業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

1) 経営成績の状況

  当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大により経済活動が繰り返し制約を受 けたことに加え、エネルギー価格や原材料価格などの上昇により、厳しい経営環境にて推移しました。また、ロシ ア・ウクライナ情勢に端を発する地政学リスクの高まりでエネルギー・原副材料の供給に影響を及ぼし、先行きは 不透明な状況となっております。

  菓子・食品業界におきましても、コロナ禍において消費者の生活様式や消費行動が変化し、原副材料の高騰や、 物流費、動燃費等の上昇により、予測が難しい経営環境が続いております。

  このような状況のもと当社グループは、変容する新常態に対応した事業運営を行うため新中期3カ年計画「Be Resilient 2023 ~新しい時代をしなやかに生きる~」を期首に策定し、新しい時代に生き残っていく変革テーマ を「バランス経営」と定め、持続可能な「継栄」を目指しております。

 

  また、新中期3カ年計画ではESG経営・SDGs活動を経営戦略の中核に定めるとともに、2023年度末の非財務指標 を設定し、温室効果ガス排出削減 2013年度比 35%減、国内事業廃棄物量削減 2019年度比 50%減、女性管理職比率 15%以上を数値目標として、活動を進めております。

  初年度となる2021年度は活動方針として

    ①ニューノーマル(新常態)に対応した新価値創造への挑戦

    ②「おやくだち」企業としての社会との共生

    ③次世代の人財育成と活気ある企業風土の醸成

    を掲げ、生産性向上や働き方改革により収益構造の強化に取り組みました。

 

 当社グループの売上高は、井村屋株式会社において冷菓カテゴリーや食品カテゴリーが好調に推移しました。冬 物商品においても付加価値の高い「肉まん・あんまん」商品の販売戦略を強化し、売上は前期を上回りました。 BtoB事業の井村屋フーズ株式会社では家庭内食に係るOEM受託商品の売上が伸長しました。また、米国でアイス事 業を展開しているIMURAYA USA, INC.(以下「IMU」と記載)では日本から輸入した井村屋商品の売上が増加しまし た。

  その結果、連結売上高は421億51百万円となりました。

  コスト面では、グループ全体で取り組んでいる食品ロス削減活動や継続した生産性向上活動の効果により、売上 原価が低減しました。また、井村屋フーズ株式会社に建設した新スパウチ工場が順調に稼働しました。

  その結果、営業利益は前期比9億51百万円(126.3%)増の17億4百万円、経常利益は前期比11億53百万円 (125.2%)増の20億75百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比8億15百万円(124.1%)増の14億73百 万円となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに過去最高の業績となりました。

  なお、当社グループでは、2021年4月より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31 日)等を適用しております。このため、当連結会計年度における経営成績に関して、売上高については前連結会計 年度と比較した増減額及び前期比(%)を記載せずに説明しております。この結果、当連結会計年度における売上 高については、適用前の計上方法と比較して、33億15百万円減少しております。

  当連結会計年度の連結売上高を従来の会計基準で比較すると前期より7.9%増加し、過去最高の売上高となって おります。

 

  各セグメントの概況は次のとおりであります。

 

① 流通事業

  流通事業(BtoC事業)の中心となる井村屋株式会社では「あずきバー」シリーズが年間を通じて好調に推移し、 売上本数は前期比102.7%の3億本を達成し、過去最高の売上本数となりました。BtoB事業の井村屋フーズ株式会 社では、スパウチ商品の受注が順調に推移しました。また、IMUでは日本からの輸入商品の売上が増加しました。   

  以上の結果、流通事業の売上高は376億56百万円となり、セグメント利益は前期比12億17百万円(91.6%)増の 25億47百万円となりました。

  流通事業におけるカテゴリー別の概況につきましては以下のとおりです。

 

  (菓子カテゴリー)

    あずきの煮汁を有効活用した「煮あずき製法」による健康志向で機能性の高い「片手で食べられる小さなようか ん」や防災用商品の「えいようかん」が順調に推移しました。また、専門店のような出来立ての美味しさをコンセ プトにした冷凍和菓子シリーズも好評をいただき、「4コ入大福(つぶあん)」「4コ入きなこおはぎ(つぶあ ん)」「4コ入あん入黒糖わらび餅(こしあん)」「4コ入あったか餅入ぜんざい」の売上が伸長しました。ま た、海外市場においても、IMUでは井村屋株式会社及び井村屋(大連)食品有限公司(中国)から輸入したカステ ラの売上が増加しました。

