業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当期におけるわが国の一般経済環境は、新型コロナウイルスの感染拡大により、緊急事態宣言が長期間にわたり、厳しい状況が続きましたが、9月末に緊急事態宣言が解除され、経済活動が正常化に向かう中で、持ち直しの動きが見られました。

当業界におきましては、新型コロナウイルスの影響が長引く中、巣ごもり需要はありましたものの、緊急事態宣言解除以降、物価上昇も懸念されお客様の節約志向が更に強まり、販売競争が一段と激化しました。さらに、主原料の小麦粉に加え、卵や糖類、油脂などの原料価格の高騰もあり、収益が圧迫される厳しい経営環境となりました。また、コンビニエンスストアやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、駅やオフィス街立地を中心に緊急事態宣言の影響を受け厳しい状況が続きました。

このような情勢下にありまして、当社グループは、緊急事態においてパン、和菓子、洋菓子類を緊急食糧として社会に提供するという新しいヤマザキの精神に従い、新型コロナウイルス感染拡大の中で製品の安定供給体制を確保するため、パート、アルバイトを含めた全従業員を対象として検温を実施し、37.2℃以上の発熱がある者は自宅待機とし、また発熱がない場合でも倦怠感や味覚・嗅覚がない等の新型コロナウイルス独特の自覚症状がある者も自宅待機とし、この自宅待機者数とPCR検査陽性者数を日々管理しました。また、マスクの着用や手指の消毒など日常の感染防止対策に加え、WEB会議等を活用して事業所間の出張を制限するなど感染防止対策を徹底するとともに、多人数による会食の原則禁止など公衆衛生上の遵守事項を徹底しました。さらに、工場ならびに事業所内の感染防止対策として炭酸ガス濃度測定器を導入して換気の悪い密閉空間の改善に取り組み、常時職場内の換気をしながら炭酸ガス濃度を700ppm以下に保ち感染防止対策とするとともに、従業員向けに新型コロナワクチンの職域接種を推進し、社会的使命の達成に全力を挙げて取り組んでまいりました。

このような状況の中で、当社グループは、新型コロナウイルス感染防止対策の上に行う業績向上対策として、いのちの道の教えに従う、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」によって、ルヴァン種等を活用した品質向上をはかるとともに、女性製品開発担当者を活用した新製品開発を推進するなど、各部門毎の業績向上をめざしました。また、日次管理・週次管理の経営手法をヤマザキパンの小売事業に有効に機能させるため小売事業業績改善プロジェクトを設置し、デイリーヤマザキやヴィ・ド・フランスを始めとする小売事業の抜本的な業績改善に取り組むとともに、いのちの道の教えに従ったヤマザキパンの小売事業のあるべき姿を追求するため、小売事業本部内に戦略製品・戦略商品開発推進チームを設置し、ヤマザキパンの総力を挙げて自社業態の業績改善をめざした戦略製品の開発推進に取り組んでまいりました。

また、常務会の下部機関として、問題課題を協議検討し決議して常務会に提案する小委員会「コーポレートガバナンス(企業統治)小委員会」、「営業生産合同(現業)小委員会」、「関係会社小委員会」を設置し、あるべき姿としての問題課題の解決案を見出し、精度の高い効率的な業務執行を行い、業績向上を期す体制といたしました。

デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、日次管理・週次管理に取り組み日々の仕事の精度を高めるとともに、DY商品・運営合同小委員会を週次で開催し、戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携して、ランチパックや中華まん、デイリーホットなどにおいて当社グループ商品の充実と戦略商品の開発に取り組みました。

当期の業績につきましては、連結売上高は1兆529億72百万円(対前連結会計年度比103.8%)、連結営業利益は183億59百万円(対前連結会計年度比105.3%)、連結経常利益は213億82百万円(対前連結会計年度比108.3%)となり、山崎製パン単体の菓子パンが好調に推移したことに加え、一部連結子会社の業績が改善したこともあり、増収増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は103億78百万円(対前連結会計年度比149.2%)となり、コロナ禍に伴う店舗助成金収入もあり増益となりました。

