当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大があったものの、感染症対策や規制緩和の進展により個人消費も持ち直しの動きが見られました。婦人服専門店業界においては、同感染症の感染状況に伴う行動制限等の影響を受けたほか、原材料やエネルギー価格の上昇に伴う仕入コストの上昇、為替の急変動等もあって引き続き厳しい経営環境となりました。
このような状況の中、当社グループは高いアセアン生産比率を維持し、「高感度・高品質・リーズナブルプライス」を商品コンセプトに、お客様視点による「高品質な商品、丁寧な接客、居心地の良い店舗」の実現に努めたほか、EC市場の拡大に伴う自社WEBサイトの充実に取り組み、消費行動の変化に対応した商品企画やSNS等を活用した積極的な集客・販促活動を展開しました。
当連結会計年度の経営成績は以下のとおりです。
当連結会計年度におきましては、売上高476億95百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益49億93百万円(同32.5%増)、経常利益50億57百万円(同27.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益32億55百万円(同35.4%増)となりました。
売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症(デルタ株、オミクロン株)の全国的な拡大の影響を受けましたが、3月以降第4四半期は、3年ぶりの行動制限のないゴールデンウィークとなるなど制限の緩和を受けて人流が回復し、お出かけ需要等も回復したことで増収となりました。
EC事業は、自社アプリのリニューアルや自社WEBサイトの利便性・機能性の向上に注力したほか、随時イベントを開催して積極的に販促活動を行い、ルームウェアや下着などお客様の需要に沿った商品やオケージョン関連商品、お出かけ需要の回復もあって好調に推移し、引き続き自社WEBサイトが事業の成長を牽引しました。
収益面につきましては、EC事業の伸長に加え、アセアン生産での仕入原価低減に努めたほか、値引き販売の抑制や商品の適時投入によるプロパー消化の精度向上、販売チャンスロスの低減にも努めた結果、売上総利益率は60.3%(前年同期比1.2ポイント増)を確保しました。また、為替予約による為替変動リスク低減も高水準維持の要因となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、237億48百万円(前年同期比3.0%増)、販管費率は49.8%(前年同期比1.0ポイント減)となりました。人件費は前期と同水準でしたが、主に売上高の増加に伴う店舗使用料等の店舗費、EC事業の伸長による発送費用等のほか、クレジットやその他決済手段の多様化による手数料等で増加しました。
以上の結果、売上高及び売上総利益を確保したことで、販売費及び一般管理費が前期比増となりましたが、増収増益となりました。
店舗展開につきましては、引き続きスクラップアンドビルドを進めた結果、当連結会計年度末における国内店舗数は871店舗となりました。
(注) 1 前連結会計年度のその他には、ポイント引当金繰入額が含まれております。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度から適用しております。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。
(注) 1 前連結会計年度のその他には、ポイント引当金繰入額が含まれております。
2 その他には、主にEC事業及び卸売事業にかかる売上高が含まれております。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度から適用しております。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。
(注) 従業員数(平均)は、臨時雇用者(年間平均人員:1日8時間換算)を含んでおりますが、製造部門である連結子会社(Honeys Garment Industry Limited)の従業員数は含まれておりません。
(注) 上記金額は、仕入価格によっております。なお、仕入価格には当連結会計年度の為替予約差益1,230,894千円及び前連結会計年度の為替予約差益369,752千円は含まれておりません。
(資産の状況)
総資産は、前連結会計年度末に比べて、34億11百万円増加して465億79百万円となりました。これは、主に為替予約が15億65百万円、売掛金が7億31百万円、棚卸資産が7億19百万円、建物及び構築物が6億64百万円それぞれ増加し、現金及び預金が11億32百万円減少したこと等によるものです。
(負債の状況)
負債は、前連結会計年度末に比べて、13億71百万円増加して88億24百万円となりました。これは契約負債が15億79百万円増加し、未払法人税等が1億20百万円減少したこと等によるものです。
(純資産の状況)
純資産は、前連結会計年度末に比べて、20億40百万円増加して377億54百万円となりました。これは収益認識に関する会計基準等の適用により期首利益剰余金が12億53百万円減少したほか、為替換算調整勘定が1億17百万円減少し、利益剰余金が24億18百万円、繰延ヘッジ損益が10億88百万円それぞれ増加したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は81.1%となり、安定した財政状態を維持しております。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて11億32百万円減少し、125億37百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、22億13百万円(前連結会計年度比71.3%減)となりました。
これらは、税金等調整前当期純利益が49億38百万円(同32.7%増)、減価償却費が10億72百万円生じた一方で、法人税等の支払額16億88百万円、棚卸資産の増加7億38百万円、売上債権の増加7億31百万円により、資金が減少したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、24億72百万円(同31.5%増)となりました。
これらは、新規出店及び改装のほか、物流センター増築工事等に伴う有形固定資産の取得13億49百万円、投資有価証券の取得5億95百万円、金銭の信託の取得による支出4億円により、資金が減少したことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、8億37百万円(同14.4%減)となりました。
これらは、配当金の支払額8億36百万円により、資金が減少したことが主な要因であります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要は主に、商品仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期の資金需要は、店舗の新設や改装、システム投資、ミャンマー現地法人の設備投資など成長投資等によるものであります。
運転資金及び長期資金は、主として営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。また、グループの資金は、当社がグループ全体を管理することにより、グループの資金効率の向上を図っております。
なお、営業活動によって得られた資金は、上記のとおり、運転資金及び設備等に充当するほか、連結配当性向30%を目途に株主還元してまいります。
(7) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2025年5月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、2025年5月期の数値目標を、連結売上高550億円、連結営業利益60億円、連結営業利益率10.9%、ROE9.0%、EC売上比率14.5%と定めました。
次期の連結業績見通しにつきましては、売上高505億円(当連結会計年度比5.9%増)、営業利益55億円(同10.2%増)、経常利益55億円(同8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益35億円(同7.5%増)を見込んでおります。
なお、業績見通しは、オミクロン株の感染収束に伴い個人消費を中心に概ね正常化することを前提に算出しておりますが、一方で、資源価格の上昇や円安を受けたエネルギー、食料品を中心とした日用品の価格上昇が続き、家計の実質所得は伸び悩みも懸念されますので、営業環境の変化等により業績見通しの修正が必要となった場合におきましては、判明次第速やかに開示いたします。
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