文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)グループ企業理念
当社グループは創業精神「CMIC’S CREED」を踏まえて、グループの方向性を示す3つの軸「ミッション・ビジョン・バリュー」を制定しております。当社グループの企業としての使命、社会に対してどう貢献していくのか、企業としての理想の姿を示し、そのためにどのような価値観に基づいて行動すべきかを役職員が共有し、グループ総合力を高めることで、広く人々の健康や医療の進歩に寄与する社会価値の創出を追求していきます。社会価値の創出は経済価値の向上を伴うものと考えられるため、ステークホルダーの皆様に理解と信頼を得ながら、グループの持続的な成長を目指します。
ミッション:シミックは、画期的なソリューションを通してヘルスケアに新たな価値を創造し、必要とされる医療やケアシステムを1日でも早く届けます
ビジョン :世界中の誰もがより健康でその人らしい生活を送るため、ヘルスケアの革新に貢献します
バリュー :W&3C
WELLBEING その瞬間を生ききる
Change 常識に安住せず変革する
Challenge 新たな視点で可能性を切り拓く
Communication 人や社会へ積極的に働きかける
(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当社グループは、創業30年の節目にあたる2022年9月期を第三創業元年と位置付け、新規の創薬基盤技術による医薬品開発やデジタル化の推進とともに、ヘルスケア領域へ事業領域を広げております。予防から診断、治療、予後に至る疾患のトータルケアへの取組みへの支援等を推進し、Withコロナの新しい事業環境のもと、持続的成長に向けたグループ経営基盤の強化と飛躍を図っていく方針です。CROを中心として最先端のサイエンスによる疾病の治療に貢献するとともに、健康という概念を大きくとらえIKIGAIを追求します。
<製薬ソリューション>
本セグメントは、製薬企業の付加価値向上に貢献する独自の事業モデルPVC(Pharmaceutical Value Creator)を展開するうえで横断的な連携を行う、CRO(医薬品開発支援)事業、CDMO(医薬品製剤開発・製造支援)事業、Market Solutions(医薬品営業支援、オーファンドラッグ等の開発・製造販売・流通事業)事業で構成します。
創薬においては、モダリティがより多様化・複雑化するとともに、医療の個別化が進み、開発の難易度がより高まっています。これに対し、多業種連携やリアルワールドデータの利活用、デジタルトランスフォーメーションを通じて、医薬品開発のスピード化・効率化を促進し、疾患予防・治療の研究開発・販売を総合的に支援します。また、医薬品の品質問題に端を発したサプライチェーンの課題に対しても、医薬品製造のプラットフォームとして、技術力及び品質の更なる向上と、ローコスト生産体制の進展、戦略的な設備投資を通じて、安定供給に貢献してまいります。
<ヘルスケアソリューション>
本セグメントは、医療関連施設及び医療従事者を総合的に支援するSite Support Solutions事業と、個人及び自治体等にヘルスケアの新たなエコシステムを用いたソリューションを提供するHealthcare Revolution事業で構成します。
医薬品産業の知見やネットワーク、疾病予防・健康情報やIT技術を融合し、ヘルスケアの新たなエコシステムを用いたソリューションを提供することで、個人のヘルスバリューを支援してまいります。
これらを踏まえ、2021年11月発表の「中期計画(FY2022-2025)」を策定し、各課題への施策に取り組んでおります。
①中期計画
[基本方針]
■ Pharmaceutical Value Creator から Personal Health Value Creator へ
製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する独自の事業モデルPVC(Pharmaceutical Value Creator)を持続的成長の基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC("Personal Health Value Creator”)への展開を目指します。
[重点取組事項]
■ ヘルスケアビジネスの進展
・多様な“個々人の健康価値”に応える新規ヘルスケア事業の創出
・予防から診断、治療、予後に至る疾患のトータルケアへの取組み
・harmoをはじめデータやテクノロジーと人材とを融合した支援