 

 

 


 

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

前年

同期差

(百万円)

前年

同期比

(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

売  上  高

1,014,741

1,052,972

38,230

103.8

営 業 利 益

17,438

18,359

921

105.3

経 常 利 益

19,734

21,382

1,647

108.3

親会社株主に帰属する当期純利益

6,956

10,378

3,421

149.2

 

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。
 
〔食品事業〕

a 食パン部門(売上高951億60百万円、対前連結会計年度比99.5%)
  食パンは、品質訴求と売り場づくりを推進した主力の「ロイヤルブレッド」が伸長しました。また、「ダブルソフト」や低価格帯の「モーニングスター」にルヴァン種を活用し、高単価製品の開発やリニューアルを実施して取扱拡大をはかりましたが、前期の食パンの需要急増の反動もあり、前期の売上を下回りました。

b 菓子パン部門(売上高3,599億34百万円、対前連結会計年度比105.6%)
  菓子パンは、主力の高級シリーズや「まるごとソーセージ」、「アップルパイ」が好調に推移するとともに、ラインアップを充実させた「ランチパック」が堅調に推移しました。また、買い置き需要に対応した「ベイクワン」シリーズなど複数個入り製品が伸長し、「フレンチクルーラー」などチルド菓子パンが伸長するとともに、新製品の「マリトッツォ」シリーズが大きく寄与したこともあり、売上は前期を上回りました。

c 和菓子部門(売上高683億79百万円、対前連結会計年度比96.7%)
  和菓子は、新規製法の餡を活用し、主力の団子、大福、まんじゅうなどの取扱拡大をはかりましたが、10月に実施した価格改定の影響もあり、前期の売上を下回りました。

d 洋菓子部門(売上高1,448億61百万円、対前連結会計年度比103.6%)
  洋菓子は、主力の2個入り生ケーキが伸長するとともに、「大きなツインシュー」などのシュークリームや、3月に品質を向上させた「プレミアムスイーツ」シリーズが伸長しました。さらに、㈱不二家の洋菓子事業が好調に推移したこともあり、前期の売上を上回りました。

e 調理パン・米飯類部門(売上高1,430億86百万円、対前連結会計年度比100.4%)
  調理パン・米飯類は、㈱サンデリカにおいて、主要販路であるコンビニエンスストアチェーンとの取引減少もありましたが、海外子会社を新規連結したことによる調理パンの売上寄与もあり、売上増となりました。

f 製菓・米菓・その他商品類部門(売上高1,691億77百万円、対前連結会計年度比103.9%)
  製菓・米菓・その他商品類は、㈱不二家の「カントリーマアム チョコまみれ」が好調に推移するとともに、ヤマザキビスケット㈱の「エアリアル」や㈱東ハトの「ポテコ」が伸長し、前期の売上を上回りました。

  以上の結果、食品事業の売上高は9,805億99百万円(対前連結会計年度比103.0%)、営業利益は200億27百万円(対前連結会計年度比107.8%)となりました。

 

     [食品事業 前期比較]

 

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

前年

同期差

(百万円)

前年

同期比

(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

売  上  高

952,178

980,599

28,421

103.0

営 業 利 益

18,582

20,027

1,445

107.8

 

 

 

〔流通事業〕

  デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の中、住宅立地の店舗売上が堅調に推移し、全体としてチェーン全店売上高は前期を上回りました。商品面では、「ランチパック 大盛り」シリーズや、レンジアップ対応のチルド中華まんなど戦略製品が寄与するとともに、「味わいタマゴサンド」がお客様の好評を得るなどデイリーホットが伸長しました。

