当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
ア. 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、投資有価証券が76億円減少しましたが、現金預金が255億円、建物・構築物が73億円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して254億円増加の7,611億円(3.5%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、支払手形・工事未払金等が162億円減少しましたが、短期借入金が116億円、社債が103億円、長期借入金が63億円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して189億円増加の4,421億円(4.5%増)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、その他有価証券評価差額金が60億円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上185億円などにより、前連結会計年度末と比較して65億円増加の3,190億円(2.1%増)となり、自己資本比率は41.6%となりました。
イ. 経営成績の状況
当連結会計年度の連結売上高につきましては、前連結会計年度比1.1%減の5,015億円となりました。
営業損益につきましては、売上総利益は626億円と前連結会計年度比3.4%減少となり、販売費及び一般管理費が382億円と前連結会計年度比3.0%増加したことにより、営業利益は243億円と前連結会計年度比12.0%減少となりました。
経常利益につきましては、281億円と前連結会計年度比7.4%減少となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、185億円と前連結会計年度比6.0%減少となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は30億円増加しました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。なお、各セグメントの業績につきましては、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。
売上高は3,046億円 (前連結会計年度比7.1%減)となり、セグメント利益(営業利益)は78億円(前連結会計年度比14.7%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は82億円増加しました。
当社個別の受注高につきましては、国内官公庁工事が前事業年度比24.7%減少しましたが、国内民間工事が前事業年度比26.5%増加したことにより、全体では3,228億円と、前事業年度比15.1%増となりました。
売上高は1,479億円 (前連結会計年度比8.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は119億円(前連結会計年度比15.6%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は91百万円減少しました。
当社個別の受注高につきましては、国内官公庁工事が前事業年度比19.8%増加しましたが、国内民間工事が前事業年度比35.0%減少したことにより、全体では1,294億円と、前事業年度比4.2%減となりました。
売上高は214億円 (前連結会計年度比64.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は41億円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は12百万円減少しました。
売上高は451億円 (前連結会計年度比19.0%減)となり、セグメント利益(営業利益)は19億円(前連結会計年度比16.3%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は130億円減少しましたが、その内主なものはセグメント間の内部売上高であります。
(新領域)
売上高は29億円(前連結会計年度比48.6%増)となり、セグメント損失(営業損失)は2億円(前連結会計年度10億円のセグメント損失)なりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ255億円増加し、1,293億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、272億円の資金増加(前連結会計年度は211億円の資金減少)となりました。税金等調整前当期純利益が282億円となり、仕入債務の減少により162億円の資金が減少しましたが、減価償却費により47億円、販売用不動産の減少により43億円の資金が増加したことが主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、204億円の資金減少(前連結会計年度は308億円の資金減少)となりました。投資有価証券の売却及び償還により63億円の資金が増加しましたが、有形固定資産の取得により218億円、投資有価証券の取得により33億円、無形固定資産の取得により25億円の資金が減少したことが主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは183億円の資金増加(前連結会計年度は312億円の資金増加)となりました。配当金の支払により92億円の資金が減少しましたが、短期借入金により138億円、社債の発行により100億円、長期借入金により38億円の資金が増加したことが主な要因です。
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建築事業、土木事業(以下「建設事業」という。)及び投資開発事業では生産実績を定義することが困難であり、かつ建設事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
また、当社グループにおいては建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。
よって、「生産、受注及び販売の状況」に記載すべき項目は可能な限り、「① 財政状態及び経営成績の状況」において、セグメント毎に記載しております。
なお、当社グループの営む事業の大部分を占める、提出会社の建設事業の状況は次のとおりであります。
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)に一致します。
3 収益認識会計基準等の適用による影響額を当事業年度の前期繰越工事高に加減しております。
