業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置が断続的に実施され、経済活動が制限を受けるなど、厳しい状況が続いておりました。

足元では、同感染症のワクチン接種の促進や新規感染者数の減少等により緊急事態宣言が解除され、景気の緩やかな回復が期待されておりますが、依然として先行き不透明な状況となっております。

当社グループが属する住宅・不動産業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により、在宅時間が伸びたことなどから、戸建住宅への関心が高まり、新設住宅着工戸数の「持家」が2020年11月以降、対前年同月比を上回る状況が続いておりますが、ウッドショックによる木材価格の高騰や半導体の不足による住宅設備機器の供給に遅れが見られるなど厳しい事業環境が続いております。

このような状況において、当社グループは、事業環境の変化に対応できる安定した経営体制の構築を進めるため、事業構造の見直しを図り、企業価値の向上と持続的な成長を目指すとともに、生産性の向上を図るための各種施策に取組んでまいりました。

当社グループは、創業以来、「住宅産業を通じて、お客様、社会、会社という『三つの人の公』の為に、物質的・精神的・健康的な豊かさの人生を創造する」ことを企業使命感としており、社会資本の充実をもたらす住宅のあらゆるニーズに対応すべく、省エネ住宅及び福祉住宅の普及や商品開発などの事業展開を図ってまいりました。2016年度にはZEH普及に向けた5か年計画を設定し、最終年度である2020年度ではZEH比率が北海道内において当初目標を超える90%超となりました。これまで培った技術力により高断熱・高気密で健康的かつ地球にやさしい住宅を提供することで住まいの脱炭素化を推進し、事業活動を通じて「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向け取組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

当連結会計年度末の財政状態のうち、総資産は、流動資産の増加(主に現金預金の増加)により、221億98百万円となり、前連結会計年度末と比較して27億25百万円の増加となりました。

負債につきましては、流動負債の増加(主に工事未払金等及び未成工事受入金の増加)により102億52百万円となり、前連結会計年度末と比較して22億49百万円の増加となりました。

純資産につきましては、利益剰余金の増加等により119億45百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億75百万円の増加となりました。

当連結会計年度末の経営成績は、売上高につきましては、310億51百万円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。利益につきましては、営業利益5億90百万円(前連結会計年度は営業損失5億1百万円)、経常利益6億47百万円(前連結会計年度は経常損失4億34百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4億77百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失7億88百万円)となりました。

 セグメントの経営成績は次のとおりであります。

(住宅事業)

 住宅事業につきましては、WEBを活用した販売促進キャンペーンの実施などにより、集客に注力し、受注が堅調に推移したことから214億27百万円(前年同期比10.8%増)、営業利益は売上総利益の増加及び前期に実施した一部拠点の統廃合及びモデルハウスの撤退による固定費の削減効果により3億25百万円(前年同期は営業損失5億82百万円)となりました。

(リフォーム事業)

 リフォーム事業につきましては、前期持越受注残高が対前年比マイナスでスタートしたものの、在宅時間の増加から快適な住まいへの関心が高まり、積極的に性能向上リフォームを提案し、受注高が堅調に推移したことから38億90百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は42百万円(前年同期は営業損失1億12百万円)となりました。

(不動産事業)

 不動産事業につきましては、仲介取扱件数の増加により仲介手数料収入が増加したものの、販売用不動産売上高が減少したことから50億72百万円(前年同期比1.3%減)、営業利益は仲介手数料収入の増加により3億68百万円(前年同期比17.4%増)となりました。

(賃貸事業)

 賃貸事業につきましては、営繕工事の売上高が増加したことから6億61百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益は1億58百万円(前年同期比18.2%増)となりました。

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ21億59百万円増加し、53億98百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は、24億47百万円(前連結会計年度は1億76百万円の獲得)となりました。

 これは主に、税金等調整前当期純利益6億33百万円、仕入債務の増加額8億68百万円及び未成工事受入金の増加額9億67百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、2億43百万円(前連結会計年度は46百万円の使用)となりました。

