課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループはコーヒー等の飲料及び食品の専門商社として主に業務用の分野で事業を行っております。経営理念「ともに考え、ともに働き、ともに栄えよう」のもと、事業活動のミッションとして「世界の食の幸せに貢献する」ことを掲げております。当社グループは1906年創業とわが国にあって比較的長い業歴を有しておりますが、更に業歴を伸ばし「永く続く会社となること」に重点を置いております。その必要条件として以下を規定しております。

・ 社会に必要とされ続ける会社であること

社会と同じ方向を向いて事業を行うこと、利益とともに社会貢献にもしっかり取り組むこと

・ 顧客・取引先に必要とされ続ける会社であること

価値を共有するパートナーから信頼され、頼りにされ、よい顧客、よい取引先であり続けること

・ 株主に必要とされ続ける会社であること

ガバナンスを強化し、適切な還元と発信により株主に愛され、満足し続けていただくこと

・ 従業員に必要とされ続ける会社であること

従業員に適切に報いるだけでなく、働きやすさ、働きがいを追求し、従業員に愛され希望が宿る職場であり 続けること

・ 変化に対応し続ける会社であること

変化に対する感度を高め、変化に対し常にしなやかに対応できる会社であり続けること

・ 利益を安定継続して出し続ける会社であること

社会や環境に配慮しながら事業や取扱商品の新陳代謝をすすめ、労働生産性・資本生産性を追求し続けること、適切な事業ポートフォリオを追求し続けること

 そしてこれらの必要条件の充足を着実に進めていくため、目下、新たな「商売の仕組み」「経営の仕組み」「人事の仕組み」「働く仕組み」の確立や改革改善等、様々な「仕組み化」に取り組んでおります。

 当社グループは当連結会計年度をもって従前の中期経営計画「i (アイ) プロジェクト」を完了し、新たに3か年の中期経営計画をスタートさせました。そのなかでESGやパンデミック、グローバリズムの帰すう、人々の嗜好変化、今後の技術革新のさきにある新たな時代に求められるビジネス構造を見据え、事業の持続的成長を目指してまいります。

 当社の事業はコーヒー・飲料事業、食品事業、海外事業の3つに分類され、それぞれの取り組みは以下のとおりであります。

① コーヒー・飲料事業

 コーヒーや紅茶の輸入、加工、販売を通じて「1杯の幸せ」をつくり、消費者の皆様にお届けしていきます。原料となる作物の特性上、発展途上国との関わりが深く、長期間のパートナーシップの構築により、安定した雇用や技術の向上、生活の改善に貢献していきます。

② 食品事業

 日本国内外で開発する業務用や中食等の食材の販売により「食の豊かさ」を支えていきます。様々な分野でのこだわり食材に加え、共働き世帯に役立つ食材、歳を重ねてもいつまでもおいしく食べられる食材、自然災害等による価格高騰から食卓を守るための食材等の提供により、世の中に貢献していきます。

 

③ 海外事業

 生活様式の変化とともに多様化する日本食のニーズにお応えし、「食」を通じて日本の誇るべき文化と技術を世界に発信していきます。また、海外グループ会社を拠点にそれらの機能をさらに強化し、世界の食文化の発展に貢献していきます。

(2) 経営環境

① 企業構造

当社の企業構造については第1 企業の概況、3 事業の内容の事業系統図のとおりであります。

② 市場環境

コーヒー・飲料事業、食品事業、海外事業それぞれの市場環境・顧客動向は以下のとおりであります。

1)コーヒー・飲料事業

わが国の1人当たりコーヒー消費量は毎年微増にとどまっておりますが、2021年は新型コロナウイルス感染継続により2020年に続いて微減となりました。世界においては、コーヒー消費量は毎年増加を続けていますが、カフェやレストラン等業態によっては新型コロナウイルスの影響を受けました。アジア等の発展途上国におけるコーヒー消費量は国の発展とともに大きく伸びております。わが国のレギュラーコーヒー市場は、一時もてはやされたサードウェーブやシングルオリジンといったブームが落ち着いてまいりましたが、健康志向や環境意識の高まりもあり、こだわりの原料や飲み方に対する消費者の関心は高く、依然、話題に事欠かない状況が続いております。それはコーヒーの製品についても言え、簡便性も備えた1杯抽出(コーヒーバッグ)、嗜好性の高い原料使用、エシカル商品等、既存にとらわれない多様化へと進んできております。

