業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月28日)現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。当社グループはこれら見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これら見積り及び仮定と実績が異なる場合があります。

  会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

① 棚卸資産

 棚卸資産は、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、取得原価と正味売却価額のいずれか低い価額で測定しております。また、需要の変化によって過剰又は滞留する棚卸資産についても、簿価を切り下げております。市況の変動や需要動向により、追加の評価減が必要となる可能性があります。

② 貸倒引当金

 当社グループは、金銭債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、必要な貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

③ 投資有価証券の減損

 当社グループでは投資有価証券を所有しておりますが、市場価格のない株式等以外のものについては時価法を、市場価格のない株式等については原価法を採用しております。当社グループでは、市場価格のない株式等以外のものについては、時価が取得価額に比べ50%以上下落した場合には減損処理し、30%から50%の下落の場合には、当該有価証券発行会社の業績等を勘案し必要に応じ減損処理しております。市場価格のない株式等については、その実質価額が取得価額に比べ著しく下落した場合、回復の見込が確実と認められる場合を除き、減損処理しております。

 当社グループでは投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきており、現状では減損すべき投資有価証券はありませんが、将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。

④ 企業結合

 当社グループは、企業結合により取得した企業又は事業の取得原価は、時価で算定しております。取得原価は、受け入れた資産及び引き受けた負債のうち企業結合日時点において識別可能なものの企業結合日時点の時価を基礎として、当該資産及び負債に対して配分しております。取得原価が、企業結合日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額をのれんとして会計処理しております。

 取得した資産、特に無形資産の時価の算定は、多くの場合、経営者の重要な判断を必要とします。当社グループは、独立の第三者による評価結果を利用し、入手可能な過去の情報と将来の見通し及びその仮定に基づいて時価を算定しております。経営者は、これらの判断及び評価は合理的であると判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって実際の結果と異なる可能性があります。

⑤ 固定資産の減損

 当社グループは、固定資産の帳簿価額が回収不能であると判断された場合、回収可能価額まで減額しております。減損の兆候が生じた資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、減損損失を認識するかどうかの判定を行っております。割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、減損処理が必要と判断し、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額としております。減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において見積もられる将来キャッシュ・フローは、合理的な仮定に基づいております。また、使用価値の算定に際して用いられる割引率は、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映しております。

 経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りに関する評価を行っており、これらの判断及び評価は合理的であると判断しております。当社グループには、現状では減損すべき固定資産はありませんが、将来の企業環境の変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなった場合には減損処理が必要となる可能性があります。なお、提出日現在において、これらの見積りの見直しが必要となる事象は生じておりません。

⑥ 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。しかしながら、繰延税金資産の回収見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上により利益が変動する可能性があります。

⑦ 退職給付に係る負債

 当社グループの退職一時金制度及び既退職の年金受給者を対象とする確定給付企業年金制度における退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給付水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。割引率は期末における複数の格付機関による直近の格付けがダブルA格相当以上を得ている社債等の市場利回りに基づき、長期期待運用収益率は保有している年金資産の運用方針や過去の運用実績等に基づき決定しております。実績が前提条件と異なる場合、又は、前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

 

(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容

① 当連結会計年度の経営成績の概況及び分析

 当連結会計年度につきましては、依然として新型コロナウイルス感染症が拡大と収束を繰り返す中、生活様式や消費者マインドが変化し、需要にも影響を与えているものの、経済活動は徐々に平常化に向かっております。一方、世界的な食糧インフレが進行する中、ウクライナ情勢に起因して穀物・資源価格が急騰し、為替相場も円安が加速する等、事業環境にも大きく影響が及んでおります。

 このような中、当社グループは、小麦粉をはじめとする「食」の安定供給を確保し、各事業において安全・安心な製品をお届けするという使命に取り組み、その活動を支える従業員の安全確保に努めました。また、長期ビジョン「NNI “Compass for the Future”新しいステージに向けて ~ 総合力の発揮とモデルチェンジ」で目指す姿の実現に向け、早期に販売力と収益力を回復させることを最優先課題として取り組むとともに、更なる成長の基盤づくりを着実に進めました。

 その一環として、2025年5月頃稼働予定で、岡山県倉敷市水島地区に新製粉工場を建設し、併せて岡山工場・坂出工場を閉鎖することを昨年10月に決定しました。本施策により、コスト競争力を強化するとともに、地震等の万一の被害に備えてBCP(事業継続計画)対応を強化し、主要食糧である小麦粉の安定供給を実現してまいります。

