業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

経営成績等の状況

(1)経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大がワクチン接種の進行等により一時的に抑制されたものの、変異株の発生により収束時期を予測することが困難であるなど、依然として慎重な姿勢が求められております。さらに、資源価格の高騰やロシア・ウクライナ情勢などの地政学的リスクの懸念等もあり、景気に対する先行きは不透明な状況が継続しております。

 建設業界においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、工事の一時中止、工期及び発注の延期等が余儀なくされる環境下にあるものの、公共建設投資については、国土強靭化等を背景に既存インフラの管理等を中心に底堅く推移しております。また、民間設備投資については徐々に持ち直しの傾向にありますが、建設資材価格の高騰等の影響もあり、予断を許さない状況が継続しております。一方で、建設業就業者数の減少及び高齢化はいっそう深刻化しており、労働力の確保が喫緊の課題となっております。

 このような状況の下で、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、受注活動や工事現場での施工に多少の影響は受けているものの、首都圏を中心に開発案件の受注が増加したことや、大手住宅メーカーとの業務提携による受注案件の大型化や共同プロジェクトの進捗等により、受注・売上ともに順調に推移しております。また、働き方改革を推進しつつ、積極的な人材の確保や教育プログラムの策定等、事業規模の継続的拡大に努めてまいりました。

 経営成績については、基盤である中部及び関西エリアを中心として引き続き受注活動に努めるとともに、東京支店を増員し、関東エリアへの受注活動も強化しました。その結果、ガーデンエクステリアに関しては、大手住宅メーカーとの協業による富裕層向けの高級外構造園工事等の売上が増加しております。ランドスケープに関しては、大手企業からの案件としては、大規模工業団地の整備事業及び公営施設の外構造園工事、東京支店においては温浴施設や公立学校の外構造園工事等の売上が増加しております。また、官公庁からの案件としては、過去に当社創業者による総指揮の下に改修した岐阜公園の再整備及び岐阜県庁前「ぎふ結のもり」公園が完成しております。これらの要因により増収増益となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,851,854千円(前連結会計年度比12.6%増)、営業利益は383,876千円(同22.5%増)、経常利益は369,958千円(同7.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は247,071千円(同11.8%増)となりました。

 なお、当社グループは造園緑化事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ215,710千円減少し、当連結会計年度末には1,760,607千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は309,557千円(前連結会計年度は319,669千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益369,958千円、減価償却費41,476千円、販売用不動産の減少額29,946千円等の資金の増加に対して、法人税等の支払額127,726千円等の資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は441,002千円(前連結会計年度は18,343千円の使用)となりました。これは主に、投資不動産の売却による収入49,608千円、投資有価証券の償還による収入30,000千円等の資金の増加に対して、有形固定資産の取得による支出501,680千円、保険積立金の積立による支出23,517千円等の資金の減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は84,266千円(前連結会計年度は97,441千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額64,075千円、長期借入金の返済による支出21,744千円、株式公開費用の支出8,131千円等の資金の減少によるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

区分

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

ガーデンエクステリア

3,206,826

128.5

756,156

171.9

ランドスケープ

2,182,652

112.0

1,174,551

123.2

合計

5,389,479

121.2

1,930,707

138.6

 (注)当社グループの事業は、造園緑化事業の単一セグメントであるため、対象とする物件による区分にて記載しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

(千円)

前年同期比(%)

ガーデンエクステリア

2,890,528

108.7

ランドスケープ

1,961,326

118.9

合計

4,851,854

112.6

 (注)1.当社グループの事業は、造園緑化事業の単一セグメントであるため、対象とする物件による区分にて記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

積水ハウス株式会社

1,074,674

24.9

1,524,783

31.4

大和ハウス工業株式会社

430,758

10.0

468,611

9.7

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて214,057千円増加し、4,477,861千円となりました。これは主に土地が387,114千円、建物及び構築物(純額)が78,055千円増加したものの、現金及び預金が215,710千円減少したことによるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて7,010千円増加し、1,209,718千円となりました。これは主に流動負債のその他が28,506千円、支払手形・工事未払金が18,915千円増加したものの、未成工事受入金が48,079千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて207,047千円増加し、3,268,142千円となりました。これは、主に利益剰余金が199,077千円増加したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて542,177千円増加し、4,851,854千円となりました。これは前連結会計年度と比較して、ガーデンエクステリアが230,601千円、ランドスケープが311,575千円増加したことによります。

(売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて441,531千円増加し、3,533,777千円となりました。これは主にガーデンエクステリア、ランドスケープの売上増加に伴い、外注加工費及び原材料費が増加したことによります。

 この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べて100,645千円増加し、1,318,076千円となりました。

 なお、売上総利益率は、27.2%(前連結会計年度は28.2%)となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて30,184千円増加し、934,200千円となりました。これは主に従業員の増加に伴い、従業員給与及び手当が41,378千円増加、賞与引当金繰入額が8,470千円増加したものの、広告宣伝費が18,010千円減少したことによります。

 この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて70,461千円増加し、383,876千円となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて12,686千円減少し、27,606千円となりました。これは主に、保険返戻金が21,199千円減少したことによるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べて32,819千円増加し、41,524千円となりました。これは主に、株式公開費用が16,233千円、投資有価証券評価損が10,991千円増加したことによるものであります。

 この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて24,955千円増加し、369,958千円となりました。

 なお、売上高経常利益率は、7.7%(前連結会計年度は8.0%)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べ14,413千円減少し、計上しておりません。これは、減損損失が、14,413千円減少したことによります。

 この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて25,986千円増加し、247,071千円となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に必要となる外注加工費等及び人件費等の販売費及び一般管理費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による資金繰りへの影響について、当社グループは、即時実行可能な銀行融資枠を十分に確保しているため、当面の資金繰りに懸念はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高、売上総利益率及び売上高経常利益率を経営指標として重視しております。

 当連結会計年度においては、売上高4,616,000千円、売上総利益率29.3%、売上高経常利益率8.8%を目標としておりましたが、売上高については、目標を上回る結果となりました。なお、2023年9月期は、売上高5,050,000千円、売上総利益率29.1%、売上高経常利益率8.5%を目標に掲げております。引き続きこれらの指標について、向上に努めてまいります。

 

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