有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当該リスクの低減のために以下の対応策を講じておりますが、万が一、重大な事象が発生した場合には、大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。
当該リスクへの対応策としては、各種の社内基準書に準拠した施工、品質パトロールの実施、社内組織を活用した施工管理検討の実施、契約不適合事例や不具合事例の全社水平展開、各種研修の実施等により、工事目的物の品質管理に努めております。
(2) 海外受注リスク
当該リスクが顕在化する可能性は、次期においても相応にあるものと認識しております。
当該リスクへの対応策としては、海外土木事業の市場を新規進出国に拡大し、入札機会を増やしております。また海外子会社の価格競争力を高め、これまでの日系工場案件中心の取り組みから、外資・現地企業案件にも取り組むことで入札機会を増やし、受注確保に努めております。
当該リスクが顕在化する可能性は、次期においても相応にあるものと認識しております。
当該リスクへの対応策としては、入札条件・見積条件等の事前調査、施工現場・施工条件・実勢価格等の確認、適正な人員配置計画とモニタリング、西松建設協力会(Nネット)の活用、価格交渉力の強化等により、工事損益への影響を最小限に抑えるよう努めております。
当該リスクの低減のために以下の対応策を講じておりますが、万が一、重大な事象が発生した場合には、極めて大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。
当該リスクへの対応策としては、各部署に対するコンプライアンス監査によりコンプライアンスに係るリスク管理状況を確認し、問題があれば積極的に解決するとともに、企業風土の改善に取り組んでおります。また、危機意識の風化防止などを目的としてコンプライアンス研修を実施しております。その他、内部通報窓口を設置するなど、コンプライアンス違反事由が発生した際に適切かつ迅速に対応できる体制を整備しております。
当社グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しております。コンピュータウイルスその他の要因によって、かかる情報システムの機能に支障が生じた場合、当社グループの事業活動や業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、設計・施工をはじめとする事業活動を通じて構造物やお客様に関する情報、取引先の個人情報あるいは機密情報その他様々な情報を取り扱っております。これらの情報が外部からのサイバー攻撃や従業員の過失等によって漏洩又は紛失した場合、損害賠償、復旧費用等の発生により、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの低減のために以下の対応策を講じておりますが、万が一、重大な事象が発生した場合には、大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。
当該リスクへの対応策としては、当社グループで情報セキュリティポリシーを定め、外部からの不正アクセス防止、コンピュータウイルス対策、従業員の教育等、情報セキュリティ対策の継続的な強化に努めております。
当該リスクが顕在化する可能性は、現時点で進出している国においては一定に抑えられていると認識しておりますが、万が一、当該リスクが顕在化した場合には、大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。
当該リスクへの対応策としては、外務省海外安全ホームページによる危険度レベルの定期的な確認や、「カントリーリスク判定表」による定期的な評価、「海外危機管理マニュアル」の周知等により、事業継続や工事への悪影響を最小限に抑えるよう努めております。
当該リスクが顕在化する可能性は、次期においても相応にあるものと認識しております。
当該リスクへの対応策としては、為替レート毎の為替差損益の試算、取下金管理の徹底、外貨残高の適正な管理、為替予約等によるリスクヘッジの検討等により為替変動の影響を弱め、業績への影響を低減させるよう努めております。
当該リスクが顕在化する可能性は、次期においても相応にあるものと認識しております。
当該リスクへの対応策としては、事業管理体制の確立、プロジェクトリスク評価の実施、事業計画の適時見直し、代替出口戦略の確保等により、業績への影響を低減させるよう努めております。
(9) 労働災害リスク
施工中に予期せぬ重大事故や労働災害が発生した場合には、顧客その他ステークホルダーからの信頼を損なうとともに当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの低減のために以下の対応策を講じておりますが、万が一、重大な事象が発生した場合には、大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。
当該リスクへの対応策としては、過去事例の全社水平展開や定期的な現場パトロールのほか、当社職員や協力会社の職長・作業員に対する安全教育の継続的な実施により、労働災害を未然に防止するよう努めております。
(10) 自然災害リスク
大規模な地震や台風・洪水等の自然災害は、施工中案件の被災、工程遅延、自社所有建物等への被害等、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、次期においても相応にあるものと認識しております。
当該リスクへの対応策としては、施工中案件においてはリスクに応じて建設工事保険を、自社所有建物等においては損害保険等を付保し損害低減策を講じております。また、事業継続力の向上を目指し、事業継続計画(BCP)を策定し定期的にBCP訓練を実施しており、建設会社の社会的責任としてインフラ復旧工事に積極的に協力し、被災地の復旧・支援やお客様の事業の早期再開に貢献できるよう努めております。
(11) 気候変動リスク
①気候変動に伴う物理的リスク
気候変動により自然災害が激甚化した場合、施工中案件の被災、工程遅延、自社所有建物等への被害等、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、次期においても相応にあるものと認識しております。
②気候変動に伴う移行リスク
脱炭素社会への移行に向けて、工事施工に係る各種法規制の強化や市場・社会の変化による建設コストの増加、施工量の制限等、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、中長期的には相応にあるものと認識しております。
こうした気候変動に伴うリスクへの対応策としては、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」が示す推奨に基づき、各々のリスクを抽出・評価して事業戦略に落とし込み、事業活動の持続性や強靭性を高めております。なお、当社グループは気候変動に関するリスクの観点から地球温暖化防止に資する取組みとして、“2030年までに事業活動から排出されるCO2をネットゼロにする(=ZERO30)”ためのロードマップを作成し、2021年より事業戦略に取り入れ活動を行っております。
新型コロナウイルスその他感染症の世界的流行(パンデミック)が発生し、その影響が国内及び海外の建設投資に及んだ場合、当社の建設工事受注額が減少するなど、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、感染の拡大により、当社事業所において当社役職員又は協力会社社員に感染症患者が多数発生した場合には、当社の施工する工事を一時中断するなど感染拡大防止措置を講ずる必要があります。工事の中断期間が長期にわたる場合や中断する工事数が増加した場合には、工事損益が変動するなど、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、次期においても相応にあるものと認識しております。
当該リスクへの対応策として、当社役職員や協力会社社員の安全と健康を最優先に考え、当社事業所内における感染拡大防止に努めるとともに、在宅勤務の実施により事業継続に努めるなど、業績への影響を低減させるよう努めております。
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