課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、近年「エネルギー」と「エコロジー」の豊かな共存こそが企業に課せられた重要なテーマといわれるなかで、「顧客の創造と信頼の確保」、「社会への貢献」、「未来への挑戦」の3つの経営理念に基づき、コア事業である断熱工事・技術を通じてエネルギーの有効利用に貢献するとともに、事業領域の拡大を図り、燃焼技術を基礎としたボイラの製造・据付、クリーンルーム内装工事、冷凍冷蔵低温設備工事及び環境関連等に取組んでおります。

こうしたなかで、当社グループの技術力は多業種にわたるユーザーから高い信頼を得るとともに、地球規模の課題である省エネルギーや環境保全を推進することで、企業としての社会的責任を果たすために尽力しております。

 

(2)経営戦略等

 当社 グループ は、近年において企業のグローバル化及びボーダレス化が進むなか、将来の当社としてのあるべき姿を見据えて、2021年4月に中期経営計画(2021年度~2023年度)を新たにスタートさせました。本計画は、「新たなステージへの挑戦」をスローガンとして、事業環境の構造変化に合わせて機動的に対応するため、次のとおり5つの基本方針を掲げております。

 

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①環境変化に対する適応力の強化

 主要顧客である素材産業向け市場を堅持しながらインフラ関連事業向けの断熱事業ならびに周辺事業の市場拡販への取り組みを強化するとともに、脱炭素社会に向けた社会の動向・要請に適応するべく新たな技術力・工事施工能力を開発してまいります。

②未来への持続的成長戦略の展開

 既存事業との親和性のある新たな領域へ積極的に事業を展開し、断熱事業に続く次の柱となる事業領域の育成をM&Aも視野に入れながら進めてまいります。既存領域に関しましても組織間やグループ各社にて水平展開を図る等、組織力を強化してまいります。また、中長期的に拡大が見込まれる海外市場につきましてもプロジェクト工事体制の整備を行うとともに、リスク管理を徹底し、持続的な受注活動を展開してまいります。

③成長を支える収益基盤の確立

 既存事業に関して新規顧客開拓やシェアアップに注力するとともに、営業メニューの多角化に取り組んでまいります。また、若手社員への教育を通じて技術力・工事施工能力の向上・強化や、調達先の拡充等により価格競争力を高め、収益基盤の強化を推進してまいります。

 

④デジタル化に向けた業務体制の改革

 現場におけるデジタル技術を活用した業務の効率化や新事業の創出に取り組むことで営業力の差別化を図ってまいります。また、間接部門におきましても効率化だけでなく、業務のプロセス自体を見直し、より一層の生産性向上を推進してまいります。

⑤企業力の強化と意識改革

 人材の確保・育成、働き方改革はもとより、環境変化に対応するため従来の発想を転換して意識改革を行い、継続的なコーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組むことでESG経営を推進し、企業力を強化いたします。

 

 当社グループは、新たな事業環境下においても常に一歩先をリードするべく挑戦し、経営環境の変化が厳しい中でも持続的に成長できる収益基盤を確立できるように取り組んでまいります

 

(3)経営環境

  当社グループ事業を取り巻く経営環境は、建設工事事業におきましては、国内生産設備の合理化及び省力化に向けた設備投資や定期修理工事の堅調が見込まれますが、建設業界全体の人手不足問題が引き続きコスト面に影響を及ぼすものと思われます。また、海外領域では、産油・産ガス国において大型LNGや製油所新設案件を中心とした設備投資の進展に期待が寄せられる一方で、エネルギー価格の変動が今後の不安材料となっております。

