研究開発活動

5 【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、「おいしい!の笑顔をつくる」の社会的使命のもと、高い技術と新鮮な時代感覚をもち、夢のある商品とすぐれたサービスを通じて豊かな生活を提供できるよう、菓子及び食品とその関連分野における活動を行っております。

 すなわち、基礎研究や外部研究機関との共同研究の継続及び事業展開上急務な研究課題に取り組み、お客様の食の安全と安心を提供できるよう、新素材の開発とその応用、製品の改善・改良・品質の向上、生産技術・生産設備の開発などに努めております。

 コロナ禍の状況において市場、顧客、消費者の変化を俊敏にとらえて変化に対応した新商品の開発、健康志向、免疫力強化等もテーマに取り入れ新商品の開発を推進してまいります。

 現在の研究開発は、各事業会社の商品開発部門及び研究・開発部門などにより推進されております。なお、研究開発活動を担当している期中平均人員は67名であり、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は451百万円であります。

 

セグメントの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) 流通事業

(基礎研究)

大学や公設研究機関と連携しながら、井村屋のコア原料である「あずき」に関する基礎研究に取り組んでおります。小豆から抽出したポリフェノールの機能性研究(血糖値上昇抑制効果)、発酵、栽培技術等、小豆に関する多岐にわたった研究を行い、これらの研究成果を特色ある自社商品の商品開発や販売促進、あるいは新規事業につなげていきたいと思います。小豆の機能性研究は、今後も継続し将来的な機能性表示食品としての商品化を目指しております。

一方で、今後は生産活動で生じる食品廃棄物(小豆の煮汁、おから等)の有効活用、バイプロダクト化を意識した研究にも力をいれてまいります。

(菓子商品)

お客様の健康に寄与する商品としてしっかりと野菜成分を摂取でき、乳酸菌を配合した「ベジぷる(やさいMIXゼリー、トマトゼリー)」を新発売し、市場拡大に繋げました。コロナ禍において食べきりサイズで押すだけ簡単パッケージが特徴の「片手で食べられる小さなようかん」「もっちりぷるんわらびもち(黒糖・柚子)」「スポーツようかん」など衛生的に食べられる点もご評価いただき、多くのお客様からご好評をいただきました。また、これらの商品をアソートタイプに詰め合わせたEC関連商品も発売しました。また、今後の災害対策に対する意識がいっそう高まってきていることから「えいようかん」「チョコえいようかん」が好調に推移しました。今後も、時代の変化に対応した商品づくりを行ってまいります。

 (食品商品)

従来から要望が多かった年間を通じて召し上がっていただける水ようかんとして「和風2連パック水ようかん」を発売し新顧客拡大に繋げました。またお客様の健康に寄与できるレンジで温めるだけの簡単調理が可能な「しょうが湯」「甘酒おしるこ」を発売しました。新型コロナウイルスの影響による家庭内需要の増加、小豆のおいしさ・健康性についてのご評価をいただき「ゆであずき」「つぶあん・こしあん」「ぜんざい・おしるこ」「氷みつ」等の商品が好調に推移しました。またSDGsの観点より地域の原料を活かした「枝豆あんトッピング」を商品化しました。

その他、小豆を煮汁ごと炊きあげ、小豆の栄養を閉じ込めた「無糖のあずき」もご好評いただいております。引き続きお客様に喜んでいただける商品開発を行ってまいります。

 (デイリーチルド商品)

今回の新商品である「豆乳寒天」「豆乳もち」はSOYの健康を活かした新食感商品として開発し、販売いたしました。新製法の豆腐の取り組みとして「美し豆腐LONG SHELF LIFE 180」は180日間美味しく食べられる事を実現した商品です。4個入りタイプは海外を中心に、国内へも展開してまいります。1個入りタイプは国内業務用ルートを中心に展開いたします。滋賀県産タマホマレ大豆と沖縄県産にがりにこだわった「そのまま食べて美味しい豆腐」はこれまでの豆腐製造のノウハウと新たな製法で、先ずはそのまま食べて、豆腐の美味しさを楽しめる商品として開発いたしました。

また、SDGsの観点より副産物であるおからを活用した「井村屋雪花菜(きらず)冷凍おから5㎏」を開発し、販売いたしました。今後も更なる付加価値のある商品開発を行ってまいります。

