課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針及び経営戦略

当社グループは、「小麦製粉事業及び、その関連事業を通じて、食糧供給の一翼を担い、社会や人々に貢献してゆく企業を目指します」との企業理念のもと、2021年度から2024年度までの4か年を対象とした新たな中期経営計画『2024中期経営計画“New Foundation for the Future”』を策定しました。

新中期経営計画では、市場、経済、環境、DX等の変化に対応しつつ、更なる成長のための「ゆるぎない土台」となる事業基盤を構築し、2024年度の「連結経常利益 56億円/連結純利益 40億円/連結ROE 8.0%」を実現するために、下記5つの《重点戦略》に取り組んでおります。

 

  《重点戦略》
    ⅰ)成長を支える設備・人財投資
     ⅱ)グループ経営基盤及び連携の強化
     ⅲ)海外ミックス粉事業の面展開と小麦粉の輸出拡大

     ⅳ)美味しさと健康を軸とした製品ラインナップの拡充

     ⅴ)「主食を通じた食と健康の課題解決」につながる新規事業機会の創出

 

また、「製粉事業のプロフェッショナルとして、お客様とともに成長し、社会にとってなくてはならない存在となります」をビジョンとして掲げ、安全で安心な製品の安定供給と、美味しさと健康を基軸とした商品提案により、お客様からもご評価いただけるよう事業活動を進めて参ります。

さらに、企業の社会的責任である「SDGs(持続可能な開発目標)」においては、サステナビリティ重要課題として「自然環境の保全」「持続可能な調達・供給の実現」「社会課題の解決」「地域・コミュニティーとの共生」「魅力ある職場の実現」「地域課題への対応と解決策の提供」を掲げ全社で取り組むとともに、食品安全マネジメントシステムの国際規格である「FSSC22000」及び環境マネジメントシステム「ISO14001」を活用し、食品安全の向上と環境保全に努めて参ります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

製粉及び食品事業は、人口減少や少子高齢化等の社会構造の変化にともない、小麦粉の国内需要の今後の拡大に期待することは難しく、消費者の節約志向も続いております。また、海外との経済連携協定の発効により小麦粉製品の関税も撤廃・削減されており、コスト競争力の強化が求められております。一方、アジア諸国では加工食品の生産基地化が進むとともに、食生活の多様化によりミックス粉の需要が拡大しております。

また、昨夏の北米での高温・乾燥による米国・カナダ産小麦の不作や、米国・カナダ・豪州の日本向け産地における品質低下、ロシアの輸出規制、ウクライナからの供給停止により、穀物相場は変動し、小麦等の原材料調達価格が大きく影響を受けております。

さらに、新型コロナウイルス感染症が収束しつつあるなか、食品業界においても、ウイズコロナやコロナ収束後の新しい生活様式の中での食形態へ変化が進んでいるものと考えます。当社は全従業員が健康管理に最善を尽くし、製品の安定供給という社会的使命を果たして参ります。

 

 ①中核事業のシェアーアップ

当社グループの中核事業である、小麦粉及びミックス粉のシェアーアップを図って参ります。従来より展開している「組織の壁を越えて営業基盤の拡大を図れ」を基本方針として、製造・販売・研究開発が一体となった新製品開発や提案型営業に全社員のベクトルを揃えるとともに、積極的な営業活動を図り新規顧客開拓を促進して参ります。

 ②環境問題への取り組みと安全・安心に係わる体制の強化

当社は、国内全工場において取得した食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」と環境マネジメントシステム「ISO14001」を効率的に運用し、食品安全と品質管理の徹底及び、環境負荷の低減に努めて参ります。

 

 ③ローコストオペレーションの推進

製造、販売、物流等あらゆる分野で業務を見直すことによりローコストオペレーションを推進するとともに、生産設備、管理システムでの自動化技術やIT技術の活用等、事業インフラ基盤を強化するための投資を積極的に行って参ります。

 ④内部統制の強化及びコンプライアンスの徹底

内部統制システムを通して財務報告の信頼性を確保するとともに、コンプライアンスの徹底によりリスクや環境変化に強い組織を構築して参ります。

 ⑤企業グループのシナジー極大化

三菱商事㈱の国内外のバリューチェーンの活用や㈱増田製粉所とのシナジーの極大化を図って参ります。

外食事業を展開している㈱さわやかにつきましては、製粉及び食品事業とのシナジー効果が期待できるKFC店において、店舗運営の効率化をさらに推進し業容の拡大に努めるとともに、不採算店の整理、新店舗の出店をバランス良く展開して参ります。

運送事業を行っている日東富士運輸㈱につきましては、環境問題や乗務員教育への取り組みを通して物流企業としての品質向上に努めて参ります。また、㈱増田製粉所からの配送網を整備する等、グループ一体となった運営により経営の効率化を図って参ります。

 ⑥海外事業の展開

三菱商事㈱と共同で設立したミックス粉の製造・販売会社NITTO-FUJI INTERNATIONAL VIETNAM CO., Ltd.は、2007年5月に生産を開始しましたが、順調に販売量が増加したことから2012年には設備の増強を図り、製品の安定供給体制を整えております。また、2018年11月にはタイにおいてもミックス粉の製造・販売会社Nitto Fuji International (Thailand) Co., Ltd.を設立し、本格稼働しております。アジア地域へ製造拠点の移転が進む日系冷凍食品メーカー等へ、高品質で競争力のあるミックス粉を安定的に供給することにより、アジア市場における事業の拡大にも努めて参ります。

 

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