文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、「高い技術をもって、社業の発展を図り、健全な経営により社会的責任を果たす。」を社是に掲げ、着実な経営計画により競争に打ち勝ち、誠実な施工で永い信用を築くことにより、皆様の信頼と期待にお応えし、皆様と共に発展して行くことを経営理念に据えております。
当期の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染再拡大による経済活動の停滞が長期化した影響などから、景気は厳しい状況にあり、日々刻刻変化するウクライナ情勢を受けて一層不透明感が増している状況であります。
しかし、建設業界におきましては、民間建設投資が不透明な面があるものの、公共投資については堅調に推移し、将来に向けても、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づく防災・減災対策やインフラ整備など、底堅い推移が期待できる状況にあります。
当社におきましては、国内工事は新型コロナウイルスによる大きな影響を受けることなく、施工は順調に進みました。一方で、海外におきましては、新型コロナウイルス感染症などの影響により一部工事で発注や着工が遅れることがあったものの、すべての工事が稼働しております。
ただし、昨年から高騰を続けてきた資材価格については、燃料価格とともにウクライナ情勢を含め、引き続き注視が必要な情勢となっております。
(3)中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは10年後のあるべき姿「社会を支え、人と世界をつなぎ、未来を創る」長期ビジョン〈TOA2030〉を掲げ、長期ビジョンの実現に向けて、2020~2022年度を事業構造の変革に注力するための期間と位置づけた「中期経営計画(2020~2022年度)」にもとづき、当社の経営理念である「高い技術」と「誠実な施工」により、お客様に納得していただける高い品質のものをお届けすること、生産性・安全性の一層の向上のため、無人化施工等の先端技術を導入すべく積極的な投資を行うことを着実に推進しています。
また、地盤改良工事における施工不良等の瑕疵修補に係る工事は完成したものの、再発防止に向けて社員のコンプライアンス意識向上に常に取り組み、誠実な企業風土を醸成していくことで、ステークホルダーの皆様と社会の期待に応えられる持続的成長企業となることを目指しております。
なお、市場環境の急速な変化に対応し、持続的な成長を実現させるため、企業価値向上に資するESG経営を一層推進すべく、2022年4月に経営企画本部を新設いたしました。
気候変動問題に貢献し、脱炭素に向けた取り組みを推進すべく経営企画本部内にカーボンニュートラル推進部を新設いたしました。2030年までにCO2排出量を25%削減(2020年度比)すべく、具体的な取り組みを検討・実施してまいります。
また、デジタル化を強力に推進するためにDX推進部を新設いたしました。デジタル技術の活用により企業文化や企業風土の変革を推進し、業務の効率化や魅力あるワークスタイルの構築に取り組んでまいります。
さらに、安全環境本部に品質管理部を加え一体化し、安全環境品質本部を発足し、安全・環境・品質事故の防止を図り、現場支援体制を強化することといたしました。
◆長期ビジョン〈TOA2030〉
社会を支え、人と世界をつなぎ、未来を創る
◆中期経営計画(2020~2022年度)の基本方針
長期ビジョン〈TOA2030〉の実現に向けた事業構造の変革
●既存事業の高度化(競争力が高い事業領域の成長加速)
(国内土木事業)‐港湾・海洋土木事業の堅持と進化
(国内建築事業)‐得意分野(物流施設、PFI事業等)における技術・ノウハウによる
差別化の推進
(海外事業) ‐事業規模の拡大と進化
●事業領域拡大の加速(継続的な事業拡大に向けた事業領域の多様化)
(国内土木事業)‐洋上風力受注強化に向けた投資、陸上土木の強化
(国内建築事業)‐事業領域多様化の推進
(海外事業) ‐地域・工種の多様化による拡大
(全事業共通) ‐各部門の協働による新規領域への取組み
●経営基盤の強化(事業戦略を支える実行体制の強化及び生産性の向上)
(管理本部) ‐人財投資の強化
‐ガバナンスの充実
‐働き方改革の推進
(経営企画本部)‐ESG経営の一層の推進
‐脱炭素に向けた取り組みの強化
‐デジタル技術の活用による業務効率化
以上の施策を当社グループの役職員が共有、着実に実行し、経営課題の解決に取り組んでまいります。
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