文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは金属を加工する工作機械、および電子部品実装機などの電子機器を中心とした生産設備の販売を行なう機械専門商社です。創業以来「産業の西と東を結ぶ橋」として、国内外の生産設備をお客様へ提供し利潤をあげていただくことで発展・成長を遂げてきました。
機械設備の総合プランナーとして適切な提案を行なうセールスエンジニアと納入する生産設備の試運転・修理を担う技術部門が連携することで、信頼と感動を与える商品・サービスを提供することを基本方針としています。
(2)中長期的な会社の経営戦略
第11次中期経営計画期間(2019年~2021年)は、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延による国・地域間の移動が制限された結果、十分な営業活動を行なうことが出来ず、中期経営計画の達成にも深刻な影響を及ぼしました。当社グループは2024年に創業100周年を迎えます。第12次中期経営計画は次の100年の発展に向けて礎を築く期間として、以下のテーマに取組み会社の持続的成長と企業価値の向上に努めてまいります。
目標
① 収益力の向上
2024年度に連結売上高140億円、営業利益7億円(営業利益率5.0%)以上を目指す。
② 経営効率の向上
資本効率の向上により、ROE(自己資本利益率)5.0%以上を目指す。
基本戦略
① 主力商品(電子機器および工作機械)の収益力強化
主要メーカーとの連携を強化し販売力、技術力の強化を図る。
高精度、微細加工を必要とする次世代製品への対応。
高付加価値商品の提案により利益率の向上を図る。
② 新市場、および新商品への積極対応
海外子会社との連携による市場開拓。
ニッチ商品の発掘と提案。
③ 光電子装置販売の発展
レーザーラボラトリーの活用による市場開拓。
次世代高速通信に向けた光通信分野の展開。
④ 環境問題への対応
企業活動により発生する環境負荷の削減に具体的目標を定め、実践する。
環境に配慮した商品の販売。
⑤ 非財務的事項の充実
人的資源への投資。
サステナビリティの推進。
BCP(事業継続計画)の見直し。
(3)経営環境について
当社グループの主力商品である、電子機器、工作機械及び測定機器の主たる販売先はいずれも製造業であります。
電子機器の販売市場では、当社は主として電子部品実装機及びその関連機器を販売しております。具体的にはパナソニック㈱製モジュラーマウンター、スクリーン印刷機及び国内メーカーの液晶ボンダーであります。パソコン、スマートフォンなど情報機器の小型高性能化や、自動車の電動化、安全技術の高度化の進展により、電子部品の高精度な実装及び高速化が望まれております。当連結会計年度末時点では半導体不足などの懸念材料もありますが徐々に環境が整い、生産の回復とともに同製品の需要が拡大するものと推測いたします。
工作機械の販売市場では、当社は主として高精度な微細加工が特徴であるロロマティック社(スイス)製の工具研削盤の輸入販売を行っております。お客様である切削工具メーカーは、当社が販売した工具研削盤により、金属の精密微細加工を行い、超硬小径エンドミル(工作機械へ装着し、鋼材、ステンレス、アルミなどを加工する工具)などを製造しております。切削工具は電子部品や情報通信機器、自動車、航空機関連などの製造業で使用されております。今後も製品の小型化・微細化が進展する方向にあり、そのための切削工具、そしてそれを製造するための高精度な工具研削盤は欠かせないものであります。同市場では航空機産業は移動制限の長期化により新規投資の凍結などが見られますが、情報通信機器の高度化、自動車の電動化対応は環境問題や今後の生活様式の変化に対応するために積極的な設備投資需要があり、徐々に需要の回復が見られております。
測定機器の販売市場では、当社は主として光学式三次元測定機の輸入販売を行っております。製品の形状を精度高く容易に測定することができ、業界を問わず試作品や完成品検査には欠かせない装置であります。米国のQVI社の製品であり、同社は画像による非接触測定機のパイオニアとして世界65ヵ国以上に納入実績があり、高度な技術力と長年の信頼性の確保とともに、日本では同製品に特化したソフトウェア企業と連携し、日本での使い勝手の良さを追求した商品となっております。今後も品質管理の観点から一定のニーズがあるものと考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの主要事業は、電子部品実装機を中心とする電子機器の国内及び輸出販売、ならびに工作機械及び測定機器の輸入販売であります。当連結会計年度は中国向け輸出販売が増加しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内外で移動制限等が実施され、輸入販売を中心とした国内販売が減少しました。
電子機器の輸出販売は主に中国市場向けで、今後も成長市場である高速通信規格「5G」関連の通信機器、自動車の電動化に向けて積極的な設備投資が続くと思われます。引き続き、当社グループ間の連携を強め、取引先の情報を積極的に収集することで在庫と資金管理を強化し、収益の確保に繋げてまいります。
また、工具研削盤等の工作機械、非接触三次元測定システム等の測定機器は国内販売が中心で、当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せないことから、期の前半まで製造業の設備投資需要が低迷しました。しかし、電子機器と同様に情報通信・車載関連機器向けの工具需要等が増加し、設備投資も回復基調に推移しております。現時点では新型コロナウイルスの影響により海外メーカーへの訪問、メーカー技術者の来日等に制限がありますが、このような状況でも、これまで培ってきた当社の営業力及び技術力をさらに向上させ、お客様の期待に応えるべくサービスの提供を実践してまいります。
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