文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
近年、わが国のエネルギーを巡る情勢の中で、2050年カーボンニュートラル実現に向けた気候変動問題への対応や、その前提となる安全の確保、安定的で安価なエネルギー供給の確保といった「S+3E」※への取り組みの強化が求められているほか、新型コロナウイルス感染拡大に端を発した生活様式の変化、デジタル変革の加速など、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。
これらの変化に対応していくため、当社グループは2022年より以下のとおり新たな経営理念を掲げ、社会課題の解決を通じて社会に貢献していくことで更なる成長を目指してまいります。
※「S+3E」…安全性(Safety)、安定供給(Energy security)、経済性(Economic efficiency)、環境(Environment)の頭文字をとったもので、日本のエネルギー政策の原則となるもの。
<新しい経営理念(2022年~)>
エネルギーとヨウ素の開発・生産・販売を通じ、快適で豊かな生活と持続可能な社会の実現に貢献します。
・環境と調和し、地域社会と共生する事業を展開することで、持続可能な社会の実現に貢献します。
・安全・安心とお客さま満足を追求し、多様なサービスを創出・提供することで、快適で豊かな生活の実現に貢献します。
・社員一人ひとりが積極的に能力を開発・発揮し、高い目標に向かって挑戦する企業風土を実現します。
気候変動問題が人類共通の喫緊の課題として認識されているなか、わが国でも2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を目指すことが宣言されるとともに、2030年度の温室効果ガス削減目標として2013年度比で46%削減することが掲げられております。同時に、安全の確保を大前提とした安定的で安価なエネルギー供給の確保についても、これまで以上に追求していくことが求められており、当社グループも貴重な国産エネルギー資源である水溶性天然ガスの安定的な開発・生産を推進していく必要があります。
また、ガス事業者は地域に根ざしたエネルギー事業者として、地域のお客さまが求めるエネルギーやサービスを提供することに加え、地域におけるエネルギーの安定供給の確保や、自治体や地域企業との連携による地域創生やSDGsへの貢献、さらには再生可能エネルギー等の地域資源を活用した脱炭素化への貢献といった取り組みが期待されており、当社グループもこれらの期待に応えていく必要があります。
さらに、ヨウ素は医療分野から電子産業分野まで需要が年間2~3%のペースで拡大しており、今後も新興国を中心に安定的に市場が拡大していくことが見込まれております。ヨウ素資源は主にチリと日本に偏在しており、ヨウ素及びヨウ素化合物の需要の拡大に見合う供給が求められています。
また企業として、デジタル変革の推進や、多様な人材が持てる能力を最大限発揮できる環境整備によるダイバーシティの推進、及び従業員一人ひとりのレベルアップによる人材力強化を通じて、イノベーションを創出しやすい企業風土を実現することが求められています。
こうした事業環境をふまえ、当社グループは、当社グループのマテリアリティ(重要な社会課題)を以下のとおり特定したうえ、「中計2024」を策定しました。当社グループは、社会課題の解決に積極的に取り組むことで、企業グループとして成長するとともに、地域社会の発展及び持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
<当社グループのマテリアリティ(重要な社会課題)>
● 気候変動対策への貢献
● 自然環境の保全
● 事業の成長拡大・次世代事業創出
● エネルギーとヨウ素の安定供給と安全・安心の確保
● 地域社会との共生
● ダイバーシティの推進と人材力強化
● デジタル変革の推進
● コーポレートガバナンスの向上
<「中計2024」における主な取り組み>
[生産戦略]
・国産天然ガス及びヨウ素の開発推進
[販売戦略]
・総合エネルギーサービスの推進
・ヨウ素の安定販売
・地熱井掘削工事の受注拡大
[安全安心推進]
・保安の確保、災害対策の向上、地域社会への防災貢献
[新規事業戦略]
・再生可能エネルギー事業を中心とした新規事業の開発・推進
[経営基盤戦略]
・ダイバーシティの推進・人材力の強化
・コーポレートガバナンスの向上
・デジタル化及びデジタル化基盤整備の推進
[環境貢献戦略]
・カーボンニュートラルに向けた取り組み
<財務目標>
<非財務目標>
※1:2020年比 クレジットの活用を含む。
※2:お客さまアカウント数とは、ガス・電気・その他サービスのお客さま数をいう。
※3:重大事故とは、都市ガス事業及びLPガス事業におけるガスの供給や消費に関する人身事故・爆発事故及び自社発注工事(配管・設備他)における人身事故・爆発事故、天然ガス鉱業における休業3日以上の届出鉱山災害・鉱害事故、建設業における社員及び請負社員の休業4日以上の労働災害、ヨウ素事業における届出労災事故・公害事故をいう。
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