業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、昨年来の新型コロナウイルス感染症拡大による影響が長期化しており1月には再度緊急事態宣言が発令されるなど感染の再拡大により、先行きは依然不透明な状況が続きました。

建設市場におきましては、公共建設投資については、堅調に推移しておりますが、民間設備投資については、企業収益の減少や先行きの不透明感の高まりにより慎重な動きが続くと思われます。

このような事業環境の中で、当社グループは、2020年5月8日に公表しました中期経営計画2020(2020年度~2022年度)において、「Next Challenge StageⅡ」をテーマにこの3年間の事業戦略を「働き方改革の実現を軸に働き手の確保と生産性の向上を図る」と共に、「顧客信頼を確保し、市場の期待に応え事業拡大を図る」、同時に「長期的な建設市場の変化を見据え、維持補修分野における技術力・営業力を強化し、優位性のある技術開発でシェアの拡大を目指す」とし、事業戦略を実現するための課題として、人的資源の確保と育成、生産性の向上、法面補修技術の開発、海外事業の強化などの新しい分野への挑戦に取り組んでおります。

その結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。

 

a.受注高、売上高

 受注高は、基礎工事の増加により、67,845百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。また、売上高は、当期完工分の受注高増加などが寄与し、67,955百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。

 

b.売上原価、販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の売上原価は55,102百万円(対前期比1,880百万円の増加)、原価率は81.1%(対前期比0.1%の改善)となり、販売費及び一般管理費は、7,495百万円(対前期比103百万円の増加)となりました。

 

c.営業利益

売上高が前年同期比で増加したことに加え、工事利益率が改善したことにより、営業利益は5,358百万円(対前期比454百万円の増加)となりました。

 

d.営業外損益、特別損益

当連結会計年度の営業外収益は107百万円(対前期比23百万円の増加)となり、営業外費用は46百万円(対前期比60百万円の減少)となりました。

特別利益は固定資産売却益の計上により15百万円(対前期比4百万円の減少)となり、特別損失は減損損失等の計上により217百万円(対前期比193百万円の増加)となりました。

 

e.親会社株主に帰属する当期純利益

上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,500百万円となりました。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大により、年度当初の4~5月に一部の工事が中断しましたが、その後大きな影響はなく、当連結会計年度における業績への影響は軽微でありました。

過去5年間の売上高と原価率、販売費及び一般管理費と売上高販売費及び一般管理費比率の推移は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

第70期

第71期

第72期

第73期

第74期

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

売上高

57,174

62,943

63,264

65,516

67,955

原価率

82.8%

83.2%

82.9%

81.2%

81.1%

販売費及び一般管理費

6,259

6,491

6,848

7,392

7,495

売上高販売費及び一般管理費比率

10.9%

10.3%

10.8%

11.3%

11.0%

 

②財政状態の状況

  当連結会計年度末における流動資産の残高は42,282百万円で、前連結会計年度末に比べ1,278百万円増加しております。これは主に、受取手形・完成工事未収入金等が2,349百万円電子記録債権が486百万円増加し、現金預金が991百万円未成工事支出金が490百万円減少したことによるものであります。固定資産の残高は9,689百万円で、前連結会計年度末に比べ533百万円増加しております。これは主に、機械、運搬具及び工具器具備品が235百万円、建設仮勘定が113百万円、投資有価証券が183百万円、繰延税金資産が160百万円増加し、建物・構築物が123百万円減少したことによるものであります。

  当連結会計年度末における流動負債の残高は18,931百万円で、前連結会計年度末に比べ282百万円減少しております。これは主に、工事損失引当金が285百万円、賞与引当金が130百万円、未払法人税等が84百万円増加し、未成工事受入金が54百万円、その他(未払消費税)が704百万円減少したことによるものであります。固定負債の残高は4,239百万円で前連結会計年度末に比べ154百万円減少しております。これは主に、退職給付に係る負債が93百万円増加し、長期借入金が278百万円減少したことによるものであります。

