以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要な事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられるものについては、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらの事項が発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクの全てを網羅するものではありませんのでご留意ください。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、本項における将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループは、人材紹介事業及び求人広告事業を行っているため、多数のご登録者(職業紹介希望者、求人案件応募者等)の個人情報を有しております。各規程等の遵守違反、不測の事態等により個人情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や、社会的信用の失墜等により、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
このリスクに対応するため、当社グループでは、人材関連事業に関わる企業の果たすべき責任として「個人情報保護に関する法令、規範」に基づき個人情報保護方針(プライバシーステートメント)を策定し、役員及び社員への徹底、技術面及び組織面における合理的な予防・是正措置を講じております。また、当社は2006年度に「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項JIS Q15001」に基づくプライバシーマークを取得し、以後、2年毎に審査を受けて更新を実施しております。また、当社コンプライアンス室が中心となって、会社関係者全員に対して定期的な教育・指導及び必要な対策を実施し、当社監査室が随時管理状況をチェック・監査しております。
当社取締役最高顧問田崎忠良が理事長に就任している公益財団法人Tazaki財団との取引は以下のとおりであります。
・連結財務諸表提出会社と公益財団法人Tazaki財団との取引
当連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
(3) 特定人物への依存、及び株主、取締役としての影響力について
当社の取締役最高顧問である田崎忠良は当社グループの創業者であり、また、取締役会長兼社長である田崎ひろみは当社グループの中核事業である人材紹介事業の事業責任者を長年に渡って務めてまいりました。両氏は現在においても経営方針と事業戦略の決定、その実行等において重要な役割を果たしております。また当連結会計年度末現在、合計で当社株式の総議決権の38.42%を保有しており、当社の取締役の選任・解任、配当決定等の株主総会の承認を要する事項に大きな影響力を有しています。このため、何らかの理由により両氏が当社グループの業務を遂行することができなくなった場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたす可能性があります。
このリスクに対応するため、当社は幹部社員の育成と情報共有、権限委譲を進め、当事業年度においては経営上の意思決定は、両氏及び代表取締役副社長服部啓男、取締役山田広記、取締役松園健、取締役東郷重興、取締役加瀬豊、取締役ギュンター・ツォーンの取締役計8名で構成される取締役会において決定してまいりました。また、取締役会には社外監査役4名が出席し、取締役会の意思決定等に関して恣意的な判断がされていないかどうか等を監視するガバナンス体制を構築してまいりました。また、本報告書提出日現在において、当社は監査等委員会設置会社に移行しており、東京証券取引所所定の独立役員4名を含む監査等委員でない取締役9名と、全員が同独立役員の監査等委員である取締役3名で構成される取締役会により、一層のガバナンス強化を図っております。
(4) 当社の海外展開について
JRIは有料職業紹介事業を主として、本報告書提出日現在においてはアジア諸国を中心に10ヶ国に連結子会社を展開しておりますが、今後、各国・地域の政治・経済情勢、及び法規制、外資規制、税制の変化等様々な要因により、計画した事業運営ができず、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。また、当社グループの収益は、主として外国為替相場における日本円と当社グループ各社が進出している国々の通貨の価格変動によって影響を受けます。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されるため、換算リスクという形で為替変動の影響を受けることになります。
このリスクに対応するため、当社は安全性と採算性の観点から各国における事業規模の縮小及び撤退について速やかに検討及び実行ができる体制を整えております。
なお、在外連結子会社の主要な事業内容等は以下のとおりであります。
2021年12月31日現在
(5) 法的規制について
当社グループは、国内における有料職業紹介事業者としての許可を、株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント、株式会社 JAC International、株式会社シー・シー・コンサルティング、並びに株式会社バンテージポイントの各社がそれぞれに厚生労働大臣から受けております。当該許可の期限は、株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメントが2025年9月30日、株式会社 JAC Internationalが2024年7月31日、株式会社シー・シー・コンサルティングが2026年6月30日、株式会社バンテージポイントが2025年5月31日となっており、それ以降につきましては各社とも5年毎の許可更新が必要となります。また、当社グループの有している国内における有料職業紹介事業者の許可の取消については、職業安定法第32条の9に欠格事項が定められております。現時点において認識している限りでは、当社グループは法令に定める欠格事由(法人であって、その役員のうちに禁錮以上の刑に処せられている、成年被後見人もしくは被補佐人又は破産者で復権を得ないもの等に該当する者があるもの)に該当する事実を有しておりません。しかしながら将来、何らかの理由により許可の取消等が発生した場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