紅茶市場につきましては2018年終わり頃、インフルエンザ予防効果が報道されたことを契機に一時の低迷から回復基調にあり、市場別ではRTD(Ready-to-Drink)のペット飲料が大半を占めております。コーヒーのように産地をうたった茶葉や製法に差別化をもたせたこだわり系の価値をうたう商品も徐々にですが出回るようになってきております。ただ家庭用ではティーバッグが日常的な商品として確立され価格帯や付加価値等で差別化された幅広い商品展開があります。

2)食品事業

わが国の近年の外食産業市場規模のデータによれば、1人当たり外食支出額は僅かながら減少傾向であったところ、2021年は新型コロナウイルスの感染継続により食の市場は、2020年に続いて、外食から中食、内食へと一気にシフトいたしました。さらに人口の減少に加え、高齢化の進展に伴い1人当たりの飲食量が減少することが見込まれる一方、女性の社会進出、共働き世帯、単身世帯の増加による中食需要の高まりにより、外食産業市場規模は今後も減少することが予想されております。日常の食生活で健康の維持・向上を図り、健康寿命延伸やアンチエイジングにつなげたいという意識が広まっており、小売等でも健康訴求商品の取扱い意欲を高め、供給側からは減塩化や健康ニーズに対応した商品の投入が進んでいくとみられております。またそうした健康面からのこだわり食材に加え、1人あるいは2人世帯の増加や家族バラバラの食事が増えることにより、小容量タイプや食べ切りタイプといった個食対応の需要が今後一層、増加すると考えられ、さらには、より調理が簡便な商品を求める傾向は強まっていき、現に容器ごと電子レンジで調理できるような商品が増えたりしております。そうした動向に対するきめ細かな対応、観察力と先回りした対応が求められております。

分野別には、冷凍食品の分野で、近年、外食産業、給食業者、スーパー惣菜での人手不足により調理場、バックヤードの労働軽減のため調理のいらない自然解凍食品の需要が増えております。水産の分野では、わが国の漁船漁業が2010年代後半以降、地球温暖化や乱獲の影響で減少している一方、養殖量は中国やインドネシアやベトナムを中心に急速に伸びております。農産に関しては、近年天候による豊作・不作の振れが顕著なこと、又は人手不足を解消化する効率化の観点から、安定的でオペレーションに優れた原料供給が求められているため、カット野菜や保存が出来る加工野菜の需要が、スーパーやコンビニ、食品メーカーを中心に広がっております。

 

3)海外事業

世界的に新型コロナウイルスの蔓延が続くなかで海外の外食市場は大きな打撃を受けましたが、少しずつ経済活動が回復傾向に向かっており外食需要も回復の兆しが見えてきました。

また、小売用の日本食品では消費者ニーズの変化にうまく対応し順調に推移しております。

農林水産省が発表している2021年の農林水産物・食品の輸出額は1兆2,385億円で2020年比25.6%増と9年連続で過去最高を更新しております。世界各国における輸入食品への規制強化、物流費や原料の高騰、世界情勢等の影響は今後も懸念されますが、2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されて以来、日本食の人気は世界中で高まり続けており、新型コロナウイルス感染拡大が収束し、世界経済が落ち着きを取り戻せば、さらに好ましい環境に向かっていくものと考えております。

