(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、首都圏を中心とした度重なるまん延防止等重点措置および緊急事態宣言の発令をはじめとした、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、困難な状況が続いております。新型コロナウイルス感染症に関する予防ワクチン接種が進んだこともあり、新型コロナウイルス感染症の感染者数の減少に伴う各種規制の緩和等が行われたことにより経済社会活動の持ち直しが期待されますが、原油、原材料価格の高騰やウクライナ情勢等による地政学的リスクの上昇が懸念され、依然として先行き不透明な状況が続くと予想されます。
外食産業におきましても、度重なるまん延防止等重点措置および緊急事態宣言の影響による外出機会の減少、行政の要請に基づく営業時間の短縮、およびソーシャルディスタンス(社会的距離)確保のための客席数の削減等が行われるなか、例年に比して外食需要が大きく減少し、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような状況下、当社グループは、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策を実施し、お客様に安心して店舗をご利用頂ける環境づくりに努めるとともに、ブランド力の更なる向上および商品・メニュー戦略の立て直しのため、季節ごとのフェアメニューの強化等に取り組んでまいりました。また、店舗オペレーションの標準化による提供時間の遅延解消等によるお客様数・売上高の回復、ならびにコロワイドグループとの協働による調達コストの削減および店舗労働時間の管理徹底による労務費の適正化等、収益性の改善に取り組んでおります。
この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は188億34百万円(前年同期比16.7%増)、営業損失5億94百万円(前年同期は営業損失33億43百万円)、経常損失5億32百万円(前年同期は経常損失33億68百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は19億10百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失46億69百万円)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は8百万円減少し、営業利益は43百万円増加し、経常利益は4百万円減少しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 国内直営事業
国内直営事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が続くなか、労働時間の適正化等コスト管理を行ったことに加え、店舗オペレーションの簡素化により商品提供時間の短縮を実現し、定期的なフェアメニューの展開、テレビCM放映等の広告宣伝および各種販売促進活動等を実施した結果、売上高・セグメント利益ともに前連結会計年度より改善することとなりました。
店舗展開につきましては、「大戸屋ごはん処」1店舗(イオンモール高崎店)の新規出店を行いました。国内直営事業でありました3店舗(ゆめタウンはません店、BiViつくば店、コクーンシティ店)を国内フランチャイズ事業とした一方、国内フランチャイズ事業でありました2店舗(鶴見西口店、小牧店)を国内直営事業としました。また、5店舗(京都三条鴨川店、渋谷文化村通り店、仙台マーブルロード店、新宿アイランドイッツ店、宝塚安倉店)を閉店いたしました。
これにより、当連結会計年度末における国内直営事業に係る稼働店舗数は「大戸屋ごはん処」130店舗、その他3店舗となりました。
以上の結果、国内直営事業の当連結会計年度の売上高は107億96百万円(前年同期比18.5%増)、セグメント損失は7億28百万円(前年同期は23億78百万円の損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は4百万円減少、セグメント損失は48百万円減少しております。
② 国内フランチャイズ事業
国内フランチャイズ事業においても、国内直営事業同様に定期的なフェアメニューの展開、テレビCM放映等の広告宣伝および各種販売促進活動等を実施した結果、売上高・セグメント利益ともに前連結会計年度より改善することとなりました。
店舗展開につきましては、「大戸屋ごはん処」1店舗(関内セルテ店)の新規出店を行いました。また、国内フランチャイズ事業でありました2店舗(鶴見西口店、小牧店)を国内直営事業とした一方、国内直営事業でありました3店舗(ゆめタウンはません店、BiViつくば店、コクーンシティ店)を国内フランチャイズ事業としました。また、13店舗(JR琴似店、野々市店、岡崎店、富山魚津店、岡崎南店、福井月見店、イオンタウン武富店、藤沢駅前店、ひたちなか店、コクーンシティ店、豊田前山店、イオンモール盛岡南店、佐賀南バイパス店)を閉店いたしました。
これにより、当連結会計年度末における国内フランチャイズ事業に係る稼働店舗数は「大戸屋ごはん処」169店舗となりました。
以上の結果、国内フランチャイズ事業の当連結会計年度の売上高は55億59百万円(前年同期比13.8%増)、セグメント利益は8億58百万円(前年同期比174.1%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は9百万円増加し、セグメント利益は9百万円増加しております。
③ 海外直営事業
海外直営事業においては、店内飲食の制限等により依然として厳しい環境が続きました。ただし、米国ニューヨーク州では新型コロナウイルス感染症の感染予防ワクチンの接種が進み、店内飲食の制限等の規制緩和があったこと等から売上高・セグメント利益ともに前連結会計年度より改善することとなりました。
当連結会計年度末における海外直営事業に係る稼働店舗数13店舗(香港大戸屋有限公司が香港において5店舗、OOTOYA ASIA PACIFIC PTE. LTD.がシンガポール共和国において3店舗、AMERICA OOTOYA INC.が米国ニューヨーク州において4店舗、M OOTOYA (THAILAND) CO., LTD.がタイ王国において1店舗)を展開しております。
以上の結果、海外直営事業の当連結会計年度の売上高は21億17百万円(前年同期比18.4%増)、セグメント損失は2億44百万円(前年同期は3億73百万円の損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用の影響はありません。
④ 海外フランチャイズ事業
海外フランチャイズ事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、厳しい環境が続いております。ただし、地域によって差はあるものの店内飲食の制限等の規制緩和があったこと等から回復傾向にあり、セグメント利益は前連結会計年度より改善することとなりました。
当連結会計年度末における海外フランチャイズ事業に係る稼働店舗数101店舗(タイ王国において46店舗、台湾において43店舗、インドネシア共和国において11店舗、中国上海市において1店舗)を展開しております。
以上の結果、海外フランチャイズ事業の当連結会計年度の売上高は1億64百万円(前年同期比5.6%減)、セグメント利益は73百万円(前年同期比9.0%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は14百万円減少し、セグメント利益は14百万円減少しております。
⑤ その他
その他は、タイ王国におけるプライベートブランド商品の輸入・販売事業であり、当連結会計年度末現在、THREE FOREST (THAILAND) CO., LTD.がプライベートブランド商品の輸入・販売をタイ王国で行っております。
その他の当連結会計年度の売上高は1億95百万円(外部顧客に対する売上高。前年同期比9.2%増)、セグメント利益は8百万円(前年同期は2百万円の損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
b.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は98億9百万円(前連結会計年度末比7.7%増)となりました。