    以上の結果、菓子カテゴリーの売上高は51億24百万円となりました。

 

  (食品カテゴリー)

    和風スイーツとして好評をいただいている「カップおしるこ」「レンジで簡単おしるこ」「レンジで簡単ぜんざ い」が引き続き好調に推移しました。「冷凍パックまん」では、「4個入冷凍パックまん」シリーズや「ゴールド まん」シリーズが伸長し、新商品の「井村屋謹製 餡ぱん」「井村屋謹製 カリーぱん」コレステロールゼロの 「2コ入 大豆ミートまん」も好評をいただき売上が増加しました。また、井村屋フーズ株式会社の食品加工事業 では新スパウチ工場が昨年3月より本格稼働し、新規受注も増え順調に推移しました。

    以上の結果、食品カテゴリーの売上高は69億46百万円となりました。

 

  (デイリーチルドカテゴリー)

   「豆腐類」では長期保存が可能な「大豆屋和蔵 大豆ッ子」が順調に推移し、賞味期間180日間を実現した新商品 「美し豆腐 LONG SHELF LIFE 180」も発売、売上が増加しました。「チルドパックまん」は販売方法の改革に取り 組み、売上は減少しましたが、収益面の改善が図られました。

    以上の結果、デイリーチルドカテゴリーの売上高は19億33百万円となりました。

 

  (冷菓カテゴリー)

    冷菓商品は、主力商品の「BOXあずきバー」シリーズ、「北海道あずきバー」が好調に推移し、「あずきバー」 各種合計は過去最高の売上本数となりました。ボールアイスでは「メロンボールkids」が売上を伸ばしました。ま た、「やわもちアイス」シリーズの「やわもちアイス 大学いも味」や新商品「ごろろん果肉 アップルパイバ ー」、「ガトーショコラアイス」なども好評をいただき売上に貢献しました。IMUでは、「やわもちアイス」など 日本からの輸入商品の売上が増加しました。また、マレーシアのIMURAYA MALAYSIA SDN.BHD.(IMM)では「あずき バー」シリーズの特徴を生かしつつ、現地向けに対応した「AZUKI BAR(RED BEAN)・(MATCHA)・(MILK)」の 3品種を発売し、販売店舗数の増加に向け活動を強化しております。

    以上の結果、冷菓カテゴリーの売上高は146億75百万円となりました。

 

  (点心・デリカテゴリー)

   「肉まん・あんまん」などの点心・デリカテゴリーは、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響もあ りましたが、付加価値の高い商品が好評をいただき、コンビニエンスストアを中心とする売上は、前年を上回りま した。

  以上の結果、点心・デリカテゴリーの売上高は84億90百万円となりました。

 

  (スイーツカテゴリー)

    スイーツカテゴリーでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける中、各店舗で品質管理と感染防止対策を 徹底し、お客様満足の向上に努めました。各店舗の客数も回復傾向となり、売上は前年を上回りました。その中で も「La maison JOUVAUD(ラ・メゾン・ジュヴォー)広尾店」では引き続きテイクアウト商品の売上が増加し順調 に推移しました。

    以上の結果、スイーツカテゴリーの売上高は4億7百万円となりました。

 

  (NVCC(ew・alue・reation・ompany 新価値創造)カテゴリー)

    NVCCカテゴリーでは、国内の新規事業として、三重県の水と酒米、酵母を使用し、テロワール※に根差した日本

  酒の製造・販売を行う「福和蔵(ふくわぐら)」と、和菓子を販売する「菓子舗井村屋」の2店舗を三重県多気町

  の大型商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」内にて運営しております。「福和蔵」においては、年間を通

  じて作りたての清酒「福和蔵」を提供し(四季醸造)、三重県新酒品評会において、「福和蔵 純米酒」と2022年

  4月から数量限定で販売を開始した「福和蔵 純米大吟醸」が優等賞を受賞しました。「菓子舗井村屋」において

  も、「酒々(ささ)まんじゅう 芳醸菓」など特色のある商品を店舗にて販売し、好評を得ております。

    以上の結果、NVCC(新価値創造)カテゴリーの売上高は79百万円となりました。

 