なお当社グループ輸出事業の顧客は主に海外で日本食品の販売を手がける卸売業者等で、その内容は、特定の商品を専門的に取扱うところから広範に商品を取扱うところまで幅広くあり、それぞれの事業規模も様々です。そうした顧客に対し、当社グループの専門性を活かすとともに、国内のメーカー=パートナーと緊密に協働し、求められる商品を安定的に供給、信頼に応えております。また顧客と連携し、現地の食品管理に係る諸規制や流通制度にも対応しております。

③ 競合の状況

当社グループの事業について、グループ会社のコーヒー・飲料関連の加工工場資本設備を除き総じて比較的少額の資本により新規参入、あるいは川上・川下からの参入が可能であると目され、事実、相応の競合は存在しております。しかしながら事業遂行にあたっては、かなり高度な専門知識や経験に基づくノウハウ、顧客・取引先との相互の信頼関係が伴わなければならず、当社グループはそうしたソフト面の知見や基盤をもとに競争優位を図っております。コーヒー・飲料事業、食品事業、海外事業それぞれの競争優位のポイントは以下のとおりであります。

1)コーヒー・飲料事業

・ コーヒー、紅茶ともに原料、加工技術、品質管理等に関する広範で深い知見(特にコーヒーに関して業界をリ  ードする諸資格を有する人材の豊富さ)とこだわりの原料から加工、包装までお客様のニーズに合わせた商品価値を提案できること

・ 原料の生産者・輸出業者と長年かけて構築したパートナーシップとそれからもたらされる最新の情報や付加価値の創造力と提案力

・ グループ会社が有する東西の焙煎工場機能

・ コーヒーや紅茶の商品特性からGHG(温室効果ガス)削減や多様性、生産国とともに生きるための社会課題解決型商品の提案とサステナブルな取組とその価値の提供

2)食品事業

・ 食品原料、製品、それらの加工技術、品質管理等に関する広範で深い知見

・ 国内外の多数の食品原料供給者、製品の製造者とのつながり、他方、ニーズ先との接点とそれらの情報の結合

3)海外事業

・ 輸出を行う様々な日本食品に関する深く広範な知識、それらの国内メーカーとの厚い信頼関係

・ 継続して再々変化する輸出先国の輸入食品管理に係る諸規制や流通制度に関する情報、輸出に係る貿易知識

④ 法改正その他

当社グループは、事業の遂行にあたって、品質・衛生・表示面についてわが国の食品衛生法、JAS法及び食品表示法等を遵守しております。加えて海外との取引が盛んな当社は、輸出入を行う商品に関し対象国の法的規制も受けており、各国で法令の変更や新たな法令の施行等があった場合には、それを適切に受け入れ遵守していく必要があります。その上、わが国と輸出入の先の国とで食品衛生等に関する基準が異なる場合には、そのどちらをも充足するように対応していくことが求められております。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

① 利益の絶対金額(最終利益及び営業利益)

 当社グループは、企業として当然のことながら、ステークホルダーとの良好な関係の維持・発展([a]提供する商品に満足いただき顧客から収入を得る、[b]取引先に仕入れた商品や受けたサービスの対価を支払う、[c]従業員に適切に報い安心して働いてもらう、[d]金融機関等に対しサービスに応じた金利、手数料を支払う、[e]国・地方政府にきちんと税金を納める、[f]株主に配当等により適切に報いる)を見据え、それと様々な側面で直接的にリンクする最終利益(親会社株主に帰属する当期純利益)の絶対額確保を最も重視しております。また事業面でその最終利益を特に大きく左右するものとして営業利益をキーとして捉え、その絶対金額及びその従業員1人当たり金額も注視しております。なお、ステークホルダーの満足度という点では従業員満足度等も見ております。

② 自己資本当期純利益率

 当社グループは、株主視線での効率化指標として自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。

 自己資本当期純利益率の最近の状況は次のとおりであります。

回次

第68期

第69期

第70期

第71期

第72期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本当期純利益率(%)

5.6

5.0

1.2

5.3

5.4

 

(注)  自己資本当期純利益率  = (親会社株主に帰属する当期純利益)÷((期首自己資本+期末自己資本)÷2)