  当期末の店舗数は、「デイリーヤマザキ」1,045店(15店減)、「ニューヤマザキデイリーストア」332店(14店減)、「ヤマザキデイリーストアー」12店(2店減)、総店舗数1,389店(31店減)となりました。

  その結果、営業総収入は直営店舗数の増加により増収となりましたが、収益面では人件費等のコストの増加もあり減益となりました。

  以上の結果、流通事業は、当期より㈱スーパーヤマザキを連結したこともあり、売上高は594億94百万円(対前連結会計年度比120.6%)、営業損失は41億93百万円(前連結会計年度は38億92百万円の営業損失)となりました。

 

[流通事業 前期比較]

 

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

前年

同期差

(百万円)

前年

同期比

(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

売  上  高

49,350

59,494

10,144

120.6

営 業 利 益

△3,892

△4,193

△300

 


〔その他事業〕

   その他事業につきましては、売上高は128億78百万円(対前連結会計年度比97.5%)、営業利益は21億54百万円(対前連結会計年度比91.1%)となりました。

 

     [その他事業 前期比較]

 

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

前年

同期差

(百万円)

前年

同期比

(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

売  上  高

13,213

12,878

△335

97.5

営 業 利 益

2,365

2,154

△211

91.1

 

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末の資産合計は7,573億52百万円で、前連結会計年度末に比べ429億8百万円増加しました。

当連結会計年度末の負債合計は3,751億35百万円で、前連結会計年度末に比べ230億74百万円増加しました。

当連結会計年度末の純資産合計は3,822億17百万円で、前連結会計年度末に比べ198億33百万円増加しました。

 

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は1,334億95百万円となり、前連結会計年度に対しては306億52百万円の増加となりました。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益199億55百万円に加え、減価償却費389億97百万円などにより570億71百万円のプラスとなりました。前連結会計年度に対しては99億13百万円収入が増加しました。
  (投資活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより377億90百万円のマイナスとなりましたが、前連結会計年度に対しては8億32百万円支出が減少しました。
  (財務活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、自己株式の取得、配当金の支払などがありましたが、新規借入により20億70百万円のプラスとなり、前連結会計年度に対しては136億55百万円収入が増加しました。

 


 

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

増  減

金額(百万円)

金額(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

47,157

57,071

9,913

投資活動によるキャッシュ・フロー

△38,623

△37,790

832

財務活動によるキャッシュ・フロー

△11,585

2,070

13,655

現金及び現金同等物に係る換算差額

△22

927

950

現金及び現金同等物の増減額

△3,073

22,279

25,352

現金及び現金同等物の期首残高

105,916

102,842

△3,073

新規連結に伴う現金及び
現金同等物の増加額

8,373

8,373

現金及び現金同等物の期末残高

102,842

133,495

30,652

 

 

④生産、受注及び販売の状況

a 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

前年

同期差

(百万円)

前年

同期比

(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

食品事業

853,522

878,197

24,675

102.9

その他事業

109

101

△7

93.0

合計

853,632

878,299

24,667

102.9

 

  (注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

b 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

前年

同期差

(百万円)

前年

同期比

(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

食品事業

30,953

30,152

△800

97.4

流通事業

32,199

42,709

10,510

132.6

合計

63,152

72,862

9,709

115.4

 

 (注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

      2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c 受注状況

当社グループの食品事業における製品は特に鮮度が重要視されますので、取引先からの日々の注文により生産しておりますが、納入時間の関係上受注締切以前に見込数で生産を開始し、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、翌日繰越受注残はありません。

 

d 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの
名称

区分

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日 )

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日 )

前年

同期差

(百万円)

前年

同期比

(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

食品事業

食パン

95,600

95,160

△440

99.5

 

菓子パン

340,765

359,934

19,168

105.6

 

和菓子

70,698

68,379

△2,318

96.7

 

洋菓子

139,848

144,861

5,012

103.6

 

調理パン・米飯類

142,457

143,086

628

100.4

 

