事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 当社グループでは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生時の対応に全力で対処する方針でありますが、当社株式に対する投資判断は、以下の記載事項および本項以外の事項についても、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。また、以下の記載事項は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。

 なお、文中における将来に関する内容は、当連結会計年度の末日において、当社が判断したものであります。

 

[方針]

 当社グループでは、リスク情報を的確に把握し、それを速やかに対処および共有するためにITbookグループおよびサムシンググループにおいてリスクコンプライアンス委員会を設置しております。各グループ会社間でリスク情報の共有と洗い出しをリスクコンプライアンス委員会で行い、その結果を当社取締役会に報告し、グループ全体のリスク情報および、再発防止策を共有しております。また、仮に重要リスクと思われる事象が発生した場合でも、リスクコンプライアンス委員会および、取締役会を即座に開催し、対処方等を指示し、迅速に対処できる組織体制となっております。

 リスクコンプライアンス委員会に関しましては、3ヶ月に1回の開催を原則としておりますが、緊急を要するようなリスクが発生した場合等に備え事務局を設置しています。

 

(1)グループ企業に対する管理強化

 当社グループの事業規模が拡大する中で、グループ連携や協業、業務インフラの整備、技術支援、人材等を含む企業に対する管理強化は不可欠と考えております。つきましては、豊洲へのグループ本社部門の集約や、定期的なグループ管理本部会議による情報共有、管理部門の統一・最適化、内部統制・ガバナンスの強化等により、それらを遂行してまいります。

 グループの集約がうまくいかず、コスト増となった場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)人材の確保について

 コンサルティング事業およびシステム開発事業において、ITコンサルティングやプロジェクトマネジメントのノウハウを有する優秀な人材の確保が重要になりますが、その採用は容易ではありません。当社グループでは、社内人事評価システムや社内教育体制および社外研修の充実、インセンティブなどにより、優秀な人材の確保に努めておりますが、当社グループの計画した人材の確保が十分にできない場合、又は既存の優秀な人材が社外流出した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 地盤調査改良事業においては、原則として、正社員による現場作業を中心に行っております。機械化等を促進し作業の生産性向上に注力しておりますが、業容の拡大のためには、作業人員を一定数確保することが不可欠であります。新卒等の採用により安定的な人員確保に努めておりますが、雇用情勢の逼迫等により、その確保が十分でない場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)製品・サービスの瑕疵について

 地盤調査改良事業は、建築基準法および住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)をはじめとする各種法令等に準拠した品質管理基準により万全を期しております。しかしながら、当社グループが予見できない瑕疵又は重大な過失による施工不良、並びに調査ミス等での多額の損害賠償請求等を受けた場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 また、保証検査事業についても、JIS規格に定められた調査方法に、より正確を期すためにシステム化された厳密な条件を採用して作成された調査データにより審査し、保証の有無を判定しておりますが、保証に際して確認した地盤調査データについて、現在の調査技術においても予見できない原因や、重大な過失による調査データの見過ごし、審査ミス等により多額の損害賠償、保証請求等を受けた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)検収時期の遅延等による業績への影響について

 システム開発事業は、検収時期の遅延等によって売上計上時期が計画より遅れることがあります。その場合には、利益計画を達成できない可能性があります。

 

(5)情報のセキュリティ管理について

 当社グループは、サービス提供の過程において顧客の重要情報を知り得る立場にあります。中でもシステム開発事業における技術開発支援サービスでは、最新技術の研究開発を共同して行うため、顧客のビジネス上・技術上の最重要機密に日常的に接しております。また、地盤調査改良事業および保証検査事業においては、業務上取得したお客様の個人情報を含む様々な顧客情報をお預かりしております。

 当社グループでは、従業員に対し徹底した教育を行い、機密保持誓約書を提出させるなど機密保持の重要性を認識させており、機密情報の漏洩防止に努めております。また、外注先企業においても同様の対策を講じております。

 しかしながら、万が一情報漏洩が発生した場合には、顧客からのクレーム等により、当該業務に関する契約が解約され、あるいは損害賠償請求を受ける可能性があります。こうした場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)原材料の市況変動

 地盤調査改良事業は、仕入れる材料として、主にセメントと建設用の鋼材を使用しております。当社グループは、業容の拡大に伴い仕入数量が増加しているため、供給業者との定期的な交渉を通じて仕入単価の低減に取り組んでおります。しかしながら、需給逼迫等により材料価格が高騰し、工事受注価格に材料費の上昇分を転嫁できない場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)法的規制について

The Offshore Companies Act 1990および、The Offshore Insurance Act 1990

 当社グループの保証事業のキャプティブを行うSomething Re.Co., Ltd.は、マレーシアの監督官庁であるLABUAN OFFSHORE FINANCIAL SERVICES AUTHORITY (LOFSA)からThe Offshore Companies Act 1990およびThe Offshore Insurance Act 1990による規制を受けております。監督官庁へ免許手数料の支払いや会計報告の提出を行わない場合に、登録(Company No.LL02871)および免許(Licensed Offshore Insurer - License No.IS200144)の取消しを受けることになります。

 これらの法的規制の変更があった場合には、新たに法的規制を遵守するために追加の支出および人材確保が考えられるため、業績に影響を与える可能性があります。

 

(8)保証事業について

 当社グループの保証事業は、株式会社GIRおよびSomething Re.Co.,Ltd.と損害保険会社並びに再保険会社との関係において成立しております。既存の事業スキームに変更や修正が実施された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9)未回収リスクについて

 当社グループは、売上債権の総資産に占める割合は概して高い水準にあり、当連結会計年度末で29.9%となっております。取引先の資金繰り状況等により売掛債権の未回収が発生した場合には、貸倒引当金が増加すること等が原因で、業績に影響を与える可能性があります。

 

(10)有利子負債の依存度について

 当社グループの設備取得資金および運転資金は主に金融機関からの借入金によって調達しております。このため、総資産に占める有利子負債の割合は当連結会計年度末で61.5%となっております。経済・金融情勢等によって市場金利が上昇した場合には、業績に影響を及ぼすこととなります。

 また何らかの理由により借入が実行できなくなった場合には、事業活動に影響を与える可能性があります。

 

(11)海外事業の収益の安定化について

 当社グループでは長期的な企業成長の確保という観点から、2011年にベトナム社会主義共和国に駐在員事務所を設立しました。そして、2013年に現地法人(SOMETHING HOLDINGS ASIA PTE.LTD. SOMETHING VIETNAM CO.,LTD.)を設立し、また、2016年に現地法人(JAPANEL HOME (CAMBODIA) CO.,LTD.)を設立し、海外での事業展開を進めております。

 また、ベトナム社会主義共和国では、地盤調査改良事業を中心に事業活動を行い、継続して黒字化を達成しておりますが、今後、計画どおりに事業展開出来ない場合には、業績に影響を与える可能性があります。
 

(12)新型コロナウイルス感染症拡大による影響

 当社グループは、ステークホルダーの安全と健康を第一に考え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に努めております。また当社グループ全体にて、不要不急の来客・訪問・出張の自粛、グループ社員のマスク着用、手洗いうがい・アルコール消毒の徹底、対象店舗の休業、体調が優れない従業員等の出勤停止等の対応を行っております。

 このように、営業活動が制限されている状況下、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束せず長期化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)投資・M&Aに関して

 事業の方向性として、「社会問題解決型企業を新たな目標に掲げコア事業を中心に、投資・M&Aを視野に入れた事業規模の拡大を検討しております。

 今後実施した投資・M&A案件において、当社の想定とそぐわない事象が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

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