課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、中核の小売事業において、眼鏡・コンタクトを販売するにとどまらず、眼の健康寿命を延ばすために必要なあらゆる解決策(=商品・サービスやアドバイス)を提供するために、2014年6月にアイケアカンパニー宣言を行って以降、アイケアに注力した商品・サービス展開とその拡充を図ってきました。同時に、補聴器やリラクゼーションといった五感領域への事業拡大及び深化を進める中、今後の全ての企業活動の拠り所とするため、経営理念(VISION)に「五感の健康寿命を100年に」を掲げ、これを実践していく上での価値基準(VALUE)に、「POSITIVE」、「SPEED」、「ZERO BASE」、「PROFIT」、「CUSTOMER」を定めております。

当社グループでは、経営理念(VISION)をグループ全ての企業活動の根幹として、付加価値の高いサービスを提供し、持続的な成長を実現するとともに、五感の健康寿命延伸と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、継続的な事業の拡大や店舗リニューアル等の投資を通じて、当社グループの企業価値の最大化を目指しております。その中で、中核の小売事業について、一店舗あたりの売上高の増加と収益性を重視しながら事業の成長性を高め、連結業績において安定した営業利益額を確保することを目標としております。また、中長期的な視点における企業価値の評価指標としてEBITDA(注)を重視しております。

(注) EBITDA=営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)+長期前払費用償却費+除去債務償却費用+のれん償却費+株式報酬費用

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループが属しております眼鏡等小売市場は、依然として低価格均一店に伸びがみられるものの、高齢化の進展による老視マーケットの拡大、VDT(Visual Display Terminals)高頻度使用による若年層における視力低下、疲れ目やスマホ老眼解消の需要の高まりを背景として、老視レンズ、遠近両用レンズ等の累進型レンズへの需要が拡大していることから、低価格均一眼鏡と視環境の改善、いわゆる付加価値を求める需要層に二極化する傾向がみられます。また、供給面においては、既存量販店、専門店、中小店を中心に価格競争の激化、労働需要の逼迫や経営者の高齢化による事業承継問題等により店舗数に減少傾向がみられるなど、需要層の二極化と相まって業界再編の機運が高まっているものと予想されます。

当社グループは、更なる事業成長並びに企業価値の最大化に向けて、各事業における責任体制の明確化、事業間のシナジーの最大化、機動的な組織再編、戦略的な事業提携やコーポレートガバナンスの強化等、グループ各社が事業環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築することを基本方針とし、①次世代型店舗への移行、②商圏に合わせた出店の継続、③事業拡大を支える人材採用と教育の継続、④目の健康プラットフォームを通じたM&Aの推進の4つを基本戦略としております。

 


 

(4)優先的に対処すべき事業上の課題

新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、今後の業績への影響を含め先行き不透明な事業環境ではありますが、当社グループでは引き続き中核事業である小売事業でグループ経営を牽引していくとともに、提供するメガネ・コンタクトレンズ・補聴器は生活必需品であるという考えに基づき、「視覚」「聴覚」における健康をキーワードとした付加価値の高い商品・サービスの提供を通じて、お客様や地域にとってなくてはならない企業となるよう、ブランド価値並びに業績の更なる向上を目指してまいります。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対しても、引き続き持続可能な経営を基本方針として、安定的な事業運営に取り組んでまいります。

 

1.収益基盤の強化

当社グループは生活必需品であるメガネ・コンタクトレンズ・補聴器等、物品の販売によるフロー収益、トータルアイ検査、アイケアリラクゼーションなどの顧客体験を提供するサービス収益、コンタクト定期便や会員化から派生するHYPER保証プレミアム、こども安心プラン等の継続的な利益を得るストック収益の3種類の収益構造の形態があります。これらを単独ないしは複合的にお客様へ提供することにより、メガネ・コンタクトレンズ・補聴器を必要とされる方に必要なタイミングで最適な付加価値の高い商品・サービスを提供しております。

今後、持続的に成長していくために、より多様かつ安定的な収益基盤を確立し、徹底的に競合他社との差別化を図っていくため、多様な顧客ニーズに対応する商品(ブランド)の開発・提供、高付加価値サービスの拡充に加えて、ストック収益をより拡充していくことが重要な課題と認識しております。

一方、立地や商圏に即した新規出店を継続するとともに、顧客体験を提供する次世代型店舗の強化を通じて1店舗あたりの収益力増強による筋肉質な事業モデルの構築を進めてまいります。

 

2.人材の確保と育成

企業・ブランド価値の向上、中核の小売事業における高付加価値商品・サービスの提供を前提とした業績拡大と安定のためには、長期的かつ安定的に就業いただく人材の確保および育成が必要不可欠な要素であり、重要な課題であると考えております。

人材の確保については、新卒採用の強化とともに適時の中途採用により、事業拡大ないしは高度化する事業に適応する正社員の確保を図ってまいります。

人材の育成に関しては、社内研修制度の一層の充実・強化を図り、店舗における知識・サービスレベルの均一化を図るとともに、経営者視点を持ちながら、マネジメントできる人材へと育成してまいります。

 

3.M&A推進による既存事業の強化と事業領域拡大

成長戦略の柱であるM&Aでは、既存事業との親和性が強い事業分野へのM&Aにより、将来的に収益拡大が見込まれる周辺事業領域へのM&Aも同時に推進してまいります。

また、既存事業の商圏・顧客層・サービス領域の拡大を視野に入れたM&A戦略を推進し、グループの収益力向上と成長を目指してまいります。

 

4.経営基盤の強化

環境変化へ迅速に対応するために、権限と責任を明確化した経営が重要であると認識しております。今後さらに事業規模を拡大していく中でコーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠だと考えております。

その基盤となる経営管理組織の拡充のため、組織体制の最適化、内部監査体制の強化並びに監査等委員・会計監査人による監査の連携を強化し、強固な経営基盤の構築を進めてまいります。

 

5.新型コロナウイルス感染症への対策

当社グループでは、店舗をご利用いただくお客様をはじめ、従業員やその家族、取引先の安全確保を最優先とし事業活動を継続しております。

店舗においては、従業員の健康状態の管理、手洗い・アルコール消毒、マスク着用の徹底、検査機材・商品・店内の除菌や換気といった衛生管理に加え、ご来店いただくお客様には密集回避、滞在時間短縮のためご来店予約を推奨、ご案内時のお客様との一定距離の確保などの対策をしております。また、休業や営業時間の短縮等、行政からの要請への対応を基本とし、また地域の状況などに合わせて各店舗が柔軟に対応できるよう配慮しております。本社部門においては、時差出勤やテレワークを適用するなど、感染拡大防止に配慮した働き方を実施しております。そのほか、コミットメントラインや当座貸越枠の設定などによる資金の流動性確保、政府や自治体の各種補助金・助成金の申請に加え、各種コストについて不要不急の案件の見直し継続を通じて、コスト削減を図ってまいります。

当社グループは、生活必需品と位置付けるメガネ・コンタクトレンズ・補聴器を必要とされる方に必要なタイミングで最適な高付加価値商品・サービスを提供する企業として事業を継続していくことが、社会への貢献であると確信しており、外部環境の変化に細心の注意を払いながら事業展開をしてまいります。

 

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