課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループの事業目的は、土木・建築構造物の基礎工事を担当することにあり、上部構造物を利用されている全ての方々に「安全」「安心」をお届けすることにあります。基礎工事分野におけるリーディングカンパニーとして、常に新しい技術・工法の開発・普及に努めることで、企業価値の増大を図ることにより、株主・取引先・社会の期待に応える企業を目指します。

 

(2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

① 経営環境

今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置の解除やウィズコロナに即した取り組みにより景気の下振れを回避する動きが強まり、緩やかながら持ち直しをみせるものと期待されております。しかしながら、コストプッシュ型のインフレやウクライナ情勢の緊迫化と長期化が国内景気にも大きく影を落とし、先行きへの不透明感は引き続き拭えない状況が続くと思われます。

建設業界におきましては、公共投資は微減が予想されるものの、景気回復を背景に倉庫・流通施設を中心とした設備投資の増加が見込め建設投資全体としては微増に留まることが想定されております。また先行きの不安から受注競争は激しさを増し、建設資材価格の高騰、現場従事者の慢性的な不足、脱炭素への対応など多くの取り組むべき課題を抱えております。

このような環境のもと、当社グループにおきましても、新型コロナウイルスの変異株の拡大による感染症終息の長期化が新たな設備投資の需要減、施工計画の中止及び工事の延期が懸念されるなど少なからず影響を受けることが想定され、引き続き今後の受注環境の変化に注視する必要があります。

 

② 中長期的な会社の経営戦略

2021年度からスタートする新たな中期経営計画(2021年~2023年度)は、前中期経営計画で浮かび上がった課題を克服すべくスローガンとして「進取の気性」(ニーズに適応した高付加価値を創出)を掲げました。

その基本戦略では開発戦略として「環境変化と国土の強靭化に基礎技術で貢献」「社会が安心できる信頼性を確立」、次に営業・施工戦略として「設計提案から施工まで、サプライチェーンの実現」「開発途上国の社会インフラ整備に貢献」、最後にESG戦略として「サステナビリティ経営の高度化」を実行してまいります。

開発戦略の「環境変化と国土の強靭化に基礎技術で貢献」「社会が安心できる信頼性を確立」では、新技術の創出、基礎地盤の強靭化への貢献、ICT技術の活用・導入、産学連携によるインキュベーションの発信、連結子会社でもある㈱複合技術研究所との戦略企画室の更なる機能化を行い、「変化する社会・ニーズに適応した高付加価値を創造」「既存技術の高度化、品質と安全のクライテリアの可視化」を進めてまいります。

営業・施工戦略の「設計提案から施工まで、サプライチェーンの実現」「開発途上国の社会インフラ整備に貢献」では、国内では鉄道整備プロジェクト、関西のインフラ強靭化プロジェクト、eコマース関連構造物にスマート設計の提案、営業領域の拡張に積極的に取り組み、「リダンダンシープロジェクトへの貢献とワンストップサービスの実現」を行います。また、海外では施工の認証を取得したTCCSの活用による地盤改良事業の加速、コンクリートパイル事業の拡大、東南アジア圏における更なる進出を行い「ベトナム公的技術基準の活用とコンクリートパイル事業の拡大」を行います。

ESG戦略の「サステナビリティ経営の高度化」では、環境・社会・ガバナンスそれぞれへのアクションプランと検討実施項目を掲げ「社会課題解決、企業価値向上への取り組み」へ積極的に関与してまいります。

その結果として、中期経営計画の最終年度である2023年度では連結売上高220億円、経常利益15億円の達成を掲げております。加えて、収益性の向上と資本効率を高めることを目標として、自己資本当期純利益率(以下、「ROE」という。)を経営上重視すべき経営指標としており、8%以上を目標としております。更には、将来の成長に繋げるために手元資金の有効活用として3年間で35億円の投資枠を設けました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上の課題と経営指標

当社グループにおきましては、このような状況のもと2021年度からスタートした新たな中期経営計画に掲げた課題への着実な実行を行ってまいります。

具体的には「設計提案から施工までの一貫体制の強化」に関しましては、川上営業と設計折り込み力の強化に加え、連結子会社や業務提携した日本ヒューム株式会社及び日本コンクリート工業株式会社との技術やノウハウの掛け合わせによりシナジー効果を高めてまいります。「顧客のニーズに応える付加価値の創出」に関しましては、新技術・新サービスを開発し早期の実用化を進めます。また、これらの課題への取り組みを加速させ経営基盤を強化し、加えてESG経営を確実に推進するため2022年4月に新たに経営戦略本部を立ち上げました。なお、新型コロナウイルス感染症予防に関しましては、変異株の拡大が想定され予断を許さない中、引き続き当社グループ、協力会社の役職員及び取引先の関係者の皆さまの安全確保を最優先し、適切に対応してまいります。

その結果として2022年度の数値目標は、足元の経営環境を鑑み連結売上高175億円、経常利益5億円を掲げておりますが、中期経営計画の最終年度である2023年度では連結売上高220億円、経常利益15億円と経営上重視すべき経営指標としているROE8%以上の早期の達成を目指してまいります。

 

(4) 株主還元政策

株主への還元政策としては、連結配当性向を30%程度と設定するとともに自社株式においても機動的に取得することとしております。

 

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