当連結会計年度末の流動資産は、現金及び預金43億29百万円を主なものとして60億62百万円(前連結会計年度末比7.5%増)、固定資産は、店舗等の有形固定資産9億84百万円と敷金及び保証金16億89百万円を主なものとして37億46百万円(同8.1%増)となりました。これは主に、現金及び預金が6億59百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は63億93百万円(前連結会計年度末比16.2%減)となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、買掛金7億95百万円、1年内返済予定の長期借入金6億40百万円および未払金9億63百万円を主なものとして33億60百万円(前連結会計年度末比38.0%減)、固定負債は、長期借入金16億40百万円、資産除去債務7億32百万円を主なものとして30億33百万円(同37.3%増)となりました。これは主に、短期借入金が30億円減少した一方、1年内返済予定の長期借入金が4億円増加し、長期借入金が10億62百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産は、34億15百万円(前連結会計年度末比131.9%増)となり、自己資本比率は34.0%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益19億10百万円の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。なお、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の期首残高が20百万円減少しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により23億54百万円を獲得し、投資活動により1億60百万円を使用し、財務活動により15億92百万円を使用した結果、43億24百万円(前連結会計年度末比18.0%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果、増加した資金は23億54百万円(前年同期は27億1百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益14億95百万円を計上したためであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は1億60百万円(前年同期は4億96百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億38百万円があったためであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は15億92百万円(前年同期は49億84百万円の増加)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出46億円、長期借入れによる収入20億円があったためであります。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産活動を行っていないため該当事項はありません。
当連結会計年度における食材等仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
① 販売方法
当社グループは、主に大戸屋ごはん処等の直営店舗を展開し、また、フランチャイズ店舗からロイヤルティ等の収入を得ております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(セグメント別販売実績)
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績等を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績について
当連結会計年度中の当社グループを取巻く環境は、度重なるまん延防止等重点措置および緊急事態宣言の影響による外出機会の減少、行政の要請に基づく営業時間の短縮、およびソーシャルディスタンス(社会的距離)確保のための客席数の削減等が行われるなか、例年に比して外食需要が大きく減少し、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような状況下、当社グループは「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりの経営成績となりました。
当連結会計年度につきましては、国内直営事業での107億96百万円(前年同期比18.5%増)、国内フランチャイズ事業での55億59百万円(同13.8%増)、海外直営事業での21億17百万円(同18.4%増)、海外フランチャイズ事業での1億64百万円(同5.6%減)およびその他事業での1億95百万円を合わせて、売上高188億34百万円(同16.7%増)を獲得した一方、コロワイドグループとの共同購買の実施および仕入管理の徹底等により商品原価を抑制しましたが、売上原価は79億71百万円(同9.6%増)、売上総利益で108億62百万円(同22.5%増)となりました。
給与及び手当48億49百万円(同0.9%増)、地代家賃17億80百万円(同2.4%減)を主とする販売費及び一般管理費は総額114億57百万円(同6.2%減)となり、営業損失5億94百万円(前年同期は営業損失33億43百万円)となりました。
営業外収益および営業外費用はそれぞれ1億2百万円(同50.1%増)および40百万円(同56.6%減)となり、経常損失5億32百万円(前年同期は経常損失33億68百万円)となりました。
特別利益23億31百万円(同135.7%増)、特別損失3億3百万円(同85.6%減)となり、法人税等の負担額△4億23百万円(前年同期は法人税等の負担額1億77百万円)および非支配株主に帰属する当期純利益7百万円(同63.4%増)となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益19億10百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失46億69百万円)となりました。
b.財政状態について
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7億3百万円増加し、98億9百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ4億21百万円増加し、60億62百万円となりました。これは現金及び預金が6億59百万円増加したことが主な要因です。また、固定資産は前連結会計年度末に比べ2億82百万円増加し、37億46百万円となりました。これは繰延税金資産が前連結会計年度末に比べ6億39百万円増加したことが主な要因です。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12億39百万円減少し、63億93百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ20億62百万円減少し、33億60百万円となりました。これは短期借入金が30億円減少したことが主な要因です。また、固定負債は前連結会計年度末に比べ8億23百万円増加し、30億33百万円となりました。これは長期借入金が10億62百万円増加したことが主な要因です。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益19億10百万円を計上したことにより、前連結会計年度末に比べ19億42百万円増加し、34億15百万円となりました。
c.資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、新規出店および既存店改装等に係る投資であり、投資活動によるキャッシュ・フローに示した有形固定資産の取得、無形固定資産の取得、長期前払費用の取得および敷金及び保証金の差入による支出総計2億17百万円であります。
これら資金の源泉は、財務活動により獲得した資金であります。
当連結会計年度末の借入金等の状況は以下のとおりであります。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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