業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したことにより国内外の経済活動が抑制されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。

当社グループ(以下、「サーラグループ」といいます。)におきましては、2020年11月期を初年度とする第4次中期経営計画における重点課題である「暮らしのSALAの新展開」「SALAの浸透」「変革とチャレンジ」への取組みに注力しました。2年目となる当連結会計年度はコロナ禍のなか、中期経営計画に描いた目標に向けて積極的に各施策に取り組みました。エネルギー&ソリューションズ事業のサーラエナジー株式会社は、法人向け太陽光発電システム第三者所有モデル「サーラのゼロソーラーサービス」事業を開始しました。本事業は、同社が発電事業者として自家消費型太陽光発電設備等を所有して維持管理等を行い、当該設備等で発電された電力をお客さまに供給するものです。エンジニアリング&メンテナンス事業におきましては、お客さまとの接点強化やセグメント内の連携によるソリューション提案を通じた取引拡大を進めたほか、営業、施工、サポート部門のプロセス管理を改善することにより収益基盤の強化に努めました。ハウジング事業のサーラ住宅株式会社は、サーラグループ各社と連携して住まいビジネスを推進するプロジェクトを立ち上げ、住まい関連サービスの複合提案やメンテナンスを通じたお客さまとの接点強化に取り組みました。カーライフサポート事業のサーラカーズジャパン株式会社は、新車・中古車の販売体制を再構築するとともに整備工場の拡充によるサービス部門の強化を図りました。アニマルヘルスケア事業の株式会社アスコは、営業所の統廃合や子会社のホクヤク株式会社の統合に向けた準備を進めるなど営業体制の強化を推進しました。サーラグループが参画する豊橋駅前大通二丁目地区再開発事業につきましては、2021年11月に「emCAMPUS(エムキャンパス)EAST」を開業しました。同施設1階の「emCAMPUS FOOD」はマーケット、フードコート及びレストランで構成され、東三河エリアの新しい食文化の創造や食分野における社会課題の解決を担う人材の発掘及び支援を行います。同5階の「emCAMPUS STUDIO」は、「企業研修」「生涯教育」「事業創造」の3つを核とした「学び」のプログラムを東三河エリアの企業や大学、地域で活躍する社会人などに向けて提供するとともに、東三河フードバレー構想の策定と推進を担います。さらに、サーラグループにおけるお客さま情報の利活用に向けて、グループのITシステムを統括する株式会社サーラビジネスソリューションズは、2021年2月にマーケティング・プラットフォーム事業の株式会社サーラライフスタイルイノベーションを統合しました。これにより、お客さまとの最適なコミュニケーションを実現するデジタルマーケティングや、デジタル技術を活用した業務プロセスの改革を加速させる体制を整えました。また、2021年5月にスマートフォン用アプリ「サーラのアプリ」をリリースし、デジタル技術を活用したお客さま接点の強化を図りました。

当連結会計年度の経営成績につきましては、プロパティ事業においてホテルやレストランの利用客数が減少するなど、新型コロナウイルス感染症の影響がみられたものの、売上高は227,935百万円と前連結会計年度比7.7%の増加となり、グループ全体としましては順調に推移しました。利益面はカーライフサポート事業及びハウジング事業における大幅な増益などにより、営業利益は6,592百万円と前連結会計年度比11.0%増加しました。経常利益は為替予約に係るデリバティブ評価益は縮小しましたが、持分法による投資利益が増加したため8,312百万円と前連結会計年度比13.0%増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、事業用資産の減損損失が縮小したことから前連結会計年度比50.6%増加の5,262百万円となりました。

 

 セグメント別の概況は次のとおりです。

 

エネルギー&ソリューションズ事業

売上高  98,983百万円(前連結会計年度比3.4%増)

営業利益  3,004百万円(前連結会計年度比0.4%増)

