事業等のリスク

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の早期対応に努める所存です。

なお、文中における将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

①国内経済、消費動向

当社グループの事業の大部分は、日本国内において展開しております。そのため、日本国内における景気や金融、自然災害等による経済動向の変動、及びこれらに影響を受ける個人消費動向の変動は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②他社との競合

当社グループが事業を展開する飲料市場では、競合企業が存在しております。当社グループは、引き続き、販売価格等において差別化を図り、競争力を維持してまいりますが、競合企業との差別化が困難になった場合や新規参入により競争が激化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③原材料調達

当社グループは原材料として主にレジン(ペットボトルの原材料)、段ボール、キャップ、茶葉等を使用しております。かかる原材料の価格は天候や市場における需給の変化により影響を受けます。また、各工場において多くの電力を使用しております。

当社グループは、特に価格変動リスクが高いレジンに対して長期調達契約や使用量の軽減等の対策を講じていますが、これらの原材料及びエネルギーの価格が継続的に上昇した場合、当社グループの原価を押し上げる可能性があります。また、増加した原価を販売価格に転嫁できない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④為替相場

当社グループは、原材料の一部を日本円以外の通貨建てで国外から調達しております。為替相場の変動のリスクを軽減するために、状況に応じてデリバティブ取引を利用する方針でありますが、当該取引によって全ての為替相場の変動リスクを回避できるわけではなく、為替相場の変動があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤生産体制

当社グループは清涼飲料製品の製造及び茶葉製品の製造を行っております。また、清涼飲料製品及び茶葉製品の一部はグループ外の委託工場で製造しております。

グループ内工場におきましては製造設備が突発的かつ長期的に停止することがないよう、定期的に設備点検等を実施しております。また、委託工場については不測の事態が発生した場合に備えて、全国各地に複数の委託工場を確保しております。しかしながら、天災等による生産への影響を完全に排除できる保証はなく、不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥在庫リスク

当社グループは、販売予測に基づく適切な在庫管理を行うことにより、過剰在庫の発生及び品切れによる販売機会の逸失がないよう努めておりますが、販売予測を誤った場合には過剰在庫又は在庫不足となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦人材の確保

当社グループが今後業容拡大を図るためには、人材を確保し、育成することが不可欠であると認識しております。また、人材の確保のためにはパート・アルバイト労働者や外国人労働者の活用が不可欠であると認識しております。

今後、労働力の減少による人材確保競争の激化、景気回復や雇用環境の好転に伴う賃上げ圧力の増大、処遇格差の縮小を目的とする各種労働関連法、出入国管理及び難民認定法の改正等に起因する労働コストの大幅な増加が発生した場合、もしくは社内人材の育成や人材確保が困難になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧法的規制等

当社グループは事業の遂行にあたって、食品衛生法、製造物責任法(PL)、労働関連法規制、個人情報保護規制、環境関連法規制等、様々な法的規制の適用を受けております。

当社グループは、これらすべての法的規制を遵守すべく、コンプライアンス重視の徹底を図っておりますが、その取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、また、法的規制の強化・変更、予期せぬ法的規制の導入等により、法的規制遵守等に係るコスト負担が増加した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨情報管理

当社グループは生産・物流・販売等の業務を担うシステムを運用するとともに、インターネット販売等を通じて顧客情報を保有しております。これらの個人情報を含めた重要な情報の紛失・誤用・改ざん等を防止するため、システムを含めて情報管理に対して適切な対策を実施しております。しかしながら、今後、停電や災害、ソフトウェア・機器の欠陥、ウィルスの感染、不正アクセス等の予期せぬ事態の発生により、重要な情報の消失、外部への漏洩等の事態が起きた場合、当社グループの信用低下を招き、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩食品の安全性・衛生管理

当社グループは、食品の安全性、衛生管理を経営上の最重要課題として認識し、品質本部を中心としてFSSC22000の維持に取り組むことにより、製品の品質管理・衛生管理を徹底しております。