自己資本 =  純資産合計-新株予約権-非支配株主持分

 わが国では広く自己資本当期純利益率8%が一つの基準とされておりますが、当社グループはその水準に達しておらず、それを目指し鋭意、努力を進めております。自己資本当期純利益率が「売上高当期純利益率」と「売上高に対する総資産の回転率」と「自己資本比率の逆数」の積に分解されることはよく知られているところですが、「売上高に対する総資産の回転率」の改善を構造的な課題として中長期的に取り組み、短期的には売上高に対する各利益の比率に焦点を当て、なかんずく次項の売上高営業利益率の引き上げを図るべく、事業の見直しや刷新を進めております。

③ 売上高営業利益率

売上高営業利益率の最近の状況は次のとおりであります。

回次

第68期

第69期

第70期

第71期

第72期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高営業利益率(%)

1.5

1.5

1.0

2.2

1.5

 

(注)  売上高営業利益率  = (営業利益)÷(売上高)

 当社グループは、自己資本当期純利益率の構成要素である総資産回転率や自己資本比率が比較的安定的に推移しており、それらと実効税率等をもとに自己資本当期純利益率8%を達成するために必要な売上高営業利益率を概ね2%以上と算定し、それぞれの事業においてこの2%を平均的・安定的にクリアすることを目標にしております。当連結会計年度はコーヒー相場の影響、想定以上の急激な円安及び海上運賃の高騰等が、利益率の低下につながり当社グループ全体として1.5%にとどまりました。今後は売上高営業利益率の改善を着実に進めてまいります。

 

④ 投下資本利益率

事業によって使用する資本は異なり、前項の売上高営業利益率をそれぞれの事業の目標として一律に適用するのは必ずしも適切でないため、新たな中期経営計画より、全社及び各事業の投下資本利益率を算定し、主要経営指標として注視することにしております。これをもとに事業ポートフォリオマネジメントを行い、投資及び経営資源配分の最適化に繋げてまいります。

ちなみに、全社の投下資本利益率の最近の状況は次のとおりであります。

回次

第68期

第69期

第70期

第71期

第72期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

投下資本利益率(%)

2.6

2.5

1.6

3.8

2.7

 

⑤ 運転資本関連項目の回転期間

 当社グループは、グループ会社にコーヒー・飲料関連の加工工場を有しておりますが、主たる事業は商社として卸売業であり、健全にキャッシュフローを回していくとの観点で棚卸資産、売上債権等、運転資本関連項目の回転期間を重視しております。これは前項の投下資本利益率にも影響を与えるものであります。

⑥ 株価純資産倍率

株価純資産倍率の最近の状況は次のとおりであります。

回次

第68期

第69期

第70期

第71期

第72期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

株価純資産倍率(倍)

0.6

0.4

0.3

0.4

0.4

 

(注) 株価純資産倍率=期末株価終値÷1株当たり純資産

 株価純資産倍率は1倍が一つの目安とされておりますが、当社グループはその水準に達しておらず、それを目指し新たな中期経営計画に基づき株価純資産倍率(PBR)の漸次引上げを図るよう努めてまいります。

(4) 中期経営計画について

 当社グループは、長期経営計画実現のための橋渡しとして、中期経営計画をローリング方式により定め、実行しており、2019年3月期より中期経営計画「i(アイ)プロジェクト」(3か年計画)をスタートさせました。それは当社グループを取り巻く様々なステークホルダーから満足をいただき、企業としての収益確保=経済的価値、及び社会的課題の解決=社会的価値の両立を目指そうとするものです。そして、「CSV」の推進と「SDGs」に取り組んでいくことを打ち出しておりました。

