業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

① 経営成績の状況

当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスワクチンが普及したものの、変異株による感染の再拡大等、引き続き厳しい状況となりました。また、世界経済におきましても原材料価格やエネルギー価格の上昇等、先行きは不透明な状況となっております。

食品業界では一定の内食需要が続く一方、外食業界におきましては、外出自粛や時短営業要請の影響が大きく、経営環境は厳しいものとなっております。

このような状況のもと、当社グループは、お客様とのコミュニケーションを大切にしたファンベース経営を軸とし、食品事業とレストラン事業の顧客基盤の融合を図り、事業の垣根を越えた一体型経営を目指し、企業価値の向上に努めてまいりました。

食品事業では、商品価値訴求の取り組みを継続するとともに、新カテゴリー商品の育成等を行ってまいりました。レストラン事業では、前期に引き続き感染防止対策を徹底した営業、各種施策に取り組んでまいりました。時短営業や外出自粛による影響はあったものの、制限解除後の売上は徐々に回復に向かう一方、食品事業の前期の新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり特需でのパスタ関連カテゴリー売上の反動減が大きかったことにより、減収となりました。

利益面では、テレビCMに頼らないマーケティング戦略への見直しを行ったことにより広告宣伝費が減少したものの、将来を見据えた人財投資や出店経費の増加及び食用油等の主原料価格の高騰による仕入れコストの上昇があったこと等により減益となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は85億40百万円(前期比0.2%減)、営業利益は3億53百万円(前期比39.6%減)、経常利益は3億69百万円(前期比35.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億65百万円(前期比48.5%減)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度との比較・分析については、遡及適用した後の数値で行っております。

セグメント別の経営成績は次のとおりです。

[食品事業]

売上高は63億95百万円(前期比7.0%減)、セグメント利益は19億20百万円(前期比17.3%減)となりました。

[レストラン事業]

売上高は19億84百万円(前期比31.4%増)、セグメント損失は2億17百万円(前期は3億29百万円の損失)となりました。

[その他(本社ビル等の賃貸)事業]

売上高は1億60百万円(前期比4.3%減)、セグメント利益は77百万円(前期比13.8%減)となりました。

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2億20百万円減少し、91億79百万円となりました。

当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1億8百万円減少し、36億49百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1億11百万円減少し、55億30百万円となりました。

③ キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、6億87百万円の収入(前期は6億39百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、7億69百万円の支出(前期は5億65百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、5億51百万円の支出(前期は2億21百万円の収入)となりました。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて6億21百万円減少し、12億91百万円となりました。

④ 生産、受注及び販売の実績

1. 生産実績

セグメントの名称

生産品目

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

数量(t)

前期比(%)

食品事業

ドレッシング280ml・600ml

4,925

95.0

ドレッシング180ml

47

79.4

おうちパスタシリーズ

483

69.9

レトルトパスタソース「洋麺屋ピエトロ」シリーズ

178

72.9

その他

262

119.8

小計

5,897

92.2

レストラン事業

業務用(食材)ドレッシング等

207

138.2

合計

6,105

93.2

(注)数量は生産容量によっております。

 

2. 受注実績

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

3. 販売実績

a  品目別販売実績

セグメントの名称

品目

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

食品事業

ドレッシング・パスタソース他

6,395,483

93.0

レストラン事業

直営店

1,703,621

132.9

FC店への食材供給等

280,898

127.2

その他

9

0.1

小計

1,984,529

131.4

その他事業(本社ビル等の賃貸)

160,462

95.7

合計

8,540,475

99.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

加藤産業株式会社

1,116,772

13.1

1,024,208

12.0

三菱食品株式会社

1,021,604

11.9

899,289

10.5

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績)

1. 売上高・売上総利益

売上高は前連結会計年度に比べ0.2%減収の85億40百万円となりました。レストラン店舗の時短営業や外出自粛による影響はあったものの、制限解除後の売上は徐々に回復に向かう一方、食品事業の前期の新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり特需でのパスタ関連カテゴリー売上の反動減が大きく影響いたしました。売上総利益は前連結会計年度に比べ2.5%減の45億30百万円となりました。これは主に売上高の減少と原材料価格の高騰によるものです。

2. 売上原価・販売費及び一般管理費

売上原価率は、前連結会計年度に比べ1.3ポイント上昇し、47%となりました。これは生産性の向上やレストランメニューの見直しによる原価率改善を行ったものの、食用油等の主原料価格の高騰があったことによるものです。

販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて2.8%増加し、41億76百万円となりました。マーケティング戦略の見直しにより広告宣伝費が減少