 

 (冷菓商品)

原料、製法、配合にこだわった「ゴールドシリーズ(あずきバー、宇治金時、ミルク金時)」のおいしさ、付加価値を向上させ好評を頂きました。そのバックアップもあり、あずきバー年間総売上本数3億本を達成することができました。

また新商品の「ごろろん果肉 アップルパイバー」はリンゴ素材を前面に出し、アップルパイそのものがアイスになったと多くのお客様から絶賛のお声を頂戴することができました。また、CVS向け商品の開発にも注力し、スパイス香る「マサラチャイアイス」など今までにない新感覚で面白さ、楽しさを感じて頂ける商品を販売しCVSからも評価をいただきました。「やわもちアイス」は、2022年度が発売10周年となる記念の年で、10周年記念に合わせて魅力ある新商品の開発を進めました。2019年より発売した新ブランドの「KASANEL」におきましては、洋風タイプを発売し、ターゲット層の幅を広げると同時にCVSのPB商品にも焼き菓子とアイスの融合商品を応用し特色ある商品として販売いたしました。また、輸出関係もラインナップを拡充し、小豆をAZUKIへと、海外のお客様にも高評価を得ました。今後も和風を中心とした更なる拡売を目指すとともに、特色や付加価値のある商品開発に取り組んでまいります。

 (点心・デリ商品)

点心・デリ商品はCVSを中心に商品提案及び供給を行っております。昨年度は熟成発酵の特色ある生地をさらにブラッシュアップしおいしさを引き上げました。また特色である熟成発酵生地を使用した「ゴールドパックシリーズ」は、個包装化する事で袋のままレンジ調理ができ、手軽に調理ができると、ご好評いただいております。また、家庭内需要の影響もあり、冷凍食品の肉まん・あんまんの販売が好調に推移しました。また冷凍食品に対するニーズの高まりから冷凍の「井村屋謹製 餡ぱん」、「井村屋謹製 カリーぱん」の新シリーズを発売するなど、肉まん・あんまん以外の冷凍食品の強化に取り組みました。メディア等でも取り上げていただくなど話題性にも繋がりました。

SDGsの考え方から「2コ入 大豆ミートまん」を昨年度発売いたしましたが、今年度は動物性原料一切不使用にリニューアルしさらなる新顧客獲得に繋げました。また、ベジタリアン、フレキシタリアンの食文化の根付いた海外への展開も開始しさらなる市場拡大にチャレンジしています。

 (冷凍菓子商品)

「小豆加工技術」、「もち加工技術」、「包あん技術」、「冷凍技術」を融合し、自然解凍するだけで包みたての美味しさを味わえる冷凍和菓子を展開しております。この度ご家庭でいつでも簡単に楽しめる4コ入シリーズとして「4コ入大福(つぶあん)」、「4コ入きなこおはぎ(つぶあん)」、「4コ入あん入黒糖わらび餅(こしあん)」を発売し市場拡大を図りました。今後も多くのお客様にお喜びいただける商品開発を進めてまいります。

当連結会計年度における研究開発費の金額は422百万円であります。

 

(2) 調味料事業

2021年度七根サイトにおきましては、植物素材に重点を置き、動物性原料を使用しない完全植物性となる「クリーミングパウダー」の開発や、大豆ミートのその独特の風味をマスキングできるような処方や加工工程を研究開発致しました。また、継続項目になりますが、限りある資源及び環境負荷低減の観点から、野菜エキスを製造する際に発生する残渣を有効活用する商品開発を検討しております。 

中原サイトにおきましては、スパウチ関連の商品開発(ODM)により新商品3件の獲得をする事が出来ました。更なる商品獲得に向けスパウチ事業に限らずレトルト事業においてもお客様への商品開発(ODM)提案を進めてまいります。

今後の新素材開発につきまして、昨今の原材料費や動燃費の高騰に対し、製品価値を高める事や代替となる商品の開発を進めてまいります。また、当社の強みを生かした提案商品開発(ODM)の活動も継続し、新顧客および新市場の創出を進めてまいります。

当連結会計年度における研究開発費の金額は28百万円であります。

 

(3) その他事業

特記事項はありません。

 

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