 これは主に、有形固定資産の取得による支出2億58百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は、45百万円(前連結会計年度は1億73百万円の使用)となりました。

 これは主に、配当金の支払額25百万円によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 建設業における生産実績は、施工監理、施工技術、機械力、資金力及び資材調達力等の総合によるものであり、工事内容が多様化しており、当社グループは外注に依存している割合が高く、具体的に表示することが困難であるため、記載を省略しております。

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

住宅事業

22,762,264

118.2%

7,309,443

122.3%

リフォーム事業

4,298,419

124.4%

1,120,579

157.3%

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

    至 2021年10月31日)

前年同期比(%)

住宅事業(千円)

21,427,594

110.8%

リフォーム事業(千円)

3,890,023

105.6%

不動産事業(千円)

5,072,457

98.7%

賃貸事業(千円)

661,832

114.9%

合計(千円)

31,051,907

108.0%

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、119億7百万円(前連結会計年度比30.20%増)となり、27億62百万円の増加となりました。これは主に現金預金の増加(前連結会計年度35億25百万円から当連結会計年度56億84百万円へ21億58百万円増加)等によるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、102億80百万円(前連結会計年度比0.3%減)となり、31百万円の減少となりました。これは主に建物及び構築物(純額)の減少(前連結会計年度22億55百万円から当連結会計年度21億49百万円へ1億5百万円の減少)等によるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、85億1百万円(前連結会計年度比35.9%増)となり、22億43百万円の増加となりました。これは主に工事未払金等の増加(前連結会計年度23億10百万円から当連結会計年度31億78百万円へ8億68百万円増加)及び未成工事受入金の増加(前連結会計年度20億72百万円から当連結会計年度30億39百万円へ9億67百万円増加)等によるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、17億51百万円(前連結会計年度比0.3%増)となり、5百万円の増加となりました。これは主に役員退職慰労引当金の増加(前連結会計年度1億28百万円から当連結会計年度1億34百万円へ5百万円増加)等によるものであります

2)経営成績

(売上高)

 当連結会計年度における売上高につきましては、住宅事業は、214億27百万円(前連結会計年度比10.8%増)、リフォーム事業は、38億90百万円(前連結会計年度比5.6%増)、不動産事業は、50億72百万円(前連結会計年度比1.3%減)、賃貸事業は、6億61百万円(前連結会計年度比14.9%増)となり、その結果、310億51百万円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 売上原価につきましては、住宅事業は、163億49百万円(前連結会計年度比9.4%増)、リフォーム事業は、25億29百万円(前連結会計年度比1.3%増)、不動産事業は、35億87百万円(前連結会計年度比6.0%減)、賃貸事業は、2億28百万円(前連結会計年度比24.4%増)となり、調整額△1億81百万円を加味した結果、225億12百万円(前連結会計年度比5.8%増)となりました。

 販売費及び一般管理費につきましては、主に地代家賃の減少により、79億48百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。

(営業損益、経常損益、親会社株主に帰属する当期純損益)

 営業損益、経常損益、親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、営業利益は5億90百万円(前連結会計年度は営業損失5億1百万円)、経常利益は6億47百万円(前連結会計年度は経常損失4億34百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億77百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失7億88百万円)となりました。

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。

c.資本の財源及び資金の流動性

資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本方針としております。

当社グループの資本の財源及び流動性につきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は53億円保有しており、運転資金を機動的に調達するため金融機関と当座貸越の約定を締結していることから、十分な財源及び流動性を確保していると考えております。

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「売上高営業利益率5%以上」を中期的な当面の目標として掲げておりましたが、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、中期経営計画(2022年10月期~2024年10月期)において、計画の最終年度となる2024年10月期に売上高380億円、営業利益12億円、ROE6.0%、売上棟数900棟を定量目標として掲げております。達成状況に関しては、2022年度10月期からの記載となります。

なお、当連結会計年度の売上高は310億51百万円、営業利益5億90百万円となり、売上高営業利益率は1.9%となりました。

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成にあたって用いた、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に係る当連結会計年度の会計上の見積りについては、「第5 経理の状況1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

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