  当連結会計年度末における純資産の残高は28,800百万円で、前連結会計年度末に比べ2,249百万円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を3,500百万円計上したこと、1,501百万円の配当を実施したことによるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動により獲得した資金は1,426百万円(前連結会計年度は7,357百万円の獲得)、投資活動により使用した資金は705百万円(前連結会計年度は217百万円の使用)、財務活動により使用した資金は1,784百万円(前連結会計年度は1,625百万円の使用)となった結果、現金及び現金同等物は991百万円減少し、当連結会計年度末残高は17,722百万円となっております。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果獲得した資金は、1,426百万円となっております。

  これは主に、税金等調整前当期純利益5,218百万円を計上し、減価償却費の計上402百万円、工事損失引当金の増加284百万円、退職給付に係る負債の増加185百万円、減損損失の計上211百万円、未成工事支出金の減少492百万円により資金が増加しましたが、売上債権の増加2,828百万円、未払消費税等の減少704百万円、法人税等の支払2,077百万円により資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は、705百万円となっております。

  これは主に、有形固定資産の取得による支出702百万円により資金が減少したものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は、1,784百万円となっております。

  これは主に、長期借入金の返済による支出274百万円、配当金の支払い1,496百万円により資金が減少したものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度(百万円)

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度(百万円)

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

建設事業

65,373

67,608

その他の事業

155

237

合計

65,529

67,845

 

b.販売実績

セグメントの名称

前連結会計年度(百万円)

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度(百万円)

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

建設事業

65,361

67,718

その他の事業

155

237

合計

65,516

67,955

 (注)1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

2 セグメント間の取引については相殺消去しております。なお、参考までに提出会社個別の事業の状況を記載すると次のとおりであります。

① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

期別

工事別

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成工事高

(百万円)

次期繰越工事高

(百万円)

当期施工高

(百万円)

手持工事高

うち施工高

 

第73期

自 2019年4月1日

至 2020年3月31日

 

 土木

39,477

63,962

103,439

63,971

39,462

4.1%

1,603

63,803

39,477

63,962

103,439

63,971

39,462

4.1%

1,603

63,803

 

第74期

自 2020年4月1日

至 2021年3月31日

 

 土木

39,462

65,575

105,037

66,520

38,517

2.8%

1,083

66,000

39,462

65,575

105,037

66,520

38,517

2.8%

1,083

66,000

 (注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越工事高(うち施工高)-前期繰越工事高(うち施工高))に一致しております。

② 受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第73期

自 2019年4月1日

至 2020年3月31日

土木工事

89.8

10.2

100.0

第74期

自 2020年4月1日

至 2021年3月31日

土木工事

89.0

11.0

100.0

 (注) 百分比は請負金額比であります。

③ 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

 

第73期

自 2019年4月1日

至 2020年3月31日

 

土木工事

50,678

13,293

63,971

50,678

13,293

63,971

 

第74期

自 2020年4月1日

至 2021年3月31日

 

土木工事

52,330

14,190

66,520

52,330

14,190

66,520

 (注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。

2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

第73期 請負金額5億円以上の主なもの

        (注文者)                                (工事名)

       大槌町                                  大槌町波板地区、吉里吉里地区、赤浜地区、安渡地区及び小枕・伸松地区他第1期工事

       ケミカルグラウト㈱                      小石原川ダム本体建設工事

       ㈱熊谷組                                阿蘇大橋地区斜面対策工事

       清水建設㈱                              気仙沼市震災復興事業の工事施工等に関する一体的業務(推進工事)

       東日本高速道路㈱                        札樽自動車道 苗穂高架橋下部工補修工事

       清水建設㈱                              気仙沼市震災復興事業の工事施工等に関する一体的業務(街築工)

       PT NITTOC CONSTRUCTION INDONESIA        Central Java Project

       西松建設㈱                              河内川ダム基礎処理工事

       ㈱後藤組                                債務負担行為工事 朝日川第一発電所土木建築工事

       鹿島建設㈱                              北陸新幹線、細坪橋りょう他に係る深礎工

       西日本高速道路㈱                        中国自動車道(特定更新等)吉和IC~六日市IC間盛土補強工事

       ㈱不動テトラ                            津波黒地区法面補強工事

       双葉鉄道工業㈱                          東海道新幹線維持修繕工事

       東日本高速道路㈱                        東北自動車道 十和田管内橋梁補修工事

       前田建設工業㈱                          東京外環東名ジャンクションAランプ

第74期 請負金額5億円以上の主なもの

        (注文者)                                (工事名)