 しかしながら同計画は、事業環境の著しい変化等により定量面で初年度は予定どおり進捗させることができず、また2020年に入って以降は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も受けました。そうしたなか、新型コロナウイルスを契機とした食の構造変化への適応を図るよう、家庭用商品、中食向け弁当・惣菜等に力点を置いて営業活動を展開し、次期中期経営計画との繋がりも意識し、GHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や社会的課題の解決のビジネス化等についても検討してきました。その結果、当連結会計年度における売上高は46,729百万円(当初計画値43,701百万円に対し6.9%プラス)、売上総利益は6,637百万円(当初計画値6,341百万円に対し4.7%プラス)、営業利益は695百万円(当初計画値850百万円に対し18.2%マイナス)、親会社株主に帰属する当期純利益は532百万円(当初計画値504百万円に対し5.5%プラス)となりました。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、課題認識として、長きにわたり売上高及び利益が大きく成長しない状況が続いております。それは食品というわが国国内においては成熟した商品を取扱っていることに由来するものと考えられます。とは言え、わが国の食品業界において急成長を遂げている会社は存在しており、当社グループといたしましても、「永く続く」とともに成長の必要性を十二分に認識しております。その成長に関しましては、次の3点をテーマに取り組んでまいります。

・ 既存事業の枠組みのもとでヒット商品を生み出し、それを核に新規事業を発展させること

・ 成長余地のある海外事業を拡大させていくこと

・ 取扱商品に関し、GHG(温室効果ガス)削減等、プロセスやストーリーを含めた付加価値を創っていくこと

上記以外にも、ブルーオーシャンの新規事業分野に進出していくこと、M&Aを積極的に行うことが考えられないではありません。しかしながら前者は、果たしてブルーオーシャンかの見極めが難しく、また既存の当社グループの知見や強みを活かせる分野でないと著しくリスクが高いものと思料しております。また後者は、いわゆるPMI(M&A後の事業統合)が障害となることが多く、わが国では過去のM&Aの多くが失敗であったという事実も考慮し、あくまでも目的でなく手段の一つであるとの認識のもとに選別的に展開することとしております。

そうしたことから当社グループの今後の成長路線のためのテーマとして、上記の3つをまずは優先させております。

このような企業成長と歩調を合わせる形で、当社グループは収益体質の強化、企業としてのより一層の健全化にも取り組んでまいりますが、新型コロナウイルスによる企業の経済活動並びに人々の社会生活への長期的な影響に加え、ウクライナ情勢、為替及び金利の動向、資源価格の高騰や生活必需品の価格上昇に伴う消費マインドの低迷等、先行き不透明な状況が続くことが予想されております。そうしたなか、当社グループは、変化していく世の中の動きを機会ととらえて、迅速かつ的確に対応するとともに投資の効率性を追求しながら、事業の持続的成長を目指してまいります。

当社グループは、2022年3月をもって従前の中期経営計画「i(アイ)プロジェクト」を完了し、新たに3か年の中期経営計画をスタートさせます。その計画のもとに、以下を課題として挙げ、対処してまいります。

① ビジネスの構造・基盤

・投資効率管理の向上(ROIC経営導入の推進、グループの新工場建設にも絡める)

・SDGs視点での価値創造、CSVへの取組強化

・GHG(温室効果ガス)削減を図りながら企業成長の推進(脱炭素社会への適応)

・ESGブランド力のある企業グループ

・データリテラシーの向上・分析力強化

・3年後の目標数字として自己資本当期純利益率(ROE)8%、株価純資産倍率(PBR)1倍

② ガバナンスの強化

・株主との対話機会を増やし充実化

・高度なレベルでのコーポレートガバナンスコード適合

③ 従業員エンゲージメントの向上、人財力の強化

・社員の働きがい向上(もっと働きやすく、もっと働きがいのある会社)

・社員が主体的に取り組む風土作り

・社員に対する積極的なリスキリング

④ 多様性への適応・推進

・多様な人財の活躍

・人権尊重

・意思決定者の偏りをなくし、精度向上、修正力向上

⑤ グループ管理の強化

・グループ各社とのシナジー効果推進

・グループ内人事交流の活性化

⑥ 長期の企業価値向上への取り組み

・今後の投資計画を見据えた内部留保と適切な株主還元とのバランスを図る

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