[経営成績等の状況の概要]
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループの事業環境への影響は依然としてあるものの、第1回目の「緊急事態宣言」の影響を大きく受けた前期よりは、受注状況や事業活動は改善しております。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高52,758百万円(前期比0.2%減)、営業利益4,135百万円(前期比72.3%増)、経常利益5,507百万円(前期比104.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,068百万円(前期比275.1%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、従来の方法に比べて、当連結会計年度の売上高は2,095百万円減少しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結貸借対照表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
また、文中の前期比較については、収益認識会計基準等の適用前の前期実績を用いて比較しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
① 広告プロダクション
広告プロダクションの売上高は、前期に比べ4.8%増の23,169百万円となり、営業利益は前期に比べ23.2%増の2,175百万円となりました。CM制作部門において、前期は複数のTVCMの制作業務が延期・中止となり大きな影響を受けましたが、受注状況も改善し、またコストコントロールによる利益率改善も寄与し、増収増益となりました。
② コンテンツプロダクション
コンテンツプロダクションの売上高は、前期に比べ11.9%増の13,118百万円となり、営業利益は1,251百万円(前期は90百万円の営業利益)となりました。映像制作部門は、社外の映画案件や社内の大型案件の受注が増加しました。音響字幕制作部門は、前期よりコロナ禍における業務への支障が軽減し、制作本数が増加したことや、動画配信サービス会社からの受注も増加しました。また、デジタルプロダクション部門においても、動画配信サービス会社からのCG制作業務の受注が増加し、また構造改革に伴うコスト削減等も寄与しました。結果、セグメント全体で大きく増収増益となりました。
③ メディア
メディアの売上高は、前期に比べ7.5%減の12,764百万円となり、営業利益は前期に比べ45.4%増の1,517百万円となりました。関連チャンネルにおいて、既存プラットフォームの加入者減により、売上が減少しました。
一方、利益面においては、放送終了となった関連チャンネルの費用が削減されたことにより、増益となりました。
④ プロパティ
プロパティの売上高は、前期に比べ30.6%減の3,538百万円となり、営業損失は31百万円(前期は187百万円の営業利益)となりました。収益認識会計基準の導入により、一部の放映権販売収入が総額から純額の計上となったこと等が影響し、減収となりました。また、利益面においては、TV配給において大型の作品販売に伴う放映権の償却費が計上されたことにより、減益となりました。
⑤ 物販
物販の売上高は、前期に比べ13.1%減の5,366百万円となり、営業利益は前期に比べ59.7%増の91百万円となりました。収益認識会計基準の導入により、放送・業務用のAV機器販売収入が総額から純額の計上となったことや前期は在宅ワーク推進に伴うパソコン等の機器販売が好調であったことの反動等により減収となりましたが、利益面においては、インテリア部門の好調により、増益となりました。
(注)上記セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んだ金額を記載しております。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は、96,249百万円であり、前連結会計年度末に比べ5,157百万円増加い
たしました。この主な要因は、現金及び預金の増加3,125百万円及びのれんの増加1,690百万円等であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は、21,883百万円であり、前連結会計年度末に比べ3,058百万円増加い
たしました。この主な要因は、買掛金の増加2,198百万円等であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、74,365百万円であり、前連結会計年度末に比べ2,098百万円増加
いたしました。この主な要因は、利益剰余金の増加2,699百万円等であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,170百万円増加し33,037百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、5,137百万円(前連結会計年度は4,424百万円の増加)となりました。これ
は、税金等調整前当期純利益の計上5,012百万円等による資金の増加があった結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、2,103百万円(前連結会計年度は105百万円の増加)となりました。これは、
定期預金の払戻による収入2,428百万円等による資金の増加があったものの、定期預金の預入による支出2,537
百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,506百万円等による資金の減少があった結果
であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、983百万円(前連結会計年度は1,052百万円の減少)となりました。これは、
配当金の支払494百万円及びリース債務の返済による支出259百万円等による資金の減少があった結果でありま
す。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
広告プロダクション(百万円) |
25 |
△31.1 |
コンテンツプロダクション(百万円) |
20 |
△66.2 |
メディア(百万円) |
2,584 |
1.4 |
プロパティ(百万円) |
2,144 |
△8.9 |
物販(百万円) |
3,514 |
△16.3 |
合計(百万円) |
8,288 |
△9.9 |
② 生産実績
当社グループの制作物の種類及び金額はそれぞれに異なっており、また、制作過程も一様でなく生産実績の表示が困難でありますので記載を省略しております。
③ 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 |
前年同期比(%) |
受注残高 |
前年同期比(%) |
広告プロダクション(百万円) |
23,574 |
6.3 |
5,177 |
5.3 |
コンテンツプロダクション(百万円) |
12,179 |
30.1 |
4,219 |
20.4 |
メディア(百万円) |
- |
- |
- |
- |
プロパティ(百万円) |
- |
- |
- |
- |
物販(百万円) |
- |
- |
- |
- |
合計(百万円) |
35,754 |
13.4 |
9,396 |
11.6 |
(注)1.コンテンツプロダクションにおける以下の当社部門及び子会社は受注生産を行っておりません。
当社の映像テクノアカデミア、株式会社ティーエフシープラスの一部の部門、株式会社東北新社クリエイツ、株式会社オフィスPAC、COSUCO INC.、CENTE SERVICE CORP.及び8981 INC.