■ 疾患予防・治療の研究開発から販売まで総合的な支援の強化
・マーケットアクセスのスピード最大化
・新規の創薬基盤技術による医薬品開発やデジタル化の推進
・日本に基盤をもたない創薬ベンチャー等への提案力強化
■ 社会的有益性の高い事業を通じたサステナブルな社会への貢献
・医療・ケアシステムの維持に貢献する「ヘルスケアプロフェッショナル」の育成
・環境の保全と従業員の健康・安全を確保した企業活動の促進
定量目標 ■2025年9月期の主要な連結業績目標
|
目標 |
成長率 |
売上高 |
1,000億円 |
3.9% |
営業利益 |
70億円 |
9.2% |
営業利益率 |
7.0% |
- |
ROE |
10%以上 |
- |
(注)成長率は2021年9月期を起点としております。
②サステナビリティへの取組み
<基本的な考え方>
当社グループの企業理念である「CMIC’S CREED」は、サステナビリティに対する基本的考え方を示しています。
当社グループ全役職員は、「シミックグループ行動規範」において、一人ひとりが「CMIC’S CREED」と、それに結びついた「ミッション・ビジョン・バリュー」に基づき企業活動を展開すること、法令の遵守はもとより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上及び社会的課題の解決に向けて積極的に行動することが求められています。
当社グループでは、サステナビリティ経営実現のために、注力すべきサステナビリティ重要課題を特定し、中長期戦略の中に組み込んで具体的な取組みと目標を設定し、事業を通じて実行することで、社会の持続的な発展と当社グループの持続的な成長を目指してまいります。
<人的資本>
当社グループでは、「ミッション・ビジョン・バリュー」及び経営戦略と連動した人事戦略を基に人事施策を実行します。また、社員一人ひとりのバリューを明確にし、PBV(Personal Business Value)向上を目指して参ります。PBVとは、CMIC’S CREEDの実現につながる社員各人の役割やミッションを通じて、自律的に発揮する価値を表します。
当社グループではグローバルな動向や内閣府の指針等を考慮した人的資本開示を行い、適切なステークホルダーコミュニケーションにより企業価値の向上を目指します。
HR Vision 人事基本方針
当社グループのCREED、ビジョン、ミッションの実現へ向け人事基本方針を策定し、これを基に人事戦略、
各種人事施策を実行しています。
1. 自ら変革し、挑戦する人をつくる
2. 違いを尊重し、本音で向き合える環境を整える
3. フェアな評価と処遇の実現
HR Strategy IKIGAI 1.0
Personal Business Value |
各人の役割やミッションを通じて、社員一人ひとりが自律的に発揮する価値 |
New Work Style & Space |
全ての社員がその人らしく、いつでも、どこでも、IKIGAIをもってずっと働ける環境づくりを支援 |
Respect Each Other (Diversity & Inclusion) |
互いの個性やライフスタイルの違いを尊重 |
<気候変動への取組み>
気候変動への取組みについては、TCFD提言における、「ガバナンス」・「戦略」・「リスク管理」・「指標と目標」に基づき、気候変動への対応、情報開示の質と量の充実を図るべく、社会の持続的な発展と企業の持続的な成長を目指し、取組みを進めております。
「ガバナンス」については、当社グループの代表取締役を議長としたサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ活動に関する重要なリスク・機会の特定、計画の立案、重要課題の推進、進捗状況のモニタリング、達成状況の確認を行います。また、これらの結果は定期的に取締役会に報告され、取締役会において当該報告内容に関する管理・監督を行います。
「戦略」については、事業への影響度を評価すべく、シナリオ分析を実施しました。当社グループ事業に影響を及ぼす重大なリスクは特定されませんでした。
「リスク管理」については、サステナビリティ委員会とリスク管理委員会が連携し、取締役会に報告いたします。
「指標と目標」については、現状把握及び効果測定を行いながら、温室効果ガス排出量削減目標の検討を進めてまいります。
また、今後も気候変動に対する対応及び開示を充実すべく取組みを継続してまいります。
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