業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、本感染症の影響により、度重なる緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用により、経済活動が制限される厳しい状況が続きました。ワクチン接種の広まりとともに景気回復の動きも見られましたが、世界的な資源価格の高騰や消費者物価の上昇による消費者マインドへの影響が懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が続いております。

 

フィットネス業界においては、感染状況に応じた行動制限の影響を受けながらも、運動不足解消のニーズの高まりにより、一時は回復基調となりました。しかしながら、足元においては燃料費等の運営コストが上昇傾向にあり、予断を許さない経営環境が続くものと見込まれます。

 

このような環境の中、当社グループは「生きがい創造企業」という企業理念のもと、感染防止対策を徹底した安全安心な施設の運営を行うとともに、ライフスタイルの変化に伴う新たなニーズに対応したサービスの開発や、地域社会に根ざした健康づくり支援に注力しました。

 

スポーツクラブ事業では、収支構造改革による損益分岐点の引き下げ及び新たな付加価値の創出に注力しました。休会者を除く会員数が前期比で増加したことや、会員価格を順次改定し、会費単価が上昇したことに加え、ITを活用した入会獲得・継続促進施策の強化、人材の適正な配置、水道光熱費等の運営コストのコントロール、施設メンテナンスの内製化等の収支構造改革を進めたことにより、スポーツクラブ事業の売上高は前期比22.2%増となり、収益は前連結会計年度を大幅に上回る結果となりました。また、当連結会計年度末の当社施設の在籍会員数は、332,901名(うちオンライン会員数17,297名)(前年同期比0.7%増)となりました。

 

新たな付加価値の創出への取り組みとしては、フィットネスにおいて、運動の継続につながるコミュニティの形成に必要な要素を盛り込んだ、世界のフィットネス業界で先進的とも言える大規模なスクール制フィットネスプログラムを新たに開発し、導入しました。

 

●「TRYnations Team Training」(トライネーションズチームトレーニング)(5月導入)
    スクール制の特長である段階的指導に加え成果の見える化を行い、トレーニングの継続をサポート
 ●「body REmake Group Training」(ボディリメイクグループトレーニング)(10月導入)
    運動が苦手な方や、肩こり、腰痛等の不定愁訴を抱える方に向けて、身体機能の改善をサポート
 ●「FitnessBeginnerGATE」(フィットネスビギナーゲート)(1月導入)
    ジム初心者の方に向けて、ご利用時の不安に寄り添い運動習慣の定着をサポート

 

スイミングスクールにおいては、2017年に導入した「スマートテニスレッスン」に続き、当社が協力しソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が開発した、業界初となる「スマートスイミングレッスン」を6月以降順次77施設で導入しました。映像とAI技術を活用することによって、スマートフォン等でお子様の泳ぐ姿やレッスン全体の様子が確認できることから好評をいただき、今後導入施設の拡大を予定しております。

 

介護リハビリ事業では、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム」等は、利用者の身体機能の低下を防ぐ必要があることから、緊急事態宣言下でも自治体から営業の継続を求められ、感染防止対策を講じての運営を行いました。当連結会計年度より、介護保険適用外の取り組みとして、利用者の機能改善や日常生活における活動をサポートするために、マッサージ機器やシューズの販売を促進し、当連結会計年度における売上高は、前期比27.8%増となりました。

 

企業・健康保険組合に向けた事業では、学校法人三幸学園のスポーツ系専門学校や介護サービスを展開する企業へ当社従業員を派遣し、当社の運動指導及び健康づくりのノウハウを活かした派遣先のサービス品質の向上に取り組みました。また、企業・健康保険組合の従業員や住友生命「Vitality」の加入者に向けた、スポーツクラブ利用及びオンラインレッスンサービス「RENAISSANCE Online Livestream」利用プランの提供をはじめ、複数の企業・健康保険組合を対象に「健康経営」のコンサルティングや企業講演を実施し、法人を通じて幅広い方々へ健康意識の向上や生活習慣の改善につなげる支援を行っております。

 

自治体に向けた事業では、総務省が支援する「地域活性化起業人」制度等を活用し、18の自治体に従業員を派遣しました。当社従業員の持つ、運動指導ならびにコミュニティづくりのノウハウを活かし、地域が抱える健康課題の解決、拠点施設における企画及び派遣先自治体の魅力発信等に取り組み、当社施設の出店が難しい地域におけるサービス提供の機会が広がりました。公共施設等官民連携事業(PPP)においては、4月より連結子会社となった株式会社BEACH TOWNと連携した民間資金等活用事業(PFI)新規案件の提案が可能となりました。また、学校のプール施設の老朽化に伴う維持管理費の増加や水泳授業に係る教員の負担、天候の影響による授業回数の確保等、学校の水泳授業を取り巻く課題解決に対する需要が高まっており、13の自治体にて水泳授業を実施しました。

 

ベトナムにおいては、当局の指示により5月以降スポーツクラブ施設2施設を休業しましたが、11月以降順次人数制限を設けて営業を再開しました。

 

当連結会計年度においては、下表の施設を新規出店及び運営受託し、株式会社BEACH TOWNの施設を含む当連結会計年度末の当社グループの施設数は、スポーツクラブ135施設(直営102施設、業務受託31施設、ルネサンスベトナム2施設)、スタジオ業態5施設、介護リハビリ35施設(直営28施設、フランチャイズ7施設)、アウトドアフィットネス15施設(直営6施設、業務受託9施設)の計190施設となりました。