原料価格の上昇に対応したLPガス、石油製品の販売価格の改定や、リフォーム関連商材の販売が堅調に推移したため売上高は増加しました。利益面は取引先工場の稼働率改善に伴い工業用の都市ガス販売量が増加したことにより、営業利益は増加しました。

 

エンジニアリング&メンテナンス事業

売上高  30,750百万円(前連結会計年度比1.6%増)

営業利益  2,286百万円(前連結会計年度比0.1%増)

建築及び土木部門における完成工事が増加したため、売上高は増加しました。利益面は設備工事及びメンテナンス部門において利益率の高い完成工事が減少したものの、各部門において工程管理を徹底し売上原価の低減に努めたことから、営業利益は微増となりました。

ハウジング事業

売上高  38,582百万円(前連結会計年度比8.1%増)

営業利益    780百万円(前連結会計年度比68.8%増)

住宅販売部門において、分譲住宅は販売プロセスの見直しや早期販売に努めたことにより販売棟数が増加しました。住宅部資材加工・販売部門は、既存取引先の事業エリア拡大に合わせて取引拡大に努めたため、受注が増加しました。以上により売上高、営業利益ともに増加しました。

 

カーライフサポート事業

売上高  15,539百万円(前連結会計年度比19.1%増)

営業利益    267百万円(前連結会計年度比287.9%増)

主力車種のモデルチェンジ効果やプロモーション活動の強化などにより店舗への新規来場者数が増加したため、アウディの新車販売台数は増加しました。また、フォルクスワーゲン、アウディともに中古車の販売台数が大幅に増加しました。以上により、売上高、営業利益ともに増加しました。

 

アニマルヘルスケア事業

売上高  30,920百万円(前連結会計年度比3.8%増)

営業利益    727百万円(前連結会計年度比4.1%増)

畜産部門、ペット関連部門ともに新商品及び重点取組み商品の拡販に努めました。また、コンサルティング営業の強化に継続して取り組んだことにより動物用医薬品の販売は堅調に推移しました。以上により売上高、営業利益ともに増加しました。

 

プロパティ事業

売上高  9,736百万円(前連結会計年度比159.5%増)

営業損失   189百万円(前連結会計年度は営業損失476百万円)

不動産売買部門において、2021年7月に竣工した分譲マンション「ザ・ハウス豊橋」の引渡しに伴い、売上高は大幅に増加しました。利益面は、ホスピタリティ部門において新型コロナウイルス感染症の影響から宴会やブライダル、レストランなどの利用客数の減少が続いたため営業損失を計上しました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加15,816百万円、投資活動による資金の減少4,398百万円、財務活動による資金の減少8,788百万円となり、あわせて2,629百万円増加いたしました。

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、15,816百万円(前連結会計年度比46.6%増加)となりました。これは主に、「税金等調整前当期純利益」8,064百万円、「減価償却費」6,871百万円、「仕入債務の増加額」4,731百万円、「たな卸資産の減少額」3,843百万円などの増加要因と、「売上債権の増加額」4,555百万円、「法人税等の支払額」2,257百万円などの減少要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、4,398百万円(前連結会計年度比28.1%支出の減少)となりました。これは主に、「有形固定資産の取得による支出」5,342百万円の減少要因と、「貸付金の回収による収入」828百万円の増加要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、8,788百万円(前連結会計年度比80.8%支出の増加)となりました。これは主に、「長期借入金の返済による支出」10,548百万円、「短期借入金の純減額」2,571百万円、「配当金の支払額」1,320百万円などの減少要因と、「長期借入れによる収入」5,400百万円、「自己株式の売却による収入」542百万円などの増加要因によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高

(百万円)

前年同期比

 (%)

エネルギー&ソリューションズ事業

エンジニアリング&メンテナンス事業

ハウジング事業

カーライフサポート事業

アニマルヘルスケア事業

プロパティ事業

報告セグメント計

その他

1,384

109.8

合計

1,384

109.8

  (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高

(百万円)