 また、本年1月から、加工食品事業の子会社である「日清フーズ株式会社」の商号を「株式会社日清製粉ウェルナ」に変更しました。ブランド戦略投資により露出度を高め、認知度の定着、拡大を図るとともに、国内外への新たなブランド戦略によりグローバル展開企業を目指してまいります。

 さらに、長期ビジョンで掲げる持続的な「循環成長」を推進するため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同、及びTCFDコンソーシアムへの参加を表明しました。併せて、CSR重要課題である「気候変動及び水問題への対応」や「食品廃棄物・容器包装廃棄物への対応」について、昨年8月に具体的な中長期目標を策定しており、取組みをさらに加速させてまいります。

 当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、国内製粉事業の麦価改定に伴う小麦粉価格改定の実施、海外製粉事業の小麦相場上昇や為替換算の影響、エンジニアリング事業におけるプラント工事の進捗等による増収があったものの、収益認識会計基準適用の影響やペットフード事業の受託生産終了による減収があり、6,797億36百万円(前期比100.0%)となりました。なお、収益認識会計基準適用の影響を除くと前期比108.6%の増収となっております。利益面では、米国製粉事業の業績好調、国内製粉事業における副産物のふすま販売価格の堅調な推移、中食・惣菜事業の順調な回復、及びエンジニアリング事業の大型工事の進捗等により、営業利益は294億30百万円(前期比108.2%)、経常利益は326億26百万円(前期比109.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は、ニュージーランド製粉事業の業績悪化に伴い減損損失を計上したことにより175億9百万円(前期比92.1%)となりました。

 

  (前期比較)                                      (単位:百万円)

 

2021年3月期

2022年3月期

前期差

前期比

売上高

679,495

679,736

241

100.0%

(参考)売上高-会計

基準変更影響額概算

△58,400

△58,400

(参考)売上高-会計

基準変更影響を除く

679,495

738,136

58,641

108.6%

営業利益

27,197

29,430

2,233

108.2%

経常利益

29,886

32,626

2,739

109.2%

親会社株主に

帰属する当期純利益

19,011

17,509

△1,501

92.1%

 

 セグメント別の経営成績及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 

  2022年3月期 売上高・営業利益                            (単位:百万円)

 

売上高

営業利益

実績

前期差

実績

前期差

製粉事業

313,519

(329,119)

27,720

(43,320)

8,587

2,270

食品事業

182,968

(213,368)

△31,741

(△1,341)

12,411

△2,939

中食・惣菜事業

138,384

(150,684)

△4,362

(7,937)

3,141

1,863

その他

44,864

(44,964)

8,624

(8,724)

5,160

919

調整

129

119

連結計

679,736

(738,136)

241

(58,641)

29,430

2,233

   (注1)売上高はセグメント間取引消去後です。

   (注2)売上高は( )内に会計基準変更影響を除いた数値を記載しております。

   (注3)営業利益の調整額はセグメント間取引消去等です。

 

 

1) 製粉事業

                                             (単位:百万円)

 

2021年3月期

2022年3月期

前期差

前期比

売上高

285,798

313,519

27,720

109.7%

(参考)売上高-会計

基準変更影響額概算

△15,600

△15,600

(参考)売上高-会計

基準変更影響を除く

285,798

329,119

43,320

115.2%

営業利益

6,317

8,587

2,270

135.9%

 

 国内製粉事業につきましては、徐々に経済活動が正常化に向かう中、市況は回復傾向にありますが、依然として厳しい市場環境が継続しております。そのような中、拡販への取組みにより、出荷は前年を上回りました。また、昨年4月に輸入小麦の政府売渡価格が5銘柄平均で5.5%、10月に同19.0%引き上げられたことを受け、それぞれ昨年6月及び12月に業務用小麦粉の価格改定を実施しました。

 海外製粉事業につきましては、小麦相場の上昇や為替換算の影響等により売上げは前年を上回りました。

 この結果、製粉事業の売上高は、収益認識会計基準適用の影響による売上高減少はあったものの、3,135億19百万円(前期比109.7%)となりました。営業利益は、豪州製粉事業で新型コロナウイルス感染症に伴うサプライチェーンの混乱等の影響による業績悪化があったものの、米国製粉事業の業績好調や国内製粉事業における副産物のふすま販売価格の堅調な推移により85億87百万円(前期比135.9%)となりました。

 

2) 食品事業

                                             (単位:百万円)

 

