業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、引続き経済活動は制限され、厳しい状況となりました。一旦は再開された経済活動も、新型コロナウイルス感染に加えて新たな変異株であるオミクロン株の感染拡大の懸念も広がり、先行きは不透明な状況が続いております。

 コーヒー業界においても、新型コロナウイルス感染の影響が継続したことにより、感染防止対策のための活動自粛や、外食需要の低迷、巣ごもり消費による内食へのシフトなど食の消費行動における変化に伴い、新しい生活様式が定着してきております。

 これにより、当社グループにおいては、事業活動に対して一定の影響を受けております。

 巣ごもり消費によって個人消費が回復する傾向にある中、業務用事業、家庭用事業においては新しい生活様式を踏まえた営業提案を行っておりますが、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の前の状況に戻るまでには至らず、引続き厳しい経営環境が続いております。

 このような状況の中、当社は、「コーヒーをコアに人と環境にやさしい企業を目指す」の企業理念の下、2020年8月31日に「2020年~2024年中期経営計画(骨子)ResilientPlan2020」を策定し開示しております。このレジリエントプランに基づき、コロナショックへの環境適応のために既存方針の加速を決断し、構造改革の推進及び一杯抽出事業への設備投資、業務用事業におけるプレゼンスの向上、工場再編によるコスト優位性をレジリエントプランにおける成長ドライバーと位置付け、レジリエントカンパニーを目指し取組みを始めております。

 また、政府や各自治体のガイドラインに基づき、引続き従業員の感染拡大の抑制に取り組み、お客様へ安全・安心な製品の安定した供給を徹底する一方、売上減少が著しい中、業務効率化を図り、経費削減に努めてまいりました。

 工業用コーヒーにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、新型コロナウイルス感染拡大の前の状況に比べると、各主要大手取引先への取扱数量が大幅に減少しておりますが、新型コロナウイルス感染拡大の長期化により新しい生活様式が定着し、前年に比べるとその影響度合いは若干改善してきており、前年よりも売上、数量ともに上回ることとなりました。

 業務用コーヒーにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言後も、引続き業務用事業の主要取引先であるカフェチェーン・レストラン・コンビニエンスストア・オフィスコーヒーサービスやホテル等のコーヒー需要が低迷し影響を受けましたが、新型コロナウイルス感染拡大の長期化による新しい生活様式を踏まえた営業活動を行ったことで、売上高、出荷数量ともに増加し、前年を上回りました。

 家庭用コーヒーにつきましては、巣ごもり消費による内食へのシフトなど食の消費行動が大きく変化したことによって個人消費に拡大傾向がみられ、PB製品の受注が増加し前年を上回りました。

 株式会社アートコーヒーについては、新型コロナウイルス感染拡大による自粛、緊急事態宣言に伴い、主に外食関係の取引先の臨時休業及び時短営業により、業務用の取引先が主体であった株式会社アートコーヒーの売上高に大きな影響を受けました。売上高、出荷数量ともに減少し、前年を下回りました。

 以上の取組の結果、当連結会計年度の売上高は15,218百万円(前年同期比4.2%増)となりました。営業利益は13百万円、経常利益は23百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は294百万円となりました。

(2)キャッシュ・フロー

 ①キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より570百万円増加し、4,798百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、466百万円となりました。これは主に、減価償却費287百万円、有形固定資産除却損183百万円、たな卸資産の減少178百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は595百万円となりました。これは主に、投資計画に基づいた有形固定資産の取得による支出が1,189百万円ありましたが、有形固定資産の売却による収入1,800百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は491百万円となりました。これは主に、配当金の支払106百万円及び長期借入金の返済による支出381百万円によるものであります。

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

 前年同期比(%)

コーヒー関連事業(千円)

12,305,518

105.4

合計

12,305,518

105.4

 (注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

 前年同期比(%)

コーヒー関連事業(千円)