※テロワールはワイン等の生産に関わる「土地の要素」「気候の要素」「人的要素」を総合した生産環境のことを

指し、味覚を決定する重要な要素とされています。

 

② 調味料事業

  国内では井村屋フーズ株式会社のシーズニング事業が本事業を担当し、家庭内食向けの需要増加に引き続き対応

しました。また、機能性素材も堅調に推移しました。売上も「収益認識に関する会計基準」適用前では前年対比で

増加しました。

  中国での調味料事業は新型コロナウイルス感染対策強化の影響により、中国国内の売上が減少しました。

  以上の結果、調味料事業全体の売上高は「収益認識に関する会計基準」を適用後42億88百万円となり、セグメン

ト利益は生産性向上活動によるコスト削減が図られ、6億89百万円(前期比11.6%増)となりました。

 

③ その他事業

  イムラ株式会社において井村屋商品のアウトレット販売を行っている「MOTTAINAI屋」は、感染拡大防止策を徹

底して開催し、多くのお客様に来場いただきました。また、「ソフトアイスクリーム&スイーツ店WaiWai(ワイワ

イ)」においては、JOUVAUDの人気商品「クロワッサン・ワッフル」や「カヌレ」を販売し、季節のスイーツを提

供するなど売場の活性化を図りました。

  以上の結果、井村屋グループ株式会社の賃貸事業を加えた、その他事業の売上高は2億7百万円となり、セグメ

ント利益は11百万円(前年は損失17百万円)となりました。

 

2)財政状態の状況

  当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。

  総資産は294億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ46百万円の減少となりました。流動資産は、販売増加に伴う現預金及び売掛金、棚卸資産の増加などにより、8億98百万円増の107億39百万円となりました。固定資産は、有形固定資産の減価償却などにより、9億44百万円減の186億83百万円となりました。

  負債は120億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億90百万円の減少となりました。流動負債は、短期借入金の返済などにより、8億76百万円減の103億78百万円となりました。固定負債は長期借入金及び長期リース債務の減少などにより、3億14百万円減の16億51百万円となりました。

  純資産は親会社株主に帰属する当期純利益の増加、その他有価証券評価差額金の増加などにより、11億43百万円

増の173億92百万円となりました。

その結果、自己資本比率は前連結会計年度末54.9%から59.0%へ増加しました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、10億69百万円となり、前連結会計年度末比で30百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における営業活動による資金の収入は29億11百万円となり、前連結会計年度に比べ、収入は6億59百万円減少いたしました。この減少の主な要因は、売上債権及び棚卸資産が増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における投資活動による資金の支出は9億58百万円となり、前連結会計年度に比べ、支出は3億49百万円の減少となりました。この減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における財務活動による資金の支出は20億48百万円となり、前連結会計年度に比べ、支出は3億13百万円の減少となりました。この減少の主な要因は、短期借入金の返済による支出が減少したことによるものであります。

 

 

 

4)生産、受注及び販売の実績

当連結会計年度における生産等の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

① 生産等の状況

(1) 生産実績

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

流通事業

22,756,750

131.4

調味料事業

4,743,189

104.3

消去(セグメント間取引)

△277,420

合計

27,222,519

126.0

 

(注) 1.金額は、製造原価によって示しております。

2.その他事業における生産実績はありません。

 

(2) 製品仕入実績

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

流通事業

3,200,021

93.3

合計

3,200,021

93.3

 

(注) 1.金額は、仕入原価によって示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.調味料事業、その他事業における製品仕入はありません。

 

(3) 商品仕入実績

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

流通事業

53,560

255.5

その他事業

36,605

87.3

消去(セグメント間取引)

△30,967

合計

59,197

211.2

 

(注) 1.金額は、仕入原価によって示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.調味料事業における商品仕入はありません。

4.当連結会計年度において、商品仕入実績に著しい変動がありました。これは、前連結会計年度において新型コロナウイルス感染拡大により、出店している商業施設や百貨店の要請を受け、休業や営業時間の短縮をしておりましたが、各店舗の客数が回復傾向になったことに伴い、前期に比べて増加したためであります。

 

② 受注状況

当社グループでは、流通事業及び調味料事業において一部受注生産を行っております。なお、金額は僅少のため記載を省略しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

流通事業

37,725,417

103.6

調味料事業

4,537,287

77.8

その他事業

220,470

99.9

消去(セグメント間取引)

△331,838

合計

42,151,337

100.0

 

