当連結会計年度の国内経済は、新型コロナウイルス感染症は感染第3波のピークアウトに始まり回復の兆しが見えたものの、その後の第4、第5、第6波と相次いで周期的な感染拡大に見舞われましたが、コロナワクチンの接種率向上やマスク着用の日常化などの感染対策の普及により前年度に比較して徐々に経済活動は活性化してまいりました。
一方、海外ではロシアによるウクライナ侵攻により、3月より原油や穀物など関連するコモディティ価格の高騰や円安による物価上昇や安全保障などの様々な局面に影響を与えうる要因が発生するなど、多難な1年となりました。
当社ではニューノーマルな時代に対応すべくガソリンスタンド用精算機、ATМ、自動販売機といった非接触機器向け及び医療機器向けの需要獲得を目指して活動して参りました。国内につきましては商品の供給不足はあったものの従来からの訪問営業の他、ICTによるオンライン商談などにより顧客対応を強化し、コロナ前の受注水準に概ね回復しており、海外につきましても、北米ガソリンスタンド向け等の当社製ミニプリンタの出荷が堅調に推移いたしました。
(2) 財政状態の分析
① 財政状態
資産、負債および純資産の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて8.7%増加し、66億27百万円となりました。これは、主として受取手形、売掛金及び契約資産が2億61百万円増加、原材料及び貯蔵品が1億25百万円増加、したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.9%増加し、20億75百万円となりました。これは、主として投資有価証券が49百万円増加したことによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて7.0%増加し、87億3百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて19.6%増加し、17億90百万円となりました。主な増減は、支払手形及び買掛金が1億46百万円の増加、未払法人税等が1億17百万円の増加となっております。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて3.7%減少し、4億19百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて14.4%増加し、22億9百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて4.7%増加し、64億93百万円となりました。主な要因は利益剰余金3億11百万円の増加及びその他有価証券評価差額金21百万円の減少であります。
1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて54円98銭増加し、1,233円85銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の76.3%から74.6%となりました。
② 財政政策
当社グループの財政政策の基本につきましては、運転資金は内部資金により賄うこととしており、当面借入金による資金調達を行わない方針であります。
(3) 経営成績の分析
① 経営成績
売上高は、58億76百万円(前年同期比13.3%増)となりました。
営業利益は、4億72百万円(前年同期比50.6%増)となりました。
経常利益は、6億44百万円(前年同期比68.3%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、4億16百万円(前年同期比74.2%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用による影響は 第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)に記載しております。
商品群別業績では、次のとおりであります。
当連結会計年度における商品群別売上は、
ミニプリンタメカニズムが1億54百万円(前年同期比12.9%増)。
ケース入りミニプリンタの売上高は32億60百万円(前年同期比15.3%増)。
ミニプリンタ関連商品は8億86百万円(前年同期比30.2%増)。
消耗品は4億40百万円(前年同期比9.3%増)。
大型プリンタは1億16百万円(前年同期比4.2%増)。
その他は10億19百万円(前年同期比0.7%減)となりました。
② 生産、受注及び販売の状況
当社グループの報告セグメントは「ミニプリンタの開発・製造・販売事業」のみですが、以下ではより詳細な区分に分類し開示を行っております。
※1 金額は、製造原価となっております。
※2 ミニプリンタメカニズムを含んでおります。
※ その他の商品のうち主な商品は、PC、タブレット、ディスプレイ、サイネージ、スキャナー、
カードリーダーとなっております。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、(以下「資金」という。)前連結会計年度に比べ4億85百万円増加し24億47百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によって獲得した資金は、2億56百万円(前年同期2億93百万円)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益の計上6億44百万円、減価償却費92百万円、仕入債務の増加1億46百万円のインフローに対し、為替差益1億45百万円、売上債権の増加2億61百万円、棚卸資産の増加1億40百万円のアウトフローとなったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によって得られた資金は、2億98百万円(前年同期5億5百万円)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入33億36百万円に対して、定期預金の預入による支出29億6百万円であったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により支出した資金は1億42百万円(前年同期1億46百万円)であり、これは主に配当金の支払1億5百万円によるものであります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) に記載しております。
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