課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1)経営理念、経営方針等

当社グループは、「日々是進歩」を社是、「安全第一」、「信用確立」、「技術発展」を社訓とし、「使命(Mission)・・・安全・安心な国土造りに貢献する会社」、「価値観(Value)・・・基礎工事における総合技術力と効率的な経営」、「あるべき姿(Vision)・・・信頼される技術力に培われた、環境・防災工事を主力とした基礎工事のエキスパート」を経営理念に掲げ、これらに基づき、企業価値向上を目指すとともに、株主、顧客、取引先、地域社会、従業員等のステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。また、2022年度の経営方針は次の通りに定めております。

 

2022年度 経営方針

1.内部統制(コンプライアンス、リスク管理)の強化

2.安全と職場環境を重視した経営

3.重要施策の実現

4.収益性の維持と生産性の向上

5.キャッシュ・フロー重視の経営

6.人材の確保と育成

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く事業環境について、長期的には、地球規模で脱炭素をはじめとするサステナビリティへの取り組み、国家財政の制約による日本国内の公共工事縮小や本格的な維持補修時代を迎えることが予想され、その対応が課題となります。また、中期から短期的には、生産性の向上、少子高齢化による働き手不足、長時間労働からの脱却が課題となっております。

このような事業環境の中で、当社グループは、2020年度から始めた中期経営計画2020(2020年度~2022年度)において、働き方改革を軸とした事業戦略を立て、重要施策として人的資源の確保と育成、生産性の向上、法面補修技術の開発、海外事業の強化などの新しい分野への挑戦に取り組んでおります。

2022年度は、公共工事については、2021年12月24日に閣議決定された一般会計のうち、公共事業関係費は、総額6兆575億円、また、防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策(2021年度~2025年度)の2年目として、1兆2,539億円を計上していることもあり、引き続き、高い水準を維持すると予想しております。一方、民間工事については、持ち直しの動きがみられますが、資材価格及びエネルギー価格の上昇による影響が懸念されています。

その市場の中で当社は、生産性向上を目的としたICT活用による法面吹付作業の自動化・省力化を実現する「スロープセイバー」、「ショットセイバー」及び当社独自の地盤改良工法として「N-Jet工法」の開発に取り組んでまいりました。現在それぞれが開発工程を終え、実用段階となり、今後積極的に市場投入を図ってまいります。また、設備投資として地盤改良工事の受注拡大、原価低減を目的とした大型機械購入、再生可能エネルギーの送電網再整備事業へ対応する小口径杭掘削機「SC-TEPドリル」を導入し、事業展開を図っております。

環境分野についても、リサイクル材の活用やCO₂排出低減に寄与する材料への転換により環境負荷低減を図ってまいります。

海外事業についても、2022年3月期に大型地盤改良工事の受注を計上し、今後も新型コロナウイルス感染対策の徹底や地政学リスクを考慮しつつプロジェクトに対する営業渉外を積極的に行い、受注拡大を図ってまいります。

引き続き、地盤改良、自動化・省力化、補修補強、環境負荷低減技術及び次世代技術研究の開発テーマ毎にスケジュールに沿って進め、受注高、売上高等の増加を目指してまいります。

さらに2022年度より、顧客や社会のニーズを基に的確な技術サービスを行うためにDXを推進する部署を経営戦略本部内に設置し、業務そのものや組織、プロセス、企業風土の変革に積極的に取り組んでまいります。

現在のところ新型コロナウイルスの業績への影響は軽微ではありますが、感染者の発生によっては、工事遅延を招き、業績に影響を与える可能性もあります。当社としては、感染防止策を徹底し事業継続に与える影響を最小限とするよう努めてまいります。

 

(3)「中期経営計画2020(2020年度~2022年度)」の「目的」「位置付け」「事業戦略」「事業戦略を実現するための課題」「経営目標・指標」は下記のとおりであります。

1.目 的

 市場変化に適応し成長する専門工事会社への変革

 

2.位置付け

 「Next Challenge StageⅡ」

 人的資源の確保と育成をし、生産性向上を図り成長する期間

 

3.事業戦略

働き方改革の実現を軸に働き手の確保と生産性の向上を図ると共に、顧客信頼を確保し、市場の期待に応え事業拡大を図る。同時に長期的な建設市場の変化を見据え、維持補修分野における技術力・営業力を強化し、優位性のある技術開発でシェアの拡大を目指す

 

4.事業戦略を実現するための課題

(1)人的資源の確保と育成

  採用増加・職場環境改善と待遇向上・人的資源配分統制・協力業者育成

(2)生産性の向上

  生産性の高い地盤改良の受注拡大・機械化施工・施工平準化

(3)法面補修技術の開発

(4)新しい分野への挑戦

 

5.経営目標・指標

(1)営業面の目標(2022年度)

 ① 地盤改良工事拡大(完成工事高 200億円)

 ② 法面補修工事拡大(完成工事高 100億円)

(2)業績面の目標

 ① 営業利益 3ヵ年平均:44億円以上

 ② 営業利益率 3ヵ年平均:6.0%以上

(3)財務面の指標(2022年度)

 ① 自己資本比率 52%以上

 ② キャッシュ・フロー プラス

(4)株主還元の目標

 ① 配当性向40%以上

 

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