製菓・米菓・その他商品類

162,806

169,177

6,370

103.9

 

食品事業計

952,178

980,599

28,421

103.0

流通事業

 

49,350

59,494

10,144

120.6

その他事業

 

13,213

12,878

△335

97.5

合計

1,014,741

1,052,972

38,230

103.8

 

  (注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

       2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

a 貸倒引当金
  当社グループは、貸倒懸念債権等特定の債権について個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

b 投資有価証券の減損処理
  当社グループは、投資有価証券を所有しておりますが、その価値が50%以上下落した場合及び2ヶ年以上継続して30%から50%下落している場合は、減損処理を実施しております。将来の市況悪化や投資先の業績不振等によっては、更に減損処理が必要となる可能性があります。

c 繰延税金資産
  当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その実現可能性について毎期検討し、内容の見直しを行なっておりますが、将来の課税所得の見込みの変化やその他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の取崩又は追加計上により親会社株主に帰属する当期純利益が変動する可能性があります。

d 退職給付費用及び債務
  退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は優良社債の利回りに基づき、長期期待運用収益率については年金資産の過去の運用実績等に基づき決定しております。
  実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来の期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グル-プの当連結会計年度の経営成績は、売上高は1兆529億72百万円(前連結会計年度比3.8%増) で、新型コロナウイルス感染症の影響で、コンビニエンスストアやフレッシュベ-カリ-店舗での営業時間の短縮で小売事業に回復の遅れはありましたものの、菓子パンの回復や新規連結子会社の寄与もあり、前連結会計年度を上回りました。営業利益は183億59百万円(前連結会計年度比 5.3%増)、経常利益は213億82百万円(前連結会計度比 8.3%増) で、増収と原材料費率や労務費率のダウンもあり、営業利益、経常利益ともに増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益も、103億78百万円(前連結会計度比49.2%増)で、新型コロナウイルス感染症に係る助成金収入もあり、前連結会計年度を上回りました。

当社は、原材料価格の高騰やエネルギ-コストの上昇が見込まれる中、小麦粉の大幅な値上げに対処して、2022年1月1日出荷分から一部の食パン、菓子パンの価格改定を実施致しました。引き続き新型コロナウイルス感染防止対策の徹底につとめるとともに、いのちの道の教えに従った部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」によって、変化する市場のニ-ズを的確に捉え、各部門毎の新しい価値と新しい需要を創造して業績の向上を目指します。

 

 また、小売事業においては、小売事業業績改善プロジェクトにおいて日次管理・週次管理を徹底し、戦略製品・戦略商品開発チ-ムを中心にグル-プの総力を挙げた戦略製品の開発に取り組み、業績の向上を目指します。

 今後も当社グル-プは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、財政基盤の安定、収益性の改善、資本効率の向上に取り組み、連結経常利益率3%以上、連結ROE5%以上を達成すべく全力を挙げて取り組みます。

 

a 売上高

売上高を事業の種類別に見ますと、食品事業は菓子パン部門が主力品や買い置き需要に対応した袋物製品が伸長した事に加え、新規子会社の寄与もあり好調に推移しました。洋菓子部門も高品質・高付加価値・高単価製品の寄与に加え、製菓・米菓類・その他商品類と同様に、一部の子会社が好調に推移したこともあり、コンビニエンスストア向け製品やフレツシュベ-カリ-の小売事業で回復に遅れはあるものの、9,805億99百万円(前連結会計年度比 3.0%増) で前期を上回りました。流通事業はデイリ-ヤマザキで住宅立地店舗が堅調に推移するとともに、直営店舗が増加したこと、また当連結会計年度より㈱ス-パ-ヤマザキを連結したこともあり、 594億94百万円(前連結会計年度比20.6%増)、その他事業は賃貸収入の減少もあり 128億78百万円(前連結会計年度比 2.5%減) でした。