このリスクに対応するため、当社ではコンプライアンス室と社員教育担当チームが中心となって企画・運営している各種コンプライアンス教育によって役職員の意識向上に努めております。また、本報告書提出日現在において、当社は監査等委員会設置会社に移行しており、監査等委員会及び内部監査室が中心となり、役職員の職務上の法令違反については常時監視する体制を整えております。
当社グループは、国内においては職業安定法を遵守し有料職業紹介事業を行っております。当該法規の改正等により将来法的規制が強化された場合には、当社グループの事業に制限が加わる可能性があります。
このリスクに対応するため、当社では業界団体である一般社団法人日本人材紹介事業協会、当社の法律顧問である弁護士事務所等を通じて最新の情報収集に努めております。
人材紹介事業及び求人広告事業においては、その事業の性格上、ご登録者の確保が非常に重要であることから、当社グループでは、ご登録者をインターネット、新聞等による広告や、既登録者からの紹介等により募集しております。しかしながら、このような施策によりましても、国内における少子高齢化による将来の労働人口の減少、または労働市場の変化等によって、企業からの求人を満足させる人材が確保できない場合には、成約数の減少により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
このリスクに対応するため、当社はご登録者募集に関する専任部署を設置し、募集効率の改善をはじめ可能な限りの対策を講じております。
人材紹介事業においては、当社グループから求人先企業にご登録者を紹介し、就業開始をもって手数料を請求・売上計上しております。求人先企業とはご登録者を紹介する前に契約書もしくは申込書により手数料率、自己都合退職による返金の取り決めを行っております。人材紹介事業における企業間競争の激化により、この手数料率、自己都合退職による返金の取り決めに関して大きな変更があった場合には、請求金額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
このリスクに対応するため、当社グループが展開する国内人材紹介事業につきましては、請求金額変動のリスクをより受けにくい中高額年収領域を注力領域としております。
人材紹介事業においては、ご登録者が自己都合により入社後早期に退職した場合、コンサルティングフィーの一部を返金しております。将来的な雇用状況の変化等により早期自己都合退職の比率が増加した場合には、返金額の増加により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
このリスクに対応するため、当社グループの人材紹介事業においては、ご登録者の意向をもとに就業先を紹介し、求人内容、就業先の状況等を十分に説明した上で納得して就業していただけるよう心がけております。
転職市場は景気変動に伴う採用動向の変化により影響を受けます。景気が想定を超えて下降した場合には、企業の人材採用意欲の低下による成約数の減少で当社グループの業績に負の影響を与える可能性があります。
このリスクに対応するため、当社グループが展開する国内人材紹介事業につきましては、景気変動のリスクをより受けにくい中高額年収領域を注力領域としております。
人材紹介事業においては、退職者が内密に当社グループ取引先企業及びご登録者と接触することで、当社グループの人材紹介事業を妨げる可能性があります。
このリスクに対応するため、当社グループでは、取引企業及びご登録者の当社グループ担当者を複数化すること及び退職時の業務引き継ぎ徹底により、営業上の損害が発生しない体制を取っております。
労働時間・環境の管理についての労働基準監督署等の調査の結果、当社グループに違反等が認められ、当社グループが行政指導を受けた場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
このリスクに対応するため、当社では人事チームと毎月各拠点で開催される衛生委員会を中心に、また国内当社グループ全体においても監査室による業務監査を通じて、過重労働、サービス残業の撲滅に取り組んでおります。
当社グループは、2013年12月に株式会社シー・シー・コンサルティング、2018年3月にJRI、また2020年1月に株式会社バンテージポイントを連結子会社としたことに伴い、のれんを計上しております。景況の悪化や業績が想定どおり進捗しない等の理由により収益性が低下した場合には、のれんの減損損失計上により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このリスクに対応するため、当社では当社取締役が連結子会社の取締役にも就任して経営参画しているほか、当社執行役員も連結子会社の取締役会に陪席するなどして、可能な限り相互のシナジーを醸成し、グループとしての利益と成長を担保する努力をしております。
当社グループは、国内外の事業運営において情報システムと通信ネットワークを多用しているため、災害やハードウエア・ソフトウエアのシステム障害、悪意ある第三者による不正アクセス等が生じた場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績にも大きな影響を与える可能性があります。また、当社グループは情報システムと通信ネットワークのメンテナンスを社外に一部委託しているため、これらに不具合が発生した際は自身で対処できない可能性があります。
このリスクに対応するため、当社グループでは情報システムと通信ネットワークの冗長化構成と地理的分散に努めているほか、当社グループの情報システム全体を統括する当社情報システム部の体制強化を推進しております。
(14)国内人口の減少について
当社グループは現状、収益の大半を国内関連事業であげておりますが、国内人口は今後継続的に減少していくことが見込まれ、これに伴い当社グループが事業を展開している国内市場も縮小していくことが予想されます。
このリスクに対応するため、当社は海外事業の拡大、国内関連事業の市場シェア向上及び収益性の改善等を通じて、さらなる成長に努めております。
(15)自然災害、有事及び未知の感染症(新型コロナウイルス感染症を含む)等について
地震、台風、津波等の自然災害、または火災、停電、テロリズム、戦争、未知の感染症(新型コロナウイルス感染症を含む)等が発生した場合には、外出制限による事業活動の停滞、従業員の全面的な在宅勤務への移行等で当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績にも大きな影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対応するため、当社グループでは大規模災害に備えた防災マニュアルを整備し事業資産の地理的分散管理に努めているほか、在宅勤務移行時に必要となる情報システムの構築を完了し、維持しております。また、このような事態が発生した場合には、当社グループ社員とその家族並びに顧客各位の健康と安全の確保を第一優先として対応することを当社取締役会において確認しております。
お知らせ