2021年3月期

2022年3月期

前期差

前期比

売上高

214,710

182,968

△31,741

85.2%

(参考)売上高-会計

基準変更影響額概算

△30,400

△30,400

(参考)売上高-会計

基準変更影響を除く

214,710

213,368

△1,341

99.4%

営業利益

15,350

12,411

△2,939

80.9%

 

 加工食品事業につきましては、家庭用製品が前年の大幅な出荷伸長の反動により出荷減となった一方で、業務用製品の需要が回復傾向にあり、また海外でのプレミックスの出荷は好調に推移しましたが、加工食品事業の売上げは収益認識会計基準適用の影響等により、前年を下回りました。なお、輸入小麦の政府売渡価格改定に伴う業務用小麦粉の価格改定を受け、昨年7月及び本年1月に小麦粉製品等の価格改定を実施しました。また、相場高騰による原材料コストの上昇等を受け、昨年9月及び本年2月にパスタ、パスタソース等、同2月に冷凍食品の価格改定を実施しました。

 酵母・バイオ事業につきましては、診断薬原料・培養用基材等の出荷増により、売上げは前年を上回りました。なお、インドの子会社であるOriental Yeast India Pvt. Ltd.において建設中のイースト新工場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により工事は遅延しましたが、本年夏頃からの本格稼働を目指しております。

 健康食品事業につきましては、医薬品原薬の出荷減により、売上げは前年を下回りました。

 この結果、食品事業の売上高は、収益認識会計基準適用の影響による売上高減少もあり、1,829億68百万円(前期比85.2%)となりました。営業利益は、加工食品事業の海外プレミックス及び酵母・バイオ事業の診断薬原料・培養用基材等の出荷増があったものの、加工食品事業での家庭用製品の出荷減と拡販施策費の増加、商号変更に伴うブランド戦略投資、健康食品事業での医薬品原薬の出荷減により124億11百万円(前期比80.9%)となりました。

 

3) 中食・惣菜事業

                                             (単位:百万円)

 

2021年3月期

2022年3月期

前期差

前期比

売上高

142,747

138,384

△4,362

96.9%

(参考)売上高-会計

基準変更影響額概算

△12,300

△12,300

(参考)売上高-会計

基準変更影響を除く

142,747

150,684

7,937

105.6%

営業利益

1,278

3,141

1,863

245.8%

 

 中食・惣菜事業につきましては、前年の新型コロナウイルス感染症の影響から順調に回復しており、また、おせちの販売は前年に引き続き好調に推移しました。しかしながら、収益認識会計基準適用の影響により、売上高は1,383億84百万円(前期比96.9%)となりました。営業利益は販売増に加え、生産性改善効果等により、31億41百万円(前期比245.8%)と前年を大幅に上回りました。

 また、中食・惣菜事業の全体最適を考えた機動的な戦略判断を行うとともにマネジメントの一層の強化を図るため、本年7月に中食・惣菜事業を統括する中間持株会社を設立することを、本年4月に決定しました。今後は中間持株会社が中心となり、傘下子会社の経営資源の有効活用や各社の経営管理・戦略立案への関与・支援を行うとともに、リスク管理・ガバナンスの強化等、競争力ある事業体制を構築してまいります。

 

4) その他事業

                                             (単位:百万円)

 

2021年3月期

2022年3月期

前期差

前期比

売上高

36,240

44,864

8,624

123.8%

(参考)売上高-会計

基準変更影響額概算

△100

△100

(参考)売上高-会計

基準変更影響を除く

36,240

44,964

8,724

124.1%

営業利益

4,240

5,160

919

121.7%

 

 エンジニアリング事業につきましては、主力のプラントエンジニアリングにおける大型工事が進捗し、売上げは前年を大きく上回りました。

 メッシュクロス事業につきましては、太陽光パネル向けスクリーン印刷用資材、水素製造装置用メッシュクロス及び自動車部品向けの化成品の出荷増により、売上げは前年を上回りました。

 ペットフード事業につきましては、2021年3月末で受託生産を終了しております。

 この結果、その他事業の売上高は448億64百万円(前期比123.8%)、営業利益は51億60百万円(前期比121.7%)となりました。

 

② 当連結会計年度の財政状態の概況及び分析

                                       (単位:百万円)

 

2021年3月期

2022年3月期

前期末差

流動資産

238,674

280,527

41,852

固定資産

448,740

442,546

△6,193

資産合計

687,415

723,073

35,658

流動負債

108,740

129,158

20,417

固定負債

133,900

133,272

△627

負債合計

242,640

262,430

19,790

純資産合計

444,774

460,643

15,868

負債純資産合計

687,415

723,073

35,658

 

