さまの顕在化した要望のみならず、潜在的なニーズも的確につかみ、独創的な視点と技術で素早くソリューションをご提供するように努めております。また、顕微鏡の営業活動などを通じて幅広い業界、市場を調査し、新しいマーケットやアプリケーションを探し出し、それぞれ固有のニーズに合致した新製品を生み出すことも同時に心がけております。

 当社グループは、光学技術を追求する過程で、独自のコア技術を確立してまいりました。共焦点光学系、DUV(注)光学系、EUV(注)光学系、及び光干渉計技術などの光学技術を進化させ、高度な周辺技術との融合によって特徴ある製品を生み出しています。また、高精度高速ステージ開発のための精密機構技術、あるいは欠陥検出の画像処理技術などを継続的に深化させ、近年ではAI(人工知能)技術を応用した自動欠陥分類の開発を進めるなど、お客さまのニーズに対してタイムリーにソリューションを提供できる研究・製品開発を進めています。

 (注) DUV:Deep Ultraviolet、遠紫外線

    EUV:Extreme Ultraviolet、極端紫外線

 

 当連結会計年度における研究開発の成果として発売された新製品は次のとおりです。

 

「FPDフォトマスク欠陥検査装置 CLIOS G834Advance、CLIOS G800LITE」

 FPDフォトマスク欠陥検査装置「CLIOS G834Advance」はハイエンド向けのマスク検査機です。光学系の刷新と新開発の画像処理で、従来装置の検査処理速度を維持しつつ、FPDフォトマスク基板の振動等による疑似欠陥を大幅に低減しました。さらに新型TDIカメラの搭載で撮像画像を鮮明化し、最高検出感度を従来装置の0.35µmから0.3µmへ向上することで、高精細で高品質な最先端マスクの品質保証を可能にしました。

 FPDフォトマスク欠陥検査装置「CLIOS G800LITE」は生産数量が多いミドルエンド向けのマスク検査機です。従来のデュアルヘッドから、シングルヘッドにすることでコストダウンし、新規光学系による視野拡大と光源の短波長化により、必要とされる欠陥検出感度を維持した上で検査速度は約3倍を実現し、コストパフォーマンスに優れたモデルとなっております。

 

「コンフォーカル顕微鏡自動検査/レビュー装置 OPTELICS AI²」

 「OPTELICS AI2」は、自動欠陥検査から欠陥レビュー、3次元形状測定まで一台で対応可能とした新型のコンフォーカル顕微鏡で、開発から生産に至るまであらゆる場面での活躍を想定した装置です。

 本装置では当社のコア技術であるコンフォーカル光学系および半導体検査装置の開発で培った自動検査ソフト、さらに新設計の高速動作可能なハードウェアを統合することで、ハイスループットの高速検査機能と、コンフォーカル顕微鏡による高倍率形状測定機能を両立しました。また、Deep Learningを用いたAI検査技術により、高精度な画像分類や、パターン付き基板検査、特定種の欠陥抽出といった高度な検査機能も備えております。

 

「マスク検査装置 MATRICS X9ULTRA」

 「MATRICS X9ULTRA」は、2018年に発売し、ペリクル非装着EUVマスクの検査装置として大変ご好評を頂いているX8ULTRAシリーズの次世代機種です。新たに自社開発したハイパワー193nmレーザー光源および高NA対物レンズを搭載する事により、従来機よりもさらに微小異物検出性能を向上し、テクノロジーノード3nm以降のペリクル非装着EUVマスクに特化したマスク検査システムとなっております。

 

当連結会計年度の研究開発費の総額は、8,626百万円であります。

なお、当社グループの事業は、検査・測定機器の設計、製造、販売を行う単一のセグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

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