有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 株式会社日本アクセスに対する配送依存度の高さについて
当社グループは、各店舗で日々使用する多品種・少量の食材の配送について、全面的に株式会社日本アクセスに委託しております。
効率・コスト面から、同社による配送集中のメリットが大きいと考えておりますが、同社の配送センターにおける事故等、不測の事態が生じた場合には、同社の配送機能が一時的に停止し、当社グループの商品に必要な食材が欠品に陥り、当社グループ店舗の営業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 店舗展開と出店政策について
当社グループは、駅周辺立地、繁華街立地、ショッピングセンター内等の集客力がある施設等への出店を中心として、店舗展開を行っております。
当社グループが新規出店する際の出店先の選定については、店舗の採算性を最も重視しており、差入保証金や家賃等の出店条件、周辺人口や店前通行量等の事前立地調査に基づく投資回収期間および予想利益等の一定条件を満たすものを出店対象物件としております。このため、当社グループの出店条件に合致する物件が出店計画数に満たない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 人材の確保および育成について
当社グループは、店内調理による高品質な商品をお客様に提供することにより、他社との差別化を図っております。そのため、「調理技術」と店舗運営のための「管理能力」を備えた店主の育成が重要であります。従って、人材育成が順調に進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 競合および価格競争の激化について
当社グループが属する外食産業市場は成熟段階に入っており、同業者との競合のみならず、コンビニエンス・ストア等の他業態との競合も激しさを増しています。これら競合先の動向や、外食産業の市場規模の縮小等により、当社グループの商品価格や出店計画等が変更された場合や、来客数が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 店舗の衛生管理について
当社グループは、衛生管理について重視しており、食品衛生研究所を設け、店舗における衛生状態に関する調査・指導を徹底するとともに、外部専門業者による調査も実施しております。また、食材の仕入先の工場についても定期的に調査を実施しております。しかしながら、当社グループにおいて、万一、食中毒などの重大な衛生上の問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 仕入食材について
当社グループは、安全・安心な食材の調達に向けた調達ルートの多様化に加え、トレーサビリティーの追求により、産地、物流を確認しつつ、安全性の確保を図っておりますが、BSEや鳥インフルエンザの様な食材に関する問題が発生した場合、また、天候不順で農作物が不作という状況になった場合には、仕入価格への影響が考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 海外展開について
当社グループは、海外出店に際して事前に入念な調査を行っておりますが、当該国における法規制、宗教、慣習等の違いや、政策変更、経済情勢や為替相場の変動、テロ、戦争の発生等によるカントリーリスクが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外での店舗展開が計画通りの成果を挙げられない場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 経済事情の急変について
世界的な経済金融危機等、今後経済事情に大きな影響を与える事象が発生した場合には、お客様の購買意欲の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 自然災害等のリスクについて
当社グループは、国内外に店舗展開しておりますが、大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 敷金及び差入保証金について
当社グループでは、出店に際して賃貸人に対し敷金及び差入保証金を支払っております。当社グループでは賃貸借契約の時点で賃貸人の資産状況等を審査しておりますが、賃貸人の破綻等により、敷金及び差入保証金の一部または全部が回収不能になる場合や、中途解約となった場合に返還されなくなり、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) フランチャイズ加盟店との関係について
当社グループは、加盟者とフランチャイズ契約を締結し、加盟者に「大戸屋ごはん処」の店舗を出店する権利を付与しております。当社グループは加盟者に対し、食材卸売り等の売掛債権を有しており、加盟店の経営悪化による貸倒が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 固定資産の減損会計について
当社グループは、今後、当社グループが保有する固定資産を使用する店舗の営業損益に悪化が見られ、回復が見込まれない場合や、固定資産の市場価格が著しく下落した場合等には、当該固定資産について減損損失を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度末における、国内直営事業および海外直営事業の有形固定資産残高は、それぞれ567百万円(連結総資産に占める割合5.8%)および66百万円(同0.7%)であります。
(13) 法的規制について
① 法的規制全般について
当社グループでは、会社法、金融商品取引法、労働基準法の法令に加え、食品衛生関係、環境関係などの様々な法的規制を受けております。これらの法的規制が変更された場合には、これに対応するための新たな費用が発生する等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 食品衛生法について
当社グループの直営およびフランチャイズ加盟店舗は、食品衛生法の規制を受けておりますが、食中毒事故等が発生した場合には、当社グループのブランドイメージや社会的信用の毀損につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 主要業態への依存について
当社グループは、現状では「大戸屋ごはん処」が売上高の大半を占めております。他方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるテレワークの広がりや自宅で過ごす時間の増加に対応するため、惣菜事業やテイクアウト事業および冷凍食品の通販・EC販売による外販事業を強化しておりますが、「大戸屋ごはん処」の売上高が予期せぬ事情により著しく減少した場合には、他の事業で補うことが困難であり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 個人情報の保護について
当社グループは、お客様、株主様および従業員等の個人情報を取り扱っております。個人情報の取扱いにつきましては、適正管理に努めておりますが、万一、個人情報の漏洩や不正使用などの事態が発生した場合には、社会的信用の毀損による企業イメージの低下、損害賠償の支払い等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) コンプライアンスについて
当社グループは「コンプライアンス規程」および「リスク管理規程」を定め、「コンプライアンス・リスク管理委員会」を開催するなど、役職員のコンプライアンス意識の醸成と定着に取り組んでおりますが、役職員個人による法令違反などコンプライアンス上の問題が発生した場合には、社会的信用の毀損による企業イメージの低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)新型コロナウイルス感染症の感染拡大について
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は当社グループの業績に影響を及ぼしております。収束時期が見通せないことから依然として先行き不透明な状況が続くと予想されます。感染拡大が収束せず、各国政府や各行政から営業時間短縮の要請等がある場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18)継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、前連結会計年度において営業損失33億43百万円、経常損失33億68百万円、親会社株主に帰属する当期純損失46億69百万円を計上し、当連結会計年度の第3四半期連結会計期間まで継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりました。
当該事象を解消するため、当連結会計年度において、当社グループは離脱者層の呼び戻し、提供時間の遅延解消、仕入コストの削減、労務費の適正化等、QSCの向上およびコストの見直しを図り継続した結果、第3四半期連結会計期間においては連結営業利益を計上する等損益構造が改善し、営業黒字を確保できる体質となりました。
当連結会計年度は、営業損失5億94百万円、経常損失5億32百万円となりましたが、「協力金」等の下支えにより、親会社株主に帰属する当期純利益19億10百万円を計上いたしました。資金面については、当連結会計年度末において、43億24百万円の現金及び現金同等物を有しており、当面の事業資金を確保していることから資金繰り上の懸念はありません。また、2023年3月期は売上高の回復とともに連結営業黒字の計上を見込んでおります。
これらの状況から、当連結会計年度において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況は解消したと判断しております。
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