2.メディア、プロパティ及び物販は受注生産を行っておりません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
広告プロダクション(百万円) |
22,958 |
4.6 |
コンテンツプロダクション(百万円) |
9,050 |
18.6 |
メディア(百万円) |
12,522 |
△7.9 |
プロパティ(百万円) |
3,023 |
△23.7 |
物販(百万円) |
5,202 |
△9.4 |
合計(百万円) |
52,758 |
△0.2 |
(注)1.上記はセグメント間取引消去後の金額を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
株式会社電通 |
7,115 |
13.5 |
8,646 |
16.4 |
株式会社博報堂 |
6,874 |
13.0 |
5,545 |
10.5 |
[経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容]
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 当連結会計年度の経営成績の分析
A.売上高、売上総利益及び営業利益
当連結会計年度では、新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループの事業環境への影響は依然としてあるものの、第1回目の「緊急事態宣言」の影響を大きく受けた前期よりは、受注状況や事業活動は改善しております。
このような環境下、当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ115百万円減少し、52,758百万円(前期比0.2%減)となりました。収益認識会計基準の導入により、従来の方法に比べて、当連結会計年度の売上高は2,095百万円減少しておりますが、広告プロダクション及びコンテンツプロダクションにおいて制作業務の受注が回復しており概ね前連結会計年度水準の売上高となっております。
売上総利益は、前連結会計年度に比べ1,404百万円増加し、14,329百万円(前期比10.9%増)となり、営業利益は前連結会計年度に比べ1,735百万円増加し、4,135百万円(前期比72.3%増)となりました。
B.営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外損益は、前連結会計年度に比べ1,071百万円増加し、1,372百万円の利益となりました。その主な要因は、出資金運用益が前連結会計年度に比べ増加したこと、また、前連結会計年度に損失を計上していた持分法による投資損益が当連結会計年度では利益となったことによるものであります。
経常利益は、前連結会計年度に比べ2,807百万円増加し、5,507百万円(前期比104.0%増)となりました。
C.特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別損益は494百万円の損失となりました。その主な要因は、連結子会社の保有する固定資産のうち、一部の事業用資産について将来の回収可能性を検討した結果「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき減損処理を行い、特別損失を計上したことによるものであります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,953百万円増加し、5,012百万円(前期比143.4%増)となりました。法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ2,250百万円増加し、3,068百万円(前期比275.1%増)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績は、各事業を取り巻く事業環境、例えば当社の提供するサービスに対する顧客の支出動向、技術的優位性、他社との競合状況等により影響を受けます。また、人件費、為替動向、金利水準、固定資産や投資有価証券の評価損・売却損益等も経営成績に影響を与えます。経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は「2 事業等のリスク」に記載いたしました。
③ 課題及び戦略について
当社グループの経営課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしました。継続的成長を実現すべく組織体制の整備、人的資源の配置、自社プロパティへの投資等を積極的に実施いたしております。
(2)資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 [経営成績等の状況の概要](3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資金需要
当社グループの主な資金需要は、CM制作費の支払い、オリジナルコンテンツの製作や購入等の投資並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費の支払いであります。
これらの資金需要に対応するため、貸付極度額20,000百万円の貸出コミットメント契約を締結しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,066百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は33,037百万円となっております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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