課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、広告業を通して「地域社会への貢献」を理念に、地域経済の活性化のために社会貢献することで発展し続けていくことを目指しております。そのためには、持続的な成長と安定的な収益確保の両立を重視しております。これらを通して企業価値を高め、長期に亘って地域社会、顧客、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応えてまいりたいと考えております。当社が定める経営原則及び理念等は以下のとおりです。

① 経営原則

我々は、あらゆる地域で、ローカルな事業を営み、グローバルな企業を目指します。

セールスプロモーション事業とメディア事業を通じ、地域住民の豊かさと、顧客の事業展開に尽くし「地域社会への貢献」につとめます。

企業の成長に必要で適正な利潤を得ることにより、従業員と株主に、個人の目的を達成する喜びを与えます。

② 理念

地域社会への貢献

③ 社是

人が命・人が宝・人が財産
機会損失の排除

④ 社訓

飲水不忘掘井人

当社は、1978年5月に中日新聞の広告代理店として設立し、広告セールスプロモーション事業を展開してまいりました。1994年に地域フリーマガジン『Kanisan club』を創刊し、自社媒体(メディア)を有する広告会社に業態転換いたしました。以来、新規創刊や増刷及びVC※契約などにより発行部数及び発行エリアを拡大することで、自社メディア事業を強化し収益基盤を安定させることを経営方針としてまいりました。

※ VC契約とは

Voluntary Chain(ボランタリー・チェーン)契約。お互いの自由度を認めながら各戸配布型の無料情報誌をハッピーメディア(R)「地域みっちゃく生活情報誌(R)」ブランドで発行します。この契約により、当社はVC加盟契約先企業より、商標使用料及び編集サイト(C-side)の使用料を得ております。VC契約を推進する目的は、当社のフリーマガジンの考え方(地域みっちゃく・厳格な掲載基準・正確な配布部数)に賛同する企業とともにフリーマガジン事業を全国展開することで、地域経済の活性化に貢献するとともに、全国規模の広告インフラを迅速に整備することです。これにより当社は、広告媒体のスケールメリットを生かした提案営業を展開し、ナショナルスポンサーをはじめ、より多くの広告主を獲得し、収益拡大に繋げてまいります。

 

(2)経営環境・経営戦略等

当社グループは、「地域経済への貢献」という理念に基づき、1994年のフリーメディア事業開始以降、全国のご家庭に、地域の生活情報が満載の安心安全なフリーメディアをお届けすることを経営目標としています。フリーメディア事業における主力商品の「地域みっちゃく生活情報誌(R)」は、2012年のVC事業開始もあり、29道府県/134誌/月間発行部数1,000万部以上を誇る、国内では比類のないポスティング型フリーマガジンとなっており、今後とも、直営およびVC加盟社における発行エリアの全国展開をすすめてまいります。

当社主力のメディア広告事業を取り巻く経営環境は、フリーマガジン発行事業において、広告業界における安価なインターネット広告へのシフト、いわゆるデジタルシフトが続く中、旧来の紙の広告メディアにおいて雑誌や新聞の長期的な減少が継続しており、当社主力のフリーマガジン広告においても広告出稿の減少が続いている状況です。こうした中、当社グループは、紙の広告メディアのもつ優位性にこだわり、地域フリーマガジンの発行エリア拡大を図るとともに県内世帯到達率を高めることで、行政機関を含め、発行エリアの飲食・教育・美容や不動産等の広告主を網羅するエリア広告として定着を図るべく取り組んでまいりました。当連結会計年度末時点の状況は29道府県134誌、月間総発行部数は1,032万部となっており、地域住民を購読対象とした毎月各戸配布型の無料の紙メディアとして競合他社に対する競争優位性を確立していると考えております。

なお、2022年4月の東京証券取引所の市場区分変更において、当社は、2021年6月末の基準日時点の上場基準にかかる自社の数値に準じて、スタンダード市場への上場を選択いたしました。上場基準が高いプライム市場の数値基準を可能な限り早期に達成することが、業績や市場評価にかかる中期的な数値目標と認識しております。

