業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による消費活動停滞が長期化し、さらに年度後半からは世界的な物価上昇や急速な地政学リスクの高まり等により不安定な情勢が続いており、景気の先行きは一層不透明な状況となっております。

外食産業におきましては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令に伴い、店舗営業時間やアルコール提供等の制約が断続的に繰り返されたうえ、食材価格や原油価格の高騰等による物価上昇の影響も強く受け、厳しい経営環境が続きました。

このような環境のもと、当社グループは、経営理念である「食を通じて地域社会の豊かな生活文化の向上に貢献する」に基づき、お客様の基本ニーズである「安全・安心」に徹底してこだわった「自然肉100%」の商品提供を堅持するとともに、引き続き店内の衛生管理を強化・徹底し、お客様に安心してご来店いただける環境づくりに注力してまいりました。

また、メニューのリニューアルや季節のフェア開催を積極的に実施して外食の楽しさをアピールし、来店促進に努めました。テイクアウト及びデリバリーのサービスの拡充、ランチ時間帯の前倒し等、販売チャネル・販売機会を広げて収益確保を図る取り組みも引き続き前向きに進めております。

同時に、アークミール業態を加えたグループ全体における購買・生産加工・物流等サプライチェーンの統合による経営効率化を継続的に推進しております。昨年12月には「安楽亭」と「ステーキのどん」をビル内隣接にて出店し設備や人材を共同活用する等、グループ内連携によって運営効率アップを図る取り組みを行いました。

以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高234億79百万円(対前年同期比11.5%減)、営業損失24億14百万円(前年同期は営業損失13億39百万円)、経常利益8億71百万円(前年同期は経常損失7億58百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益4億82百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失11億20百万円)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

<安楽亭業態>

 安楽亭業態の当連結会計年度末の店舗数は168店舗であります。内訳は直営118店舗、暖簾12店舗、FC38店舗であります。

販売促進及び商品開発につきましては、コロナ禍に伴う営業の制約の影響をカバーするため、お客様に外食の楽しさを実感していただける施策を積極的に展開してまいりました。人気の食べ放題について「夏限定 元気復活メニュー」の実施をはじめ継続的に新メニューを投入して魅力向上を図ったほか、お一人様や少人数のご利用に向けて定食メニューをリニューアルする等メニューバリエーションの充実に取り組みました。さらに、世の中におけるランチ時間重視の傾向の高まりを受け、食事をゆっくり楽しめるコース仕立て「選べる和リッチ」や、健康志向の「サラダチキンランチ」等、ランチメニューのラインナップを大幅に拡充いたしました。

その他、安楽亭がテレビのバラエティ番組にて紹介されたことを受けての「安楽亭の合格メニュー」クーポン配信、「安楽亭アプリ30万DL突破!サンクスキャンペーン」の開催等、来店促進の企画を実施いたしました。また、原材料高騰への対応や付加価値の向上等の視点から食べ放題メニュー及びグランドメニューの改定を実施し、社会的関心の高まりを受けて「プラントベースミート」(大豆ミート等)のメニューを初めて導入する等の試みも行っております。

以上の結果、安楽亭業態の当連結会計年度の売上高は90億47百万円(対前年同期比6.8%減)となり、セグメント損失(営業損失)は6億90百万円(前年同期はセグメント損失55百万円)となりました。

<七輪房業態>

七輪房業態の当連結会計年度末の店舗数は28店舗であります。内訳は直営23店舗、暖簾2店舗、FC3店舗であります。

販売促進及び商品開発につきましては、安楽亭業態同様、フェア企画を積極的に展開したほか、グランドメニューのリニューアル、「ランチ限定食べ放題」「期間限定ランチ」の販売等、お客様に七輪房の魅力をお伝えするための施策に取り組んでまいりました。

以上の結果、七輪房業態の当連結会計年度の売上高は16億6百万円(対前年同期比8.9%減)となり、セグメント損失(営業損失)は1億74百万円(前年同期はセグメント損失34百万円)となりました。

<アークミール業態>

アークミール業態の当連結会計年度末の店舗数は直営142店舗であります。アークミール業態には、「ステーキのどん」、「しゃぶしゃぶどん亭」、「フォルクス(ステーキ)」、「donイタリアーノ(イタリアン)」を含んでおります。

販売促進及び商品開発につきましては、「ステーキのどん」、「しゃぶしゃぶどん亭」、「フォルクス」の主要各業態において、安楽亭業態等と同様に積極的に来店促進の施策を展開してまいりました。「新どんステ祭」(ステーキのどん)、「白と黒のやみつきだし サーロインしゃぶしゃぶフェア」(どん亭)、「夏の重量級ステーキフェア」(フォルクス)、学生及びその家族やグループのお客様に向けた「学割キャンペーン」(どん亭、フォルクス)等の企画を実施いたしました。また、ステーキのどんでは、人気メニュー「激アツステーキ」をシリーズ展開し、テイクアウト専用の「激アツステーキ丼」のほか、「国産牛激アツステーキ」「激アツステーキHOT」を次々と販売開始する等、ブランドの強みを生かした新たなメニュー戦略に取り組みました。

以上の結果、アークミール業態の当連結会計年度の売上高は125億46百万円(対前年同期比15.0%減)となり、セグメント損失(営業損失)は10億29百万円(前年同期はセグメント損失7億54百万円)となりました。

