業績

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展や感染拡大防止策がとられる中で、企業の経済活動、個人の消費活動は回復の兆しを見せたものの、2022年1月に新たな変異株であるオミクロン株の感染拡大により、依然として景気の先行きは不透明な状況となっております。
 住宅業界におきましても、住宅ローン減税制度の変更やグリーン住宅ポイント制度の終了による消費マインドの低下に加え、物流コスト・原材料費の高騰による建設コストの上昇、設計職・施工監理職など専門職技術者の人材不足等、依然として厳しい状況となっております。
 このような環境下で、当社グループは「すべてのお客様に安らぐ『住まい』を提供し、一生涯のおつきあいをする」ことをミッションに掲げ、お客様にとって価値あるサービスが提供できるよう、住宅に関するニーズにワンストップで応え、すべての相談に乗ることができる利便性の高い体制の構築に努めてまいりました。
 また、当社グループでは事業環境の変化等に鑑み、2021年2月に2021年度を初年度とする中期経営計画を新たに策定いたしました。新中期経営計画では、従来とは異なる環境下においても成長発展できるよう「競争力強化」「成長拡大戦略」「環境変化への対応力強化」の3つの基本方針を掲げ、2030年に売上高300億円達成を目標とする長期ビジョン「Vision 2030 forward 300」の実現に向けて、グループブランド「r-cove*(アール・コーブ)」の強化・浸透を図り、グループ内のシナジーを最大限に発揮してグループ全体で収益拡大に取り組んでおります。
 当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大と沈静が繰り返される中、在宅時間の増加に伴って住まいへの関心が高まり、住宅リフォーム等の需要が堅調に推移したことに加え、不採算事業の見直しや新規出店費用の抑制等による販管費の削減により、前期と比べ増収増益となりました。なお、減損損失28百万円、固定資産除却損20百万円等を計上したことにより、特別損失50百万円を計上いたしました。

この結果、当連結会計年度における売上高は6,913百万円(前期比28.1%増)、営業利益は208百万円(前期比613.0%増)、経常利益は207百万円(前期比437.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は90百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失13百万円)となりました。

セグメントの業績は、以下の通りであります。

 

(住宅リフォーム事業)

住宅リフォーム事業におきましては、建築士などの資格を有する女性デザイナーによる機能性・デザイン性の高いリフォームを提供するとともに、屋根・外壁塗装等の外装に特化した部門において専門性の高いノウハウを活かした提案を行うなど、安定的な営業活動を展開してまいりました。加えて、当社リフォーム店舗に併設している子会社のインテリア拠点を活用し、住宅リフォームに家具やカーテンをトータルコーディネートするなど、グループ内のシナジーを活かしてお客様満足度の向上に努めてまいりました。

また、新型コロナウイルス感染症への対策リフォームとして、オリジナル建材の「無添加厚塗りしっくい®」やお客様が在宅したまま1日で施工可能な光触媒コーティング「ナノ抗菌R*コート」など、抗ウイルス効果のある建材を使用したリフォームの提案を積極的に行い、新たな需要の取り込みにも注力してまいりました。

当連結会計年度における当事業の業績につきましては、住宅リフォームの需要回復により、大型工事の受注が堅調に推移して受注平均単価が上昇したことに加え、当期に開設した2店舗の集客が好調であったこと、2020年10月に子会社化した株式会社MIMAの通期売上寄与もあったことから、売上高は5,143百万円(前期比27.2%増)となりました。利益面につきましては、子会社の増加に伴う人件費や広告宣伝費、のれん償却費等が増加したものの、増収により、セグメント利益は157百万円(前期はセグメント利益0百万円)となりました。

 

(新築住宅事業)

新築住宅事業におきましては、オリジナル建材である「無添加厚塗りしっくい®」やコーラルストーンなどの自然素材を活かし、デザイン性や機能性を高めた4つの注文住宅ラインナップを揃えており、お客様のニーズに合わせた提案を行うとともに他社との差別化に注力してまいりました。また、打合せや完成見学会・構造見学会において、オンラインの活用を促進するなど、営業活動の効率化にも取り組んでまいりました。

当連結会計年度における当事業の業績につきましては、完工引渡しが計画通りに進んだことにより、売上高は1,008百万円(前期比14.1%増)となりました。一方で、利益面につきましては、ウッドショックによる木材価格の高騰等による売上総利益率の低下、人件費の増加等により、セグメント利益は46百万円(前期比11.1%減)となりました。

 

(不動産流通事業)

不動産流通事業におきましては、地域密着型の強みを活かして良質な小規模分譲地の仕入れを強化し、自社での新築注文住宅や新築分譲住宅用地として活用するなど、事業間のシナジーを発揮してまいりました。また、買取再販物件に当社グループの強みであるリノベーション・デザインリフォームをコーディネートしてお客様に提案するなど、資産価値の創造・魅力ある住まいづくりを積極的に推進してまいりました。

当連結会計年度における当事業の業績につきましては、不動産市況の回復に伴い保有物件の売却が進んだことにより、売上高は762百万円(前期比61.8%増)、セグメント利益は4百万円(前期はセグメント損失23百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況

「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 財政状態」に記載しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末と比べ165百万円増加し、1,526百万円となりました。

なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は586百万円(前連結会計年度は248百万円の資金の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益161百万円、たな卸資産の減少241百万円、未成工事受入金の増加66百万円、のれん償却額53百万円、減価償却費50百万円等の増加要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は50百万円(前連結会計年度は7百万円の資金の増加)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入41百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出95百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は370百万円(前連結会計年度は555百万円の資金の増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入100百万円があったものの、長期借入金の返済による支出373百万円や短期借入金の減少75百万円、配当金の支払い25百万円があったこと等によるものであります。

 

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

イ.生産実績

当社グループが営む事業では、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。

ロ.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期増減比(%)

受注残高(千円)

前期増減比(%)

住宅リフォーム事業

5,358,601

29.6

947,390

29.4

新築住宅事業

856,264

△12.8

656,405

△18.8

不動産流通事業

699,253

41.6

109,091

△36.6

合計

6,914,120

23.2

1,712,887

0.0

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ハ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期増減比(%)

住宅リフォーム事業

5,143,194

27.2

新築住宅事業

1,008,034

14.1

不動産流通事業

762,349

61.8

合計

6,913,577

28.1

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 経営成績

(売上高)

売上高におきましては、コロナ禍で住まいへの関心が高まり、住宅リフォーム等の需要が堅調に推移したことに加え、2020年10月に子会社化した株式会社MIMAの通年寄与もあったことから、全てのセグメントで増収となり、前期比28.1%増の6,913百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費におきましては、子会社増加、当社の人員増加等により、人件費、広告宣伝費、のれん償却費等が増加し、前期比16.4%増の1,989百万円となりました。

 

(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益) 

利益におきましては、販売費及び一般管理費の増加に対し、売上の増収効果が上回ったことで、営業利益は前期比613.0%増の208百万円、経常利益は前期比437.6%増の207百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は90百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失13百万円)となりました。

 

 

② 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は2,796百万円となり、前連結会計年度末に比べ45百万円減少いたしました。これは主に現金預金が141百万円、売上債権が50百万円、未成工事支出金等が44百万円増加したものの、販売用不動産が284百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は1,379百万円となり、前連結会計年度末に比べ49百万円減少いたしました。これは主にのれんが53百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、総資産は4,175百万円となり、前連結会計年度末に比べ95百万円減少いたしました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は1,658百万円となり、前連結会計年度末に比べ77百万円増加いたしました。これは主に仕入債務が34百万円、短期借入金が75百万円減少したものの、未払金が37百万円、未払法人税等が63百万円、未成工事受入金が66百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は1,017百万円となり、前連結会計年度末に比べ256百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が257百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は2,675百万円となり、前連結会計年度末に比べ179百万円減少いたしました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は1,499百万円となり、前連結会計年度末に比べ83百万円増加いたしました。これは主に配当金の支払い25百万円、親会社株主に帰属する当期純利益90百万円の計上、新株予約権の増加15百万円等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

当社グループの資金需要の主なものは、M&A、設備投資及び販売用不動産の購入等によるものであります。資本の財源及び資金の流動性につきましては、必要資金の安定的な調達及び十分な流動性の確保を基本方針としており、複数の金融機関との間で当座貸越契約を締結しております。

運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資やM&Aに係る資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

 

④ 経営方針・経営戦略等または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標」に記載の通り、売上高、売上成長率、営業利益を経営方針・経営戦略または経営上の目標等の達成状況を判断するための客観的な指標として重視しております。なお、経営指標に係る目標と実績は以下の通りであります。

 

2020.12期

2021.12期

2022.12期

2023.12期

実績

中期経営計画

実績

中期経営計画

業績予想

中期経営計画

初年度

2年目

3年目

売上高(百万円)

5,396

6,885

6,913

8,287

7,400

9,954

売上成長率(%)

6.7

27.6

28.1

20.4

7.1

20.1

売上内訳

(百万円)

リフォーム

4,041

5,232

5,143

5,857

5,797

6,540

新築

883

907

1,008

1,093

871

1,233

不動産

471

746

762

839

732

1,059

新規M&A

 

498

1,122

営業利益(百万円)

29

158

208

209

219

324

 

 

中期経営計画初年度となる当連結会計年度におきましては、売上高、営業利益とも、計画を超過いたしました。売上高が計画比100.4%と、概ね計画通りとなったことに対して、営業利益は計画比131.6%と大きく超過いたしました。これは、広告宣伝においてWEB広告やTVCM、YouTube広告など、メディアミックスを最適化したことにより集客効率が上がったことに加え、店舗の効率的運用として新規出店における出店費用の抑制や不採算事業を見直したことによるものであります。

なお、中期経営計画2年目となる2022年12月期は、売上高7,400百万円、売上成長率7.1%、営業利益219百万円を予想しております。売上高及び売上成長率が中期経営計画と乖離している理由は、計画では、新規M&Aによる売上成長を含めた計画としておりましたが、現時点では不確実であるため、直近の業績予想には織り込んでいないためであります。営業利益については、引き続き既存事業の業務改善を進め、新規M&Aに依らずとも達成する計画としております。

引き続きこれらの指標を重視し、当社グループの企業価値の向上を図ってまいります。

 

⑤ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

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