前年同期比

 (%)

エネルギー&ソリューションズ事業

60,232

106.1

エンジニアリング&メンテナンス事業

30,170

100.1

ハウジング事業

31,733

110.1

カーライフサポート事業

12,256

119.2

アニマルヘルスケア事業

25,899

104.0

プロパティ事業

6,172

592.5

報告セグメント計

166,466

109.5

その他

3,099

102.1

合計

169,565

109.4

  (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

エネルギー&ソリューションズ事業

1,586

100.0

119

108.2

エンジニアリング&メンテナンス事業

29,549

100.1

19,469

97.1

ハウジング事業

23,107

104.0

8,196

107.1

カーライフサポート事業

15,866

121.0

598

220.2

アニマルヘルスケア事業

プロパティ事業

5,699

報告セグメント計

75,809

114.1

28,385

101.1

その他

1,833

110.7

435

105.0

合計

77,643

114.0

28,820

101.1

  (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高

(百万円)

前年同期比

 (%)

エネルギー&ソリューションズ事業

98,983

103.4

エンジニアリング&メンテナンス事業

30,750

101.6

ハウジング事業

38,582

108.1

カーライフサポート事業

15,539

119.1

アニマルヘルスケア事業

30,920

103.8

プロパティ事業

9,736

259.5

報告セグメント計

224,514

107.8

その他

3,421

99.1

合計

227,935

107.7

  (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年11月30日)現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。また、当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」をご参照ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 イ.当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

 ロ.当連結会計年度の財政状態の分析

(資産)

 資産は187,481百万円と、前連結会計年度末と比較して529百万円減少しました。これは主に、「仕掛品」が2,580百万円減少したこと、「商品及び製品」が1,613百万円減少したこと、「有形固定資産」が1,481百万円減少したことに対し、「受取手形及び売掛金」が3,413百万円増加したこと、「現金及び預金」が2,585百万円増加したことによるものであります。

(負債)

 負債は120,782百万円と、前連結会計年度末と比較して5,520百万円減少しました。これは主に、「長期借入金(1年内返済予定を含む)」が5,182百万円減少したこと、「短期借入金」が2,571百万円減少したこと、流動負債の「その他」が2,273百万円減少したことに対し、「支払手形及び買掛金」が3,801百万円増加したこと、「電子記録債務」が872百万円増加したことによるものであります。

(純資産)

 純資産は66,699百万円と、前連結会計年度末と比較して4,990百万円増加しました。これは主に、「利益剰余金」が3,941百万円増加(親会社株主に帰属する当期純利益の計上により5,262百万円増加、配当の実施により1,320百万円減少)したことによるものであります。

 

 ハ.経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

 ニ.資本の財源および資金の流動性についての分析

(キャッシュ・フロー)

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

(資金需要)

 運転資金、設備投資、借入金の返済および利息の支払い、ならびに配当金の支払い等に資金を充当しております。このうち設備投資の概要及び重要な設備の新設の計画については、「第3 設備の状況」をご参照ください。

(財務政策)

 当社グループでは資金需要の見通しや金融市場の動向などを総合的に勘案し、最適なタイミング、規模及び手段を判断して資金調達を実施しております。

 また、グループファイナンスの実施により、調達コストの低減とグループ内資金の有効活用を図っております。

 

ホ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当連結会計年度は、第4次中期経営計画の2年目として売上高220,000百万円、営業利益6,000百万円、経常利益6,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,300百万円を計画しました。一方、同年度第2四半期連結累計期間終了時点の業績が売上高を除き当初計画を大幅に上回ったことから、通期の連結業績予想について営業利益6,500百万円、経常利益7,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,500百万円とそれぞれ上方修正しました。

 上方修正した連結業績予想に対し、実績は売上高227,935百万円、営業利益6,592百万円、経常利益8,312百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5,262百万円となり、売上高、営業利益、経常利益につきましては、過去最高を達成しました。

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