<その他業態>

その他業態の当連結会計年度末の店舗数は9店舗であります。内訳は直営5店舗、FC4店舗であります。なお、その他業態には、「えんらく(焼肉食べ放題)」、「からくに屋(焼肉)」、「花炎亭(焼肉)」、「春秋亭(和食)」、「上海菜館(中華)」、「アグリコ(イタリアン)」、「カフェビーンズ(喫茶)」、「安楽亭ベトナム(焼肉)」を含んでおります。

以上の結果、その他業態の当連結会計年度の売上高は2億79百万円(対前年同期比6.5%減)となり、セグメント損失(営業損失)は74百万円(前年同期はセグメント損失57百万円)となりました。

 

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ18億22百万円減少し、216億64百万円となりました。これは、現金及び預金が13億73百万円減少したこと及び減価償却等により有形固定資産が2億15百万円減少したこと等が要因です。負債は、前連結会計年度末に比べ23億2百万円減少し、167億93百万円となりました。これは、未払消費税等の減少等が要因です。純資産は、前連結会計年度末に比べ4億79百万円増加し、48億71百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等が要因です。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は37億42百万円と、前年同期と比べ13億73百万円(対前年同期比26.8%)の減少となりました。

 

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上7億76百万円、減価償却費の計上7億89百万円、未払消費税等の減少額10億80百万円等により12億4百万円の支出となりました。前年同期は5億90百万円の収入でありました

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出3億25百万円、無形固定資産の取得による支出74百万円、敷金及び保証金の回収による収入1億69百万円等により1億66百万円の支出となりました。前年同期は59百万円の支出でありました。

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加額12億97百万円、長期借入による収入12億70百万円、長期借入金の返済による支出22億62百万円、割賦債務の返済による支出2億42百万円等により12百万円の支出となりました。前年同期は10億16百万円の収入でありました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

安楽亭業態

954,483

△43.5

七輪房業態

169,496

△44.7

アークミール

1,643,265

172.4

その他業態

29,472

△43.2

合計

2,796,717

5.5

 

(注) 金額は製造原価によって表示しております。

 

 

 b. 受注実績

見込み生産によっておりますので、受注高及び受注残高について記載すべき事項はありません。

 

  c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

安楽亭業態

9,047,152

△6.8

七輪房業態

1,606,582

△8.9

アークミール

12,546,383

△15.0

その他業態

279,358

△6.5

合計

23,479,477

△11.5

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営成績については次のとおりであります。

 当連結会計年度における売上高は、まん延防止等重点措置及び緊急事態宣言による営業時間の短縮、アルコール飲料の販売中止等の影響を受けて、大幅に減少いたしました。売上高の減少幅を抑えるために弁当販売やデリバリーへの対応を強化してまいりましたが、既存店における客単価は2.0%減少し、客数は3.0%減少いたしました。以上の結果、売上高は234億79百万円(対前年同期比11.5%減)となりました。

 売上原価は、前連結会計年度の96億37百万円から90億11百万円と6億26百万円の減少となりました。牛肉を中心に原材料の仕入れ価格の高騰の影響を受け、原価率は38.4%となり、前連結会計年度比2.1ポイントの増加となりました。
 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の182億40百万円から168億82百万円と13億58百万円の減少となりました。店舗営業時間の短縮による人件費と水道光熱費の減少が主な要因であります。

 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の5億80百万円の収益(純額)から当連結会計年度は32億86百万円の収益(純額)となりました。収益(純額)の増加の要因は、新型コロナウイルス感染症に伴う営業時間短縮の協力金等の助成金収入の計上によるものであります。

 特別利益(損失)は、前連結会計年度の2億44百万円の損失(純額)から当連結会計年度は95百万円の損失(純額)となりました。損失(純額)の減少の要因は、当連結会計年度に受取補償金を1億20百万円計上したこと等によるものであります。

 当連結会計年度の法人税等の計上額は2億93百万円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4億82百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失11億20百万円)となりました。売上高営業利益率は△10.3%(前年同期は△5.0%)となり、ROEは10.4%(前年同期は△22.7%)となりました。

 当社グループの資金の流動性及び資金の源泉については次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローでは、当連結会計年度の営業活動により支出した資金は12億4百万円(前年同期は5億90百万円の収入)となりました。主な要因は、未払消費税等、未払費用の減少等により支出が増加したことによるものであります。
 投資活動によるキャッシュ・フローでは、当連結会計年度の投資活動により支出した資金は1億66百万円(対前年同期比182.4%の支出の増加)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものであります。
 財務活動によるキャッシュ・フローでは、当連結会計年度の財務活動により支出した資金は12百万円(前年同期は10億16百万円の収入)となりました。主な要因は、短期借入れによる収入が減少したこと、長期借入金の返済による支出が増加したこと等によるものであります。

 これらの要因により、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より13億73百万円減少し、37億42百万円となりました。

 当社グループの主要な設備投資資金需要は、新規出店及び既存店の業態転換や改装等であります。また、主要な運転資金需要は、レストラン事業における販売のための原材料の購入のほか、加工費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは人件費及び販売促進費等の店舗での営業活動に充てる費用であります。

 当社グループの運転資金及び設備投資資金は主として内部資金により充当し、必要に応じて借入又は割賦による資金調達を実施することを基本方針としております。
 当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金と借入又は割賦により充当いたしました。
 当社グループは、安定的な資金調達と資金調達コストの抑制の両立を図り、グループ全体の資金効率化を進めてまいります。

 

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