しかしながら、異物混入製品や食中毒等健康被害を与える可能性のある製品、表示不良品の流通等、重大な品質問題が発生した場合、問題の処理・解決のための多額のコスト負担の発生、当社グループ全体の品質管理に対する評価毀損に伴う受注の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、業界や社会全体に及ぶ品質問題等、当社グループの取り組みを超える事態が発生した場合においても、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪天候・自然災害及び感染症

当社グループの主要製品である清涼飲料は気温の上昇する夏場に需要が拡大し、気温の低下する冬場に需要が縮小することから、2022年3月期の上半期の売上高が通期の53%を占めております。そのため、異常気象といわれるほどの冷夏や自然災害が発生した場合、売上の減少が発生する等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、想定範囲を超えた地震等の自然災害やインフルエンザ等の感染症の大流行が発生した場合、本社機能や生産、物流体制に支障をきたすことが想定され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫有利子負債依存度

当社グループの有利子負債残高(リース債務を含む)は2022年3月期末において7,713百万円であり、有利子負債依存度は45.0%となっております。そのため、金融市場の混乱や景気低迷、金融機関の融資姿勢の変化により借換が困難となった場合や、市場金利の急速な上昇等により支払利息が急激に増加した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬減損会計

当社グループは事業の用に供する様々な固定資産を有しております。「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の適用により、時価の下落や将来のキャッシュ・フローの状況によっては、これらの資産の減損処理が必要となる場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭繰延税金資産の回収可能性の評価

当社は税務上の繰越欠損金を有しております。税務上の繰越欠損金には法人税等の減額効果があることから、その効果が見込まれる金額を繰延税金資産として計上しております。

税務上の繰越欠損金にかかる繰延税金資産の回収可能性は、繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(企業会計基準適用指針第26号)に基づいて判断しておりますが、当社の業績の推移如何により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮新株予約権の行使による株式価値の希薄化

当社は、当社の役員及び従業員に対して、ストック・オプションとしての新株予約権を付与しております。本書提出日の前月末現在(2022年5月31日現在)、その数は510,900株となり、発行済株式総数12,550,500株の4.0%に相当します。また、今後におきましても、当社の役員及び従業員等に対するインセンティブとして新株予約権を付与する可能性があります。

これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式価値に希薄化が生じる可能性があります。

 

⑯CLSA Capital Partners Japan株式会社との関係

当社の株主であるSunrise Capital II, L.P.、Sunrise Capital II (Non-U.S.), L.P.、Sunrise Capital II (JPY), L.P.は、当社発行済株式総数の53.6%を保有しております。また、当社は上記の株主のサブアドバイザーを務めるCLSA Capital Partners Japan株式会社より皆川亮一郎を取締役として受け入れています。

当該株主の当社株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑰調達資金の使途

当社は、上場時の公募増資等により調達した資金の使途について、事業拡大のための新工場建設及び製造設備購入に充当する予定であります。しかしながら、当社を取り巻く経営環境の変化に対応するため、資金を計画以外の使途に充当する可能性があります。また、計画通りに資金を使用した場合においても、想定した投資効果が得られない可能性もあります。

 

⑱事業投資

当社グループは、生産能力増強や生産性向上のため、設備投資やM&Aを有効な手段として位置付けており、今後も必要に応じて実施する方針であります。

設備投資を行う際は投資の必要性や投資効果、回収可能性を評価し、M&Aを行う際は対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行うなど、各種リスクの低減を図る方針であります。しかしながら、想定されなかった事象が実行後に発生する場合や事業展開が計画通りに進まない場合などには、当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、本書提出日現在において具体的に計画している企業買収や資本提携等の案件はありません。

 

⑲財務制限条項に関するリスク

当社は、事業上必要な資金調達のため、金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しており、これらの借入契約には、純資産維持及び経常利益確保等の財務制限条項が付加されております。今後、経営成績の著しい悪化等により財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入について期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

なお、財務制限条項の詳細は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 貸借対照表関係」に記載の通りであります。

 

⑳許認可取消に係るリスク

当社グループは、飲料工場において営業許可及びFSSC22000認証を取得しております。当社グループは営業許可及びFSSC22000認証の維持のための取り組みを実施しておりますが、営業許可又はFSSC22000認証が取消された場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

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