なお、売上高の詳細については、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載の通りです。

b 営業利益 

売上総利益率は、原材料費率や労務費率等の減少もあり、34.9%で前連結会計年度を 0.1%上回りました。

販売費及び一般管理費は 3,494億96百万円、売上高に対する比率は33.2%で、人件費率の増加もあり、前連結会計年度を 0.1%上回りました。
  以上の結果、営業利益は183億59百万円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。

ゼグメント別では、食品事業は増収と原材料費率や労務費率の減少もあり、営業利益は200億27百万円(前連結会計年度比7.8%増)、流通事業はロイヤリティ収入の減や直営店増加に伴う人件費等の増加もあり、営業損失は 41億93百万円(前連結会計年度は38億92百万円の営業損失)、その他事業は賃貸収入の減少もあり、営業利益は21億54百万円(前連結会計年度比 8.9%減)でした。

c 経常利益

  営業外収益面で、外貨建貸付金に係る為替差益の計上により、経常利益は 213億82百万円(前連結会計年度比8.3%増) となりました。なお、目標とする経営指標の連結売上高経常利益率3%以上に対し、当連結会計年度は2.0%で、前連結会計年度に比べ、0.1%上回りました。

d 親会社株主に帰属する当期純利益

  新型コロナウイルス感染症に係る助成金収入を特別利益に計上後の税金等調整前当期純利益は199億55百万円(前連結会計年度比21.6%増) 、親会社株主に帰属する当期純利益は103億78百万円で、前連結会計年度に比べ49.2%の増益となりました。当連結会計年度の1株当たり当期純利益は48円60銭で、前連結会計年度に比べ16円60銭増加しました。なお、目標とする経営指標の連結ROEの5%以上に対し、当連結会計年度は3.1%で前連結会計年度に比べ1.0%増加しました。

 

 

③財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計は7,573億52百万円で、前連結会計年度末に対し429億8百万円増加しました。
  主な要因は、流動資産が2,899億84百万円で、現金及び預金が新規借入金等により295億55百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に対し337億29百万円増加したことと、固定資産が4,673億67百万円で、有形固定資産が129億55百万円増加し、投資有価証券が32億22百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に対し91億79百万円増加したことによるものです。
  負債は3,751億35百万円で、退職給付に係る負債の減少はありましたが、新規借入による借入金の増加等により、前連結会計年度末に対し230億74百万円増加しました。
  純資産は3,822億17百万円で、自己株式の取得による減少はありましたが、利益剰余金が108億29百万円、退職給付に係る調整累計額が83億52百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に対し198億33百万円増加しました。なお、自己資本比率は45.23%で前連結会計年度に比べ1.03%の減、1株当たり純資産は1,609円57銭で前連結会計年度に比べ89円33銭の増となりました。

 


 

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

前期差

金額(百万円)

金額(百万円)

流 動 資 産

256,255

289,984

33,729

固 定 資 産

458,188

467,367

9,179

資 産 合 計

714,443

757,352

42,908

負 債 合 計

352,060

375,135

23,074

純 資 産 合 計

362,383

382,217

19,833

負 債 純 資 産 合 計

714,443

757,352

42,908

 

 

④資本の財源及び資金の流動性について

当連結会計年度末の借入金残高は900億86百万円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループは将来必要とされる成長資金及び有利子負債の返済に対し、当面充分な流動性を確保しております。
  また、当社グループは、第1に、手元流動性を極力最小限に抑える。第2に営業活動によるキャッシュ・フローは会社の維持発展に必要な設備投資に充当する。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況  3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。第3に余剰資金は金利負担の軽減をはかるため適宜借入金の返済に充当する。以上の3項目を目標にしてキャッシュ・フローの有効活用に努めます。株主還元につきましては、株主の皆様への安定配当を継続することを基本方針とし、連結配当性向30%を目標にしております。なお、当期の連結配当性向は45.27%であります。

 

⑤当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

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