文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループに関連する見通し、計画、目標等の将来に関する記述は、当社グループが現在入手している情報に基づき本書提出日時点における予測等を基礎としてなされたものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、企業理念として「おいしさの中心、安心の先頭へ。」を掲げております。“おいしさのスタンダード”と“確かな安全性”を追求し、朝起きてから夜眠るまで、毎日のあらゆるシーンで選んでいただける味と品質を持った商品をお届けし、赤ちゃんからご高齢の方まで、すべての人の“いつも”に寄り添い、日々の生活を支える存在でありたいと考えております。
このような企業理念に基づき、当社の社会的価値を高めるとともに、自社飲料(自社生産の飲料)の成長及び収益性改善、また非連続な成長に向けた取り組みを通じて、企業価値・株主価値の最大化を図ってまいる所存であります。
(2)経営環境
国内飲料市場全体では、少子高齢化や人口減少、原材料費や人件費などの生産コストの上昇、物流費の高騰などを背景として、厳しい環境が続いております。一方で、当社の取扱製品である水飲料、茶系飲料及び炭酸飲料の市場については、ライフスタイルの変化などにより、今後も安定的な拡大が見込まれるとともに、ECなどの販売チャネルの多様化などによる競争環境の変化も見込まれております。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社は液種や容量を絞った少品種大量生産、原材料調達から販売までの内製化、及び工場の全国展開により、無駄を徹底的に排除し、「高品質・低価格・安定供給」の飲料の提供を強みとしたドリンク・リーフ事業を主たる事業として展開しております。
上記の経営方針及び経営環境を踏まえて、今後も主たる事業であるドリンク・リーフ事業のうち自社飲料(自社生産の飲料)への様々な取り組みにより、売上高の成長及びそれを上回る利益成長を目指します。
Ⅰ. 自社飲料における「Max生産Max販売」の進化
当社は、「Max生産Max販売(自社飲料工場における1本当たりコストの極小化を目的としたフル生産化(=Max生産)及びMax生産に対応した販売先の確保(=Max販売)」の進化を経営方針として掲げ、生産能力の増強など様々な取り組みを進めてまいりました。
今後も自社飲料における「Max生産Max販売」の更なる進化に向けて、自社飲料工場の設備更新・改良による生産能力増強や製造設備のメンテナンスの徹底による工場稼働率の向上に加えて、新工場建設による生産能力の増強やM&Aによる生産能力の獲得などに取り組んでまいります。これらの取り組みにより、中期経営計画の最終年度である2024年3月期に57百万ケース※(2021年3月期比約130%。新工場及びM&Aは除く)の生産を可能とする生産体制の確立を目指しております。また、生産能力増強に伴う生産数量増加に対応した販売先の確保のために、小売各社とのパートナーシップの深化及びパートナー業態の拡大を進めてまいります。
※ケース:当社は1本当たりの容量に関わらず、1ケース=12Lとしています。
Ⅱ.コスト削減及び生産性向上
当社は、「Max生産Max販売」の推進により自社飲料における生産量及び販売量が拡大するなかで、製造ラインの省人化投資による生産性向上やペットボトル軽量化による原材料費削減といった取り組みを進めてまいりました。
今後は今までの取り組みを継続するとともに、工場敷地内の倉庫建設による物流関連費用の削減など、更なるコスト削減及び生産性向上に取り組んでまいります。
Ⅲ.EC等の新しい販売チャネルの開拓
当社はEC専用の主力商品として強炭酸水「ZAO SODA」とミネラルウォーター「彩水」を楽天市場、amazon、PayPayモール、Qoo10で販売しております。そのなかでも「ZAO SODA」は楽天年間ランキング2021で総合1位や水・ソフトドリンク部門1位を獲得するなど急速に市場へ浸透しております。
今後も、消費者のECシフト(購買場所としてのEC利用割合の増加)といった購買行動の変化に対応して、外部プラットフォームを活用したECチャネルの開拓や育成、自社サイトでの定期購買サービス立ち上げなど、D2C※モデルへのチャレンジを進めてまいります。
※D2C:「Direct to Consumer」の略。消費者に対して製品を直接販売するビジネスモデルのことを指します。
Ⅳ.質の向上
「Max生産Max販売」の推進により、工場人員数、生産量及び販売量が拡大するなかで、人材の質や製品の品質といった質の向上は、事業の安定的な運営にあたり必要不可欠な継続的課題であると認識しております。人材の質の向上は採用基準の明確化や研修などの育成プログラムの実施を通じて実現し、品質の向上は品質体制の強化、従業員の意識向上、PDCAサイクルの磨き上げを通じて実現してまいります。
Ⅴ.M&Aの活用
当社は、これまで青峰ビバレッジ(株)(現在の耳納工場)の買収をはじめとして事業成長・事業拡大の局面においてM&Aを活用してまいりました。今後は、生産能力の獲得に加えて、商流の拡充や物流機能の強化など、目的を明確にした上でM&Aに取り組んでまいります。
Ⅵ.ESGへの取り組みについて
当社は、すべての人の“いつも”に寄り添い、日々の生活を支える存在でありたいという考えのもと、ESGについて積極的に取り組んでおります。具体的には、主にペットボトルの軽量化による1本当たりのレジン使用量の削減及びラベルレス商品への切り替えなどに取り組んでおります。
今後もリサイクルペットボトルへの対応をはじめとしたESGへの取り組みに注力し、社会的価値の最大化を図ってまいる所存です。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、経営方針、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、本業の業績指標を示す営業利益と一過性の償却費負担に過度に左右されることがない業績指標を示すEBITDA(営業利益+減価償却費)を用いております。
お知らせ