課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は経営理念として、『私たちは、時代と市場の変化に迅速に対応し、「流通のプロ」として顧客の多様なニーズに応え、広く社会に貢献します。』を掲げております。

この理念の下、顧客第一主義を掲げ、付加価値を高めた商品の流通や顧客ニーズに即応した提案型サービスを提供するユーザー系商社として、「存在感ある商社流通」を追求し、すべてのステークホルダーからの評価・支持を得られる企業価値の向上に努めます。またコンプライアンスを重視し、事業を通じて国際社会や地域社会に貢献することで、「企業の社会的責任」を果たしていきます。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、持続的な企業の成長、高収益な事業体質及び安定的な財務基盤の確立を図るため、事業セグメントごとの取扱数量、経常損益ならびにグループ全体でのネット負債倍率(Net DER)などを経営上の重要な管理指標としております。また、企業活動の裾野を広げて事業の成長性を量る指標として、新規ユーザー獲得数も採用しております。

なお、2023年3月期の通期業績目標は、売上高は2兆4,000億円、営業利益は550億円、経常利益は500億円、親会社株主に帰属する当期純利益は365億円としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2020年度から2022年度までの3か年にわたる中期経営計画を推進しております。中期経営計画では、「ESG, SDGsに根差した経営」を基礎に、「Ⅰ.経営基盤の強化」(1階)、「Ⅱ.事業戦略の発展」(2階)、「Ⅲ.投資の収益化」(3階)という3階建ての構造のもと、企業体力の強化と中・長期的な収益力の向上とをバランス良く舵取りし、2030年度も見据えた持続的な成長への取り組みを進めております。

 


 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

米国や欧州では感染症の流行に伴う活動制限の緩和が続くことが予想され、個人消費や経済活動の回復が一段と進むものと思われます。一方、中国では感染者数の増加に伴い、ゼロコロナ政策による活動制限の強化が見込まれるなかで、景気回復のペースは鈍化することが予想されます。その他の新興諸国では先進国経済にけん引され持ち直しの動きが見られるものの、感染症流行の長期化を背景に、内需を中心に回復の遅れが懸念されます。

国内経済は、感染症対策と景気刺激策の両立により、経済社会活動の持ち直しが期待される一方、急速な円安などによる個人消費や企業業績等への影響には留意が必要と思われます。

また、ウクライナ情勢等による不透明感が強まっているなかでの資源価格の高騰をはじめとしたインフレの影響、感染症等に起因する供給面での制約や各国中央銀行における金融引締め策による金利上昇など、経済の下振れリスクに引き続き注視が必要と考えております。

なお、ウクライナへのロシアによる軍事侵攻に端を発したロンドン金属取引所における先物商品価格の急騰に伴い、取引先等に評価損益が帰属するヘッジ取引に関し、当連結会計年度末において長期差入保証金や未収入金が増加したほか、コミットメントライン契約の実行を含む金融機関からの資金の借入れを行っております。当該資産及び負債の残高は、先渡取引の契約残高の減少や取引先からの資金の回収などに伴い減少していく見込みですが、ウクライナ情勢等を含む経済環境の変化やそれらに起因する商品価格の著しい変動、また取引先の信用リスクの悪化などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループとしましては、このような事業環境のなかにおいても、各事業分野における需要動向を的確に把握し、取引先のニーズを反映した適切な販売・在庫政策を進めるとともに、国内外で新規取引先を積極的に開拓することにより、業績の維持・向上に注力していく所存です。

当社グループの対処すべき課題としては、以下を認識しております。

営業面においては、国内では加工機能などを活かした高付加価値営業を一段と進めるほか、「そこか」戦略の全国的な展開やグループ会社における資産の有効活用などを推進し、縮小が見込まれる国内市場においてもシェアの拡大と収益性の向上に努めてまいります。また、海外では東南アジアを中心に地産地消型ビジネスの拡大を図るほか、戦略的パートナーとのアライアンスの強化や戦略的投資からの利益の確実な獲得により、グローバルでの収益力の強化を図っていきます。

経営管理面では、キャッシュ・フローの重視や資本効率の向上など財務規律に基づく長期的な成長のための基盤強化を図るほか、取締役会の運営方針の見直しなども含むコーポレート・ガバナンス体制の高度化を進めていきます。また、当社基幹システムの刷新やHKQC(Hanwa Knowledge Quality Control)活動の推進を通じて、引続き業務品質の向上や収益の取りこぼし防止に努めていくほか、幅広い知見を有する人材の育成や多種多様なステークホルダーとの積極的な対話などにも取り組んでまいります。

 

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