当社グループは、次期(45期)テーマ「DX時代を駆け抜けろ!」のもと、お得なクーポンアプリ「フリモ」の情報量や利便性の向上、求人情報「まちJOB」や全国各地の特選お取り寄せ「フリモール」の強化など、ポスティング型紙媒体とWebの共創による自社メディア価値の向上に加えて、官公庁営業の強化による行政との地域課題解決にかかる諸施策の協働や、地域広告主の経営課題解決に資する「DX商材」の充実などを図り、地域経済の活性化や課題解決を通じた当社グループの収益力の向上を図ってまいります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 事業の拡大と収益力の向上

当社グループは、前述のとおり地域フリーマガジンの直営およびVC加盟社における発行エリアの全国展開をすすめるとともに、「フリモ」アプリの情報量や利便性の向上、求人情報「まちJOB」や全国各地の特選お取り寄せ「フリモール」の強化など、ポスティング型紙媒体とWebの共創による自社メディア価値の向上に加えて、官公庁営業の強化による行政との地域課題解決にかかる諸施策の協働や、地域広告主の経営課題解決に資する「DX商材」の充実などを図ることで、地域経済の活性化や課題解決を通じた当社グループの収益力の向上を図ってまいります。

② DX化の強化推進

当社グループは、メディア広告事業の地域フリーマガジンを国内全ての都道府県において発行する目標に対し、新規顧客の開拓と既存顧客へのアプローチを図るためには営業人員の増強が必要な中、慢性的に不足しているのが現状であり、デジタルトランスフォーメーション推進による業務効率の向上が最優先課題であると考えております。この課題に対応するため、当社グループは主に営業人員の事務負担軽減を主軸とした営業支援システムの開発やフリモWEB版・「フリモ」アプリのアクセス解析、マーケティング・オートメーションツールやRPA(Robotics Process Automation)の活用等により更なる生産性向上を図るとともに、前述のポスティング型紙媒体とWebの共創や、地域広告主の経営課題解決に資する「DX商材」の充実などを図ることで、地域のDX化の取り組みを更に推進してまいります。

③ コストの削減

当社グループの主力商品である地域フリーマガジンは、印刷用紙代や配布コストの上昇に晒されております。それに対応すべく当社グループは、継続的にコスト削減を徹底しており、具体的には印刷会社に発注する印刷用紙代を含む印刷費用の洗い直し、配布の内製化に加え、拠点運営経費等の販売費及び一般管理費の削減等を行ってまいります。

④ 人的リソースの確保及び育成

当社グループは、営業戦力となる人員の確保を図るため、新卒採用に加え随時中途社員の採用を図っております。当社は従業員評価の適正化を図るため、従業員の目標設定及び人事査定方法の明確化を実施するとともに、OJTを中心とした徹底した社員教育により営業戦力となる人員育成を図ってまいります。

⑤ CSV活動

当社グループは、「地域社会への貢献」の理念のもと、主要な地域フリーマガジン発行エリアにおけるCSV(Creating Shared Value)活動として、「児童虐待防止・189(いちはやく)啓発」の継続的な取り組みや、地元の民間活力で小中学校でのキャリア教育を支援する

など、当社グループの地域フリーマガジンの媒体特性(高い県内世帯カバー率)を活かした地域課題解決の取り組みを主体的に実施してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは経営上の目標を示す客観的な指標(KPI)として、月間発行部数、売上高、営業利益、売上高営業利益率を目標数字として業績管理しております。当社グループは当面の目標としていた地域フリーマガジンの月間発行部数1,000万部を達成し、今後、全国5,000万世帯にお届けすること、上場基準が高い東京証券取引所プライム市場の数値基準を可能な限り早期に達成することを、業績や市場評価にかかる中期的な数値目標と認識しており、その目標達成のための中期的な目標として、売上高10,000,000千円、営業利益1,000,000千円、売上高営業利益率10%を目指します。

 

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