 当連結会計年度末における資産、負債、純資産の状況は以下のとおりです。

 

 流動資産は2,805億27百万円で、受取手形、売掛金及び契約資産の増加や棚卸資産の増加等に伴い、前期末に比べ418億52百万円増加しました。固定資産は4,425億46百万円で、保有している投資有価証券の評価差額金の減少等に伴い、前年度末に比べ61億93百万円減少しました。この結果、資産合計は7,230億73百万円で前年度末に比べ356億58百万円増加しました。

 また、流動負債は1,291億58百万円で、支払手形及び買掛金の増加等に伴い、前年度末に比べ204億17百万円増加しました。固定負債は1,332億72百万円で、繰延税金負債の減少等に伴い、前年度末に比べ6億27百万円減少しました。この結果、負債合計は2,624億30百万円となり、前年度末に比べ197億90百万円増加しました。純資産合計は親会社株主に帰属する当期純利益による増加、配当金の支出による減少、その他の包括利益累計額の増加等により、前年度末に比べ158億68百万円増加し、4,606億43百万円となりました。

 

③ 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

                                        (単位:百万円)

 

2021年3月期

2022年3月期

前期差

営業活動によるキャッシュ・フロー

49,506

41,833

△7,672

投資活動によるキャッシュ・フロー

△17,105

△15,517

1,588

フリー・キャッシュ・フロー

32,400

26,316

△6,084

財務活動によるキャッシュ・フロー

△31,264

△17,850

13,414

現金及び現金同等物に係る換算差額

1,466

1,110

△356

現金及び現金同等物の増減額

2,602

9,576

6,974

現金及び現金同等物の期末残高

59,152

68,728

9,576

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前当期純利益307億73百万円、減価償却費230億54百万円等による資金増加が、売上債権及び契約資産の増加、法人税等の支払等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは418億33百万円の資金増加(前連結会計年度は495億6百万円の資金増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 合理化・省力化関連の投資を中心に、有形及び無形固定資産の取得に186億83百万円を支出したこと等により、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは155億17百万円の資金減少(前連結会計年度は171億5百万円の資金減少)となりました。

 

 以上により、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、263億16百万円の資金増加(前連結会計年度は324億0百万円の資金増加)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 短期借入金の返済により23億69百万円を支出したこと及び株主の皆様への利益還元といたしまして配当に116億2百万円を支出したこと等により、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは178億50百万円の資金減少(前連結会計年度は312億64百万円の資金減少)となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は687億28百万円となりました。

 

② 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度末の有利子負債(リース債務含む)残高は813億円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループの資金は、当面充分な流動性を確保しております。

 当社グループは、持続的成長に向けて、設備投資、M&A、人材育成、技術開発等の戦略投資を今後さらに積極的に加速させると同時に、株主還元につきましては、「当社創業以来の価値観」を共有して下さる株主の皆様に長期的スタンスで安定的に利益還元を行ってまいります。具体的には、連結ベースでの配当性向の基準を40%以上とし、自己株式取得等はキャッシュ・フローや戦略的な投資資金需要を勘案した上で機動的に行ってまいりたいと考えております。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。

 そのための資金は、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら、内部及び外部の両財源より調達してまいります。内部からの資金捻出は、既に導入しておりますキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を利用した国内連結子会社の資金の一元管理、及び政策保有株式の縮減を含めた資産の圧縮に引き続き取り組むことにより、外部からは当社グループの健全な財務体質を背景に有利子負債等により、調達してまいります。

 

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

a  生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

増減率(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

製粉

274,459

303,040

10.4

食品

111,746

107,855

△3.5

中食・惣菜

133,118

130,603

△1.9

その他

19,407

14,222

△26.7

合計

538,732

555,720

3.2

 (注)1 金額は、期間中の平均販売価格等により算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b  受注実績

 重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。

 

c  販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

増減率(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

製粉

285,798

313,519

9.7

食品

214,710

182,968

△14.8

中食・惣菜

142,747

138,384

△3.1

その他

36,240

44,864

23.8

合計

679,495

679,736

0.0

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱ファミリーマート

102,941

15.1

98,473

14.5

 

 主要な原材料価格及び販売価格の変動については「(2) 財政状態及び経営成績の状況及び経営者の視点による認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。

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