508,372

289.8

合計

508,372

289.8

 (注)1.金額は仕入価額によります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)主要原材料の実績

①主要原材料の入手量、使用量及び在庫量

 原材料名

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

入手量

(トン)

前年同期比

(%)

使用量

(トン)

前年同期比

(%)

在庫量

(トン)

前年同期比

(%)

コーヒー生豆

29,876

108.9

30,108

107.2

1,586

87.3

②主要原材料の価格の推移

 原材料名

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

2021年3月

2021年6月

2021年9月

2021年12月

コーヒー生豆(円/kg)

363.26

385.88

380.81

459.58

 (注)1.価格は購入価格の平均で表示しております。

2.当社製品の主要原材料でありますコーヒー生豆は国際商品であり、かつわが国では全量輸入のため、当社の仕入価格は国際商品市況及び為替相場の変動による影響を受けております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)受注実績

 当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

コーヒー関連事業

15,843,674

109.8

274,918

115.8

合計

15,843,674

109.8

274,918

115.8

 (注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(5)販売実績

 当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

 前年同期比(%)

コーヒー関連事業(千円)

15,218,566

104.2

合計(千円)

15,218,566

104.2

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 相手先

 前連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社MCアグリアライアンス

3,449,384

23.6

3,106,014

20.4

アサヒ飲料株式会社

1,636,820

11.2

1,545,488

10.2

UCC上島珈琲株式会社

1,347,913

9.2

1,757,058

11.5

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年12月31日)現在において判断したものであります。

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 詳細につきまして、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に下記記載のとおりであります。

 

(2)経営成績の分析

① 売上高

 売上高の詳細については、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析][業績等の概要](1)業績に記載のとおりであります。

② 売上総利益

 当連結会計年度の売上総利益は2,396百万円となりました。

③ 営業利益

 当連結会計年度の営業利益は13百万円となりました。

④ 経常利益

 当連結会計年度の経常利益は23百万円となりました。

⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

 法人税等調整額を263百万円利益計上した影響により、当連結会計年度は294百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。

 なお、セグメントの分析は、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析][業績等の概要](1)業績の項目を、また今後の事業環境の見通しと当社グループの課題につきましては、第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]の項目を、それぞれご参照ください。

(3)財政状態の分析

① 資産

 流動資産は、前連結会計年度より626百万円増加し、8,832百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が570百万円、受取手形及び売掛金が341百万円増加し、商品および製品が77百万円、原材料及び貯蔵品が97百万円減少したことによります。固定資産は、前連結会計年度より469百万円減少し、5,872百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が528百万円、無形固定資産が21百万円減少したことによります。

 この結果、当連結会計年度末の総資産は、157百万円増加し、14,704百万円となりました。

② 負債

 流動負債は、前連結会計年度より889百万円増加し、5,025百万円となりました。主な要因は、短期借入金343百万円増加、未払金が370百万円、未払法人税等が54百万円及び未払消費税等が52百万円増加したことによります。固定負債は、前連結会計年度より929百万円減少し、3,580百万円となりました。主な要因は長期借入金が725百万円、繰延税金負債が140百万円減少したことによります。

 この結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度より40百万円減少し、8,605百万円となりました。

③ 純資産

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度より198百万円増加し、6,098百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は41.5%となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

① キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は466百万円、投資活動の結果得られた資金は595百万円、財務活動の結果使用した資金は491百万円となりました。その結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は4,798百万円となりました。

② キャッシュ・フロー指標

主要項目

当連結会計年度

(2021年12月31日)

自己資本比率(%)

41.5

時価ベースの自己資本比率(%)

92.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

8.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

15.5

・自己資本比率:自己資本/総資産

・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)によって算出しております。

・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー

 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。

・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い

 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

①キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(4)キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりです。

 

②資金需要

 当社グループの運転資金需要は、原材料費、製造経費、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修等に係る投資資金によるものであります。

 

③財務政策

 当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。

 

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