当連結会計年度における新規出店及び業態転換施設の実績は、下表のとおりです。

 

出店・開設

時期

施設名

施設形態

2021年4月

堺市立大浜体育館(大阪府堺市)

業務受託

2021年6月

ルネサンス 元氣ジム江古田(東京都練馬区)

介護リハビリ(FC)

2021年7月

スポーツクラブ ルネサンス・イオンタウン吉川美南

(埼玉県吉川市)

スポーツクラブ

2021年7月

ルネサンス 元氣ジム亀戸(東京都江東区)

介護リハビリ(直営)

2021年8月

ルネサンス 元氣ジム石神井公園(東京都練馬区)※移転開設

介護リハビリ(直営)

2021年11月

ルネサンス 元氣ジム戸塚(神奈川県横浜市)

介護リハビリ(直営)

2021年11月

ルネサンス リハビリステーション戸塚(神奈川県横浜市)

介護リハビリ(直営)

 

 

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ35億29百万円減少し、381億89百万円となりました。これは主に、現金及び預金が減少したこと等により流動資産合計が21億7百万円減少したこと、有形固定資産が減少したこと等により固定資産合計が14億22百万円減少したことによるものです。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ38億96百万円減少し、278億67百万円となりました。これは主に、短期借入金が減少したこと等により流動負債合計が29億77百万円減少し、長期借入金やリース債務が減少したこと等により固定負債が9億19百万円減少したことによるものです。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億67百万円増加し、103億21百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益5億13百万円を計上したこと、配当金75百万円を支払ったこと等により利益剰余金が4億38百万円増加したことによるものです。

なお、当社グループの報告セグメントは「スポーツクラブ運営事業」のみであるため、セグメントごとの経営成績等については、記載しておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ22億39百万円減少し、48億55百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。

営業活動により得られた資金は、38億19百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益4億82百万円、減価償却費21億93百万円(前連結会計年度比15.0%減)、未払消費税等の増加額11億16百万円によるものです。

投資活動に使用した資金は、14億21百万円(前連結会計年度比51.4%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出14億4百万円(同38.0%減)によるものです。
 財務活動により使用した資金は、45億55百万円となりました。これは主に短期借入金の純減少額41億5百万円、長期借入金の返済による支出21億22百万円(前連結会計年度比15.3%増)、リース債務の返済による支出5億92百万円(同13.6%増)、長期借入れによる収入20億5百万円、セール・アンド・リースバックによる収入3億48百万円によるものです。

 

なお、主要な財務指標のトレンドは以下のとおりです。

 

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月
(当連結会計年度)

自己資本比率

(%)

41.6

41.6

40.5

23.9

27.0

時価ベースの
自己資本比率

(%)

91.9

86.8

41.2

53.1

48.9

債務償還年数

(年)

2.4

2.7

2.9

4.9

事業収益インタレスト・
カバレッジ・レシオ

(倍)

15.6

15.6

13.4

2.5

 

 

 (注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により計算しております。

      ・自己資本比率              :自己資本/総資産

      ・時価ベースの自己資本比率        :株式時価総額/総資産

      ・債務償還年数              :有利子負債/営業キャッシュ・フロー

      ・事業収益インタレスト・カバレッジ・レシオ:(営業利益+受取利息+受取配当金)/支払利息

     2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

    3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている短期及び長期借入金並びにリース債務を対象としてお

      ります。営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロ

      ーを使用しております。また、支払利息については、連結損益計算書の支払利息を使用しております。

    4.2021年3月期の債務償還年数は営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、また、事業収益インタ

      レスト・カバレッジ・レシオは、営業損失であるため記載しておりません。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社グループは、会員制フィットネスクラブ及びスイミングスクール、テニススクール等のスポーツスクール運営事業、さらにスポーツクラブ施設の運営受託を主たる事業としているため、生産及び受注の内容は記載しておりません。

なお、当社グループの報告セグメントは「スポーツクラブ運営事業」のみであり、外部顧客への売上高を分解した情報は、「第5 経理の状況 注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」をご参照ください。

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する知識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの連結会計年度における経営成績等は、売上高371億20百万円(前期比22.9%増)、営業利益9億12百万円(前年同期営業損失46億2百万円)、経常利益6億32百万円(前年同期経常損失49億2百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益5億13百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純損失87億5百万円)となりました。ルネサンス個別での経営成績等は、売上高368億30百万円(前年同期比22.6%増)、営業利益9億74百万円(前年同期営業損失45億87百万円)、経常利益5億64百万円(前年同期経常損失49億35百万円)、当期純利益4億41百万円(前年同期当期純損失89億18百万円)となりました。また、直営スポーツクラブ1施設を新規出店し、スポーツクラブの在籍者数は332,901名(前期比0.7%増)となりました。

 

当社グループの経営成績は、総合型スポーツクラブ運営事業の会費収入に大きく依存しております。そのため、継続的かつ安定的な収益確保にあたっては、新規入会者の獲得はもとより、退会者の抑制が重要となります。また、そのほかの要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業活動にかかる資金需要において、短期的な運転資金は、主に銀行借入により調達し、長期的な設備資金は、自己資金、建物リース及び金融機関からの借入金により調達しております。
    

 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループは、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産及び負債の報告数値並びに報告期間における収入及び支出の報告数値に与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。当社グループは、売掛債権、前受金、法人税等、退職給付費用、偶発事象等に関する見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じて合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。なお、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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