       本州四国連絡高速道路㈱                  与島高架橋他耐震補強工事

       清水建設㈱                              平成30年度中間貯蔵(大熊4工区)土壌貯蔵施設等工事

       清水建設㈱                              平成29年度中間貯蔵(大熊2工区)土壌貯蔵施設等工事

       関東地方整備局                          R1八ッ場ダム下流管理用通路工事

       ㈱鴻池組                                北陸新幹線第2福井トンネル(南)他工事

       ㈱大林組                                H28川俣ダム周辺部補強工事

       ㈱フジタ                                新名神高速道路原萩谷トンネル西工事

       西日本高速道路㈱                        高松自動車道勅使高架橋橋梁剥落対策工事

       ㈱佐藤組                                鶴岡市ごみ焼却施設整備・運営事業

       ㈱大林組                                中央新幹線名古屋駅新設

       大成建設㈱                              椛川ダム本体建設工事

 

       鹿島建設㈱                              KK7号原子炉格納容器フィルタベント設備に伴う液状化対策工事

       双葉鉄道工業㈱                          東海道新幹線維持補修工事

 

3 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

④ 手持工事高(2021年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

土木工事

29,800

8,717

38,517

 (注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。

2 手持工事のうち、請負金額5億円以上の主なもの

(注文者)

(工事名)

(完成予定)

大成建設㈱

玉来ダム本体建設工事

2021年10月

㈱安藤・間

高原トンネル上部斜面対策工事

2023年2月

ケミカルグラウト㈱

成瀬ダム堤体打設工事 第一期

2022年12月

㈱大林組

安威川ダム建設工事

2022年4月

前田建設工業㈱

中央ジャンクション北地中拡幅(南行)工事

2025年3月

本州四国連絡高速道路㈱

八幡高架橋他4橋耐震補強工事

2022年3月

㈱熊谷組

東大島幹線工事

2023年11月

大成建設㈱

浦安某所地盤改良工事

2022年3月

奥村組土木興業㈱

中国横断自動車道時重トンネル他1トンネル工事

2021年12月

中日本高速道路㈱

北陸自動車道今庄トンネル背面空洞注入工事

2021年11月

㈱熊谷組

銀座線浅草駅折返し線延伸に伴う土木工事

2021年9月

中日本高速道路㈱

中央自動車道 多治見管内橋梁下部工補修工事(2019年)

2021年7月

㈱フジタ

新名神高速道路原萩谷トンネル西工事

2021年6月

前田建設工業㈱

奄美(30)新駐屯地(瀬戸内地区)敷地造成工事(その1)

2021年12月

西日本高速道路㈱

令和2年度九州自動車道久留米高速道路事務所管内のり面防災対策工事

2021年11月

東日本高速道路㈱

道央自動車道米里高架橋下部工補修工事

2022年5月

三井住友建設㈱

新名神高速道路淀川橋工事

2021年6月

西日本高速道路㈱

舞鶴若狭自動車道(特定更新等)春日IC~大飯高浜IC間盛土補強工事

2021年5月

新進建設㈱

県道川之江大豊線道路災害復旧工事

2022年3月

㈱大林組

東海第二発電所 常設代替高圧電源装置置場設置工事

2021年8月

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費、外注費等の支払であり、その資金は営業活動からのキャッシュ・フローにより調達しております。施工ボリュームは季節的な変動があり、一時的に営業キャッシュ・フローを上回る資金需要があった場合に備え、金融機関と借入枠2,200百万円のコミットメントライン契約を結んでおります。なお、2021年3月31日現在における貸出コミットメント契約に係る借入未実行残高は2,200百万円、現金預金勘定残高は17,722百万円であり、通常の事業活動を継続するための資金調達は十分であると考えております。

 

⑤経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

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