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱日本アクセス

12,983,442

30.8

12,872,303

30.5

三菱商事㈱

4,631,804

11.0

4,715,430

11.2

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
 経営者の検討における重要な項目について当社及び連結子会社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローは、「第2〔事業の状況〕2〔事業等のリスク〕」に述べる各項目の影響を受けますが 、当連結会計年度末において当社グループの経営者は、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の項目、指標が有用であると考えます 。
 

① 売上高

  売上高は、冷菓カテゴリーや菓子カテゴリーが伸長するとともに、付加価値の高い「肉まん・あんまん」商品の販売戦略を強化しました。その結果、連結売上高は421億51百万円となりました。売上高等の詳細については「第2〔事業の状況〕3〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりですが、さらに前連結会計年度と比較した連結会計年度の事業別売上高実績を示すと下記のとおりであります。

 

 

 

企業集団の事業別売上高

 

 

 

 

 

 

   (単位:百万円)

 
事業区分

前連結会計年度

当連結会計年度

金額

構成比

金額

構成比




菓子

4,694

11.2%

5,124

12.2%

食品

7,687

18.2%

6,946

16.5%

デイリーチルド

2,578

6.1%

1,933

4.6%

冷菓

12,630

30.0%

14,675

34.7%

点心・デリ

8,381

19.9%

8,490

20.1%

スイーツ

351

0.8%

407

1.0%

NVCC

79

0.2%

流通事業計

36,324

86.2%

37,656

89.3%

調味料事業

5,611

13.3%

4,288

10.2%

その他事業

216

0.5%

207

0.5%

合計

42,152

100.0%

42,151

100.0%

 

  当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)等を適用しているため、前連結会計年度と比較した増減額及び増減率は記載しておりません。

 

② 売上原価並びに営業利益

 営業利益については、前期比9億51百万円(126.3%)増の17億4百万円となりました。その要因として、グループ全体で取り組んでいる食品ロス削減活動や継続した生産性向上活動の効果により、売上原価率が64.9%となり、前年より4.3%減少しております。

 販売費及び一般管理費については、前期比8億79百万円(7.2%)増の131億2百万円となりました。主な要因としては、販売促進費や物流費が増加したことによります。

 

③ 経常利益

 経常利益については、前期比11億53百万円(125.2%)増の20億75百万円となりました。その結果、経常利益率は4.9%となり、前年より2.7%増加しております。その要因は、主に海外事業への貸付金に対する為替影響によるものであります。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は前期比8億15百万円(124.1%)増の14億73百万円となりました。

 

 なお、今後の見通しにつきましては、「第2〔事業の状況〕1〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕(3)会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおりであります。
 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては「第2〔事業の状況〕2〔事業等のリスク〕」に記載のとおりであります。

 

 

 

2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

 当事業年度における各キャッシュ・フローの詳しい状況につきましては、「第2〔事業の状況〕3〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料、製商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。株主還元策につきましては、「第4〔提出会社の状況〕3〔配当政策〕」に記載のとおりであります。
 また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的としてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金調達・管理の一元化を行い、グループ全体の資金効率化を進めております。
 当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
 なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,069百万円、有利子負債の残高は2,068百万円となっております。
 

3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 重要な判断を要する会計上の見積り及び当該見積りとは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす会計上の見積りであり、かつ本質的に不確実な事柄に関する経営者の重要な、或いは主観的な判断を反映させることを要するものです。
 以下の各項目は、その認識及び測定にあたり、経営者の重要な判断及び会計上の見積りを必要とするものです。

 

① 固定資産の減損処理

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価格を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損損失が必要となる可能性があります。

 

② 繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

③ 確定給付費用及び確定給付制度債務

 従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率、退職率及び死亡率等年金数理計算上の基礎率に基づき見積られております。実績と見積りとの差はその他の包括利益として、認識されております。経営者は、この数理計算上の仮定を適切であると考えておりますが、実績との差異や仮定の変動は将来の確定給付費用及び確定給付制度債務に影響します。
 当社及び連結子会社の割引率は、各年度の測定日における日本の長期国債の利回りに基づき決定しております。各測定日に決定した割引率は、測定日現在の確定給付制度債務及び翌年度の純期間費用を計算するために使用されます。
 確定給付費用及び確定給付制度債務に関する見積りや前提条件については「第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕〔注記事項〕(退職給付関係)」に記載のとおりであります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得