研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、工事施工の能率および安全性の向上を目的とした機械・工具等の開発・改良と、受注領域拡大のための新分野技術の研究・習得を主体として行っております。開発品および開発工法を通じ、社員指導教育も併せて実施することで社員の専門知識の向上、技術レベルの向上を目指し活動を行っております。

当連結会計年度における各種プラント設備の建設、補修、維持関連の研究開発費はグループ全体で 81 百万円であり、その主なものは次のとおりであります。なお、当社グループの研究開発活動においては、各セグメントに関連したものが非常に多いため、セグメント別の記載はしておりません。

 

(1) 大型風力発電設備の建設施工技術の開発

再生可能エネルギーの普及拡大に伴い、大型風力発電設備の建設増加が見込まれます。発電効率向上による設備の大型化に伴い、機器据付け重量の大幅な増加が予想されるため、当社の揚重技術を活用した施工技術の開発を進めております。

当連結会計年度は、当社の太平ジャッキシステムを応用し、更に改良した洋上風力新工法の特許を取得することができました。この新工法の実現性を評価するため、設計・構造解析並びに風洞実験を行い、設計検証を実施いたしました。様々な港湾で使用できる新工法は、日本各地で計画されている洋上風力建設での使用が期待できます。

陸上風力分野では耐用年数を満了する風車の増加が多数発生し、リプレースの需要増加が見込まれます。今年度は従来の重機工法より設置スペースを縮小できるジャッキアップ工法を開発し、特許を取得しました。陸上風力の大型化は従来のクレーンでは取り扱うことができない重量となることが想定されており、超重量物の取り扱いに多くの実績がある太平ジャッキシステムを使用した工法を実証すべく研究を実施しております。

 

(2) 西風新都バイオマス発電所 二酸化炭素削減に向けた取組み

政府による2050年カーボンニュートラル宣言以降、電力業界以外にもカーボンニュートラル達成のため二酸化炭素削減に向けた様々な取組みを行う事業主が官民問わず増えることが予想されます。当社は、広島県の西風新都に2019年、木質チップを燃料としたバイオマス発電所による発電事業を開始しております。

元々バイオマス発電所は二酸化炭素を吸収した木質チップを燃料としていることから、カーボンニュートラルと認識しておりますが、一歩踏込み排ガスからの二酸化炭素回収機能を付加し、カーボンネガティブ発電所とすることにより、国際社会が推進する脱炭素社会に貢献するためのESG活動として導入を計画いたしました。

自社発電所を保有し発電事業への参画は、当社施工技術向上のため、つまり建設/補修/運転/解体のサイクル実現でありましたが、新たにESGも考慮し、再生可能エネルギー発電所を中心とし、林業/発電事業/二酸化炭素回収/農業といった循環型サイクルを目指して取組んでまいります。
 

(3) 廃止措置工事に向けた福井工業大学との共同研究

原子力発電設備の廃止措置分野は、今後、廃炉ユニットの数が増えることが予想されます。当社は、原子力発電所に従事しメンテナンスをはじめ数多くの補修工事を経験している利点を生かし、廃止措置工事における技術的課題をいち早く掴み、それらを解決して技術的優位性を得て受注拡大を目指します。そこで、原子力発電設備の廃止措置工事に適応可能な技術について、2017年度から産学連携で福井工業大学(以下、福井工大)と共同研究を継続して行っております。当連結会計年度は、次の2テーマについて共同研究を行いました。

① アイスコンデンサー氷処理手法の確立

② 遮へい体(鉛)の効率的解体・減容技術

アイスコンデンサー氷処理手法の確立では、顧客に処理手法をご提案することを目標に研究を進めております。また、遮へい体(鉛)の効率的解体・減容技術では、低融点合金を使用して鉛を切断する手法の確認ができたので、現場で使える技術に最適化する研究を進めております。今後も福井工大との共同研究を継続して行い、廃止措置工事に適応可能な技術の研究を行ってまいります。

 

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