当社グループは、土木・建築・環境分野を柱に、さらなる品質の安定と十分な顧客満足を確保するべく積極的に技術・研究開発活動を推進し、その成果の展開に取り組んでいます。
当連結会計年度における研究開発への投資総額は約
セグメントごとの内訳は、土木事業約
① 山岳トンネル
ICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取り組みとして「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM®)」の開発を推進しています。当連結会計年度には、移動式クラッシャーの遠隔操作システム、発破における穿孔作業の完全自動化や、発破により破砕した掘削ずりの搬出作業の省力化を実現しました。また、山岳トンネル坑内及び切羽における受発注者双方の施工管理業務の省力化を目的として開発した遠隔臨場支援システムは、国交省のPRISMに採択され高い評価を得ています。
② 建機の自動運転
建設現場での施工は、複数種類の建設機械を使用します。これまでに開発した振動ローラとブルドーザの自動運転システムに加え、当連結会計年度には、油圧ショベルの自動運転システムを開発し、実証実験を実施しました。今後も建機の自動運転の高度化と実用化を進めてまいります。
③ コンクリート工事
コンクリートの締固めの良否判定は熟練工が行ってきましたが、今後、その担い手不足が懸念されます。そこで、深層学習により熟練工と同等の良否判定を実現する「コンクリートの締固めAI判定システム」の開発を進めており、自社のコンクリート製品工場への展開を目指しています。
(2) 建築事業
① 設計技術
基本計画前段階の業務である企画段階のボリューム設計を、AI・データ解析を用いて自動化する構想をまとめ、現在システムを開発中です。経験の浅い設計者が4~5日程度要していたボリューム設計を、概算コストを含め1日で自動作成することを目指しています。また、設計者の経験によらず、短期間で精度の良い構造計算結果が得られる自動計算システムと、構造計算モデルの部材を自動的にグルーピングするAIグルーピングシステムを開発したことで、従来の構造計算の半分程度の時間で結果が得られるようになりました。これらの設計技術により、設計者がより創造的な設計を思考する時間を確保し、付加価値生産性を高めてまいります。
② 杭基礎工事
従来工法に比べて、現場での人工を約20%削減、パイルキャップ1か所あたりコンクリートの使用量を約30%削減できる「安藤ハザマPCaパイルキャップ工法」を開発しました。需要が顕著な大規模物流倉庫などを中心に、本工法を積極的に展開してまいります。
③ ロボット/IoT
床面コンクリートの自立走行式ひび割れ検査ロボット、鉄筋の立体配置を認識する配筋検査システムなど、これまで多大な労力を要していた作業の自動化を進めています。また、建設業界全体の生産性及び魅力向上をより一層強力に推進するために、「建設RXコンソーシアム」に参画し、同業他社との建設施工ロボットやIoT分野での技術連携を進めています。
(3) グループ事業
当連結会計年度は、研究開発活動は特段行われていません。
当社が保有する高度技術並びに研究所施設を活用し、社外からの受託研究業務を行っています。
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