(注) 百分比は請負金額比であります。
ウ. 完成工事高
(注) 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
当事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
当事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 次期繰越工事高(2022年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち請負金額20億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の連結売上高につきましては、当社の土木事業及び投資開発事業が増加しましたが、当社の建築事業が減少したことなどにより、全体としては前連結会計年度比1.1%減の5,015億円となりました。
営業損益につきましては、主に当社の建築事業及び土木事業における利益が減少したことなどにより、売上総利益は626億円と前連結会計年度比3.4%減少となりました。また、販売費及び一般管理費が人件費及び減価償却費等の増加により382億円と前連結会計年度比3.0%増加したため、営業利益は243億円と前連結会計年度比12.0%減少となりました。
経常利益につきましては、受取利息及び保有する投資有価証券の受取配当金等がありましたが、281億円と前連結会計年度比7.4%減少となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券売却益等がありましたが、(仮称)新TODAビルの新築に伴う旧本社ビルの解体等において固定資産廃棄損等が発生したことにより、185億円と前連結会計年度比6.0%減少となりました。
各セグメントの状況及び分析は、以下の通りとなります。
なお、売上高にはセグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。また、セグメント利益欄の( )はセグメント利益率を示します。
(建築)
当連結会計年度は、売上高が3,046億円と、前連結会計年度より7.1%減少しました。また、セグメント利益率も2.6%と前連結会計年度より0.2ポイント減少しました。大型工事の進捗が一巡したことに加えて資材価格の高騰等が影響し、売上高、セグメント利益ともに減少しております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、DXの基盤となる新しい建築生産プロセスの確立に向けたBIMの全社的な本格運用を充実させました。今後、こうした取り組みを更に推進して建築のライフサイクル全体を通した高付加価値の提供に努めてまいります。
(土木)
当連結会計年度は、売上高が1,479億円と、前連結会計年度より8.5%増加しました。豊富な手持工事の進捗により売上高が増加しております。一方、セグメント利益率は8.1%と前連結会計年度より2.2ポイント減少しました。大型工事の工程遅延によるロスコストの発生等により、セグメント利益額及び利益率ともに前連結会計年度を下回っております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、保有技術の活用やコスト競争力の強化、新技術の開発等により受注力の強化を図りました。また、ICTによる自動化、無人化施工の実現に向けた取組みを推進しました。今後、こうした取組みを更に推進し、土木事業における収益拡大を図ってまいります。
(投資開発)
当連結会計年度は、売上高214億円と、販売用不動産の売却により前連結会計年度より64.9%増加しました。一方、セグメント利益が41億円と、前連結会計年度より1.9%減少しました。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、(仮称)新TODAビル計画が2021年8月に着工しました。今後は、新ビル運営に向けた体制整備を推進し、開業に向けて万全な準備を進めてまいります。
(国内グループ会社)
当連結会計年度は、売上高が451億円と前連結会計年度より19.0%減少しました。また、セグメント利益も19億円と、前連結会計年度より16.3%減少しました。売上高は収益認識会計基準等の適用により減少し、セグメント利益は資材価格の高騰等により減少しております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、総合建設会社の昭和建設株式会社(茨城県水戸市)について、株式取得及び株式交換により完全子会社としました。今後も、グループ各社とのシナジーや相互補完、M&Aによる業容拡大により、グループ力を高めてまいります。
(新領域)
当連結会計年度は、売上高が29億円と前連結会計年度より48.6%増加し、セグメント損失は2億円となりました。浮体式洋上風力発電事業において、売電収益に比して研究開発に要する支出が先行しているものの、当連結会計年度に商用稼働を開始しましたブラジル風力発電事業の収益計上等により、セグメント利益の赤字幅は縮小しました。今後は茨城県常総市における6次産業化の取組み等、新たな収益基盤の構築に向けて積極的に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりであります。
(キャッシュ・フローの状況)
「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(1) 経営成績等の状況の概要」の「② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資金需要)
当社グループにおける主な資金需要は、運転資金として工事施工に要する外注費等の工事費用、及び販売費及び一般管理費並びに設備投資資金です。
設備投資の概況については「第3 設備の状況」の「1 設備投資等の概要」をご参照ください。
(資金の流動性)
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を一元管理しています。各グループ会社のキャッシュ・フローを集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、リスク管理の強化及び金融負債の極小化を図っています。
(資金調達の状況)
主に自己資金の活用又は金融機関等からの借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行により資金を調達しております。重要な設備投資に係る資金調達方法については「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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