研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループは、社会や顧客のニーズに応えるため、技術開発本部を中心に、基礎的研究から新工法開発、既存技術の改良改善まで、幅広い研究開発活動を行っています。特に重要な研究開発テーマについては「最優先テーマ」として位置づけ、部署横断的な取り組みで着実に成果を挙げています。既存工法についても、環境への配慮や省力化・省人化など、社会的課題に対応すべく、さらなる改良改善を行っています。また、研究開発の効率化・高度化を図るため、公的機関、大学、外部研究機関、同業他社との技術交流、共同開発など、外部機関との連携を強化しています。

当連結会計年度における研究開発費は391百万円であり、おもな研究開発活動は次のとおりです。

 

① 環境配慮関連技術

既存工法の改良改善や施工促進により、環境負荷の低減に取り組んでいます。

老朽化した吹付のり面の補修・補強技術「ニューレスプ工法」は、使用材料の改良により、二酸化炭素排出量の削減を図りました。

セメントを使用しないのり面保護工「ジオファイバー工法」は、環境や景観への配慮が必要とされる斜面の防災工事や、文化財・史跡斜面の防災及び復旧に数多く採用されています。

生物多様性保全に対応する「リサイクル緑化工法」の施工を推進し、現地で発生する木材チップや土の再利用、希少種・郷土種・自生種などの保護・保全に取り組んでいます。

 

② 社会インフラの機能向上・長寿命化関連技術

のり面構造物の機能向上・長寿命化工法として、「ニューレスプ工法」のほか、「Bite off工法」、「吹付受圧板工法FSCパネル」を開発しました。

「Bite off工法」は、既存のグラウンドアンカーを特殊なビットを用いて除去する技術で、老朽化・劣化したアンカーの更新に効力を発揮します。「吹付受圧板工法FSCパネル」は、吹付のり面と背面の地山を効率的に補修・補強可能な技術で、公益財団法人鉄道総合技術研究所と共同開発しました。

のり面構造物の健全性を評価する手法として、UAV撮影データにより作成した「のり面3次元モデル」の利活用、AI(人工知能)を利用した画像解析技術によりコンクリート構造物の変状を抽出する「AIによるひび割れ検出」技術の開発を進め、のり面構造物の機能向上・長寿命化に向けた対策の検討を効率的に行っています。

 

③ ICTを活用した生産性向上に関する技術

のり面吹付の機械化・省力化技術「スロープセイバー」は、バックホウに専用アタッチメントを装着したロボット施工により、モルタル吹付工法の大幅な生産性向上を図ります。

吹付プラントの自動化・省力化技術「ショットセイバー」は、熟練工の経験と勘に頼っていた吹付機の操作を自動化し、プラント全体の制御や管理をタッチパネルで行うことを可能にしました。袋セメント自動開封装置「ラクットマン」と合わせて現場導入を推進しています。

GNSSの計測技術を用いて、ボーリング削孔時の削孔位置・方向・角度を精度良く誘導する「削孔機マシンガイダンスシステム」を開発しました。削孔機の据え付けの効率化、施工の品質向上を図ります。

 

④ ICTを活用した生産性向上に関する技術

地盤注入工の施工履歴データを活用し、施工や出来形管理などの効率化を図るシステム「Grout Conductor」を構築し、現場に適用しています。このシステムの導入により、1台で最大8セットの流量計及びグラウトポンプの自動制御を可能にしました。

高圧噴射撹拌工法「N-Jet工法」は、専用モニタの複数ノズルから材料を噴射することで引上げピッチを大きくし、改良体造成時間を短縮することで、施工効率の向上と工期短縮を図ります。さらに、硬化材使用量と排泥量の低減により、環境保全にも貢献しています。

 

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