 ボイラ事業におきましては、設備増強投資や既存ボイラの更新投資は継続しており、バイオマス発電も小規模発電設備の需要は増加してくるものと思われます。

 足元の状況といたしましては、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の停滞が続いており、今後コロナ禍の影響がさらに深刻化した場合、雇用不安の長期化や個人消費の落ち込み、設備投資への慎重な動きが継続するなど、依然として先行き不透明な状況が続くものと思われます。しかしながら、米中間の通商問題や地政学的なリスクはありますものの、各種政策の効果や新興国における底堅い電力需要を背景に世界経済の回復への期待感から景気は徐々に持ち直しの方向に向かうものと予想されます。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記の経営環境を踏まえ、当社グループは、2021年度を始期とする中期経営計画(2021年度~2023年度)の目標達成に向けて、「新たなステージへの挑戦」のスローガンのもと、「改革、スピード&チャレンジ」の行動指針をグループ全体で共有し、事業環境の変化に対応しながら安定した収益の確保を目指し、さらなる企業力の強化に取り組んでまいります。また、適正なコーポレート・ガバナンス体制を構築するためにコンプライアンスの浸透ならびにリスク・マネジメントを徹底し、ステークホルダーの皆様のご期待にお応えできるよう、未来に向けた経営諸施策を着実に遂行し、持続的な企業価値の向上に邁進する所存です。

 セグメント別の対処すべき課題は、以下のとおりであります。

①建設工事事業

 主要な事業対象である石油・石油化学分野における設備投資の伸び悩みや国内マーケットの縮小、価格競争の熾烈化などにより、引き続き厳しい事業環境となるものと予想されます。また、新型コロナウイルス感染症の影響で中断されていた海外のエネルギー関連プロジェクトについても不透明な状況が継続しております。

 当社グループでは、海外工事の受注獲得に注力し、国内においても顧客企業の設備投資動向が不透明な中、メンテナンス工事等を基礎にして周辺事業と合わせて着実な積み上げを図ってまいります。

②ボイラ事業

 近年増加している自然災害による事故等により、社会が求めるエネルギーのニーズが安定供給と安全確保にシフトしており、特に自然エネルギーを活用した再生可能エネルギー発電事業に注目が高まっております。その中でも、バイオマス発電については、原燃料の需給バランス不均衡が懸念されるものの、低炭素化や未利用資源の有効活用、地域産業の振興等への寄与が期待され、その需要は当面根強くあると考えられます。

 当社グループでは、バイオマス発電や産業用ボイラの新設工事受注に注力するとともに、業績の基盤を補完するメンテナンス工事を安定的継続的に確保するとともに、調達チャネルを多様化し、コスト競争力の強化を図ってまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社グループは、売上高、営業利益、経常利益及び親会社株式に帰属する当期純利益を、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として用いており、各指標等の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度

 

(単位:百万円)

指標

2020年5月公表

年度計画

実績

増減

対予想比増減

売上高

55,000

50,533

△4,466

△8.1%

営業利益

5,600

6,399

799

14.3%

経常利益

5,750

6,742

992

17.3%

親会社株主に帰属する当期純利益

3,950

4,600

650

16.5%

 なお、経営指標については各種のものがあり、それぞれが企業の健全性、収益性、効率性等の一面を示すものとして有効であることは承知しておりますが、経営に当たっては特定の指標に限定せず、総合的な判断が必要であると考えております。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループを取り巻く主要関連市場におきましては、熾烈な受注競争に加えて労働力不足の問題や調達価格の上昇など、今後も厳しい事業環境は続くものと思われますが、世界的な脱炭素への取り組みのほか国際連合が2015年に採択した2030年までの国際的な目標であるSDGs(持続可能な開発目標)関連投資の需要により、企業に一定程度の収益確保が見込まれております。

 このような情勢に対処するため、中期経営計画に基づき脱炭素社会に向けた技術力・施工能力の向上、企業として持続的に成長していくための事業戦略の構築及び業界におけるシェアアップや新規顧客の創出に努めてまいります。

 また、継続的にコーポレート・ガバナンス体制を強化し、ESG課題に対して企業として取り組みながらコンプライアンスの浸透ならびにリスク・マネジメントを徹底し、経営諸施策を着実に遂行し企業価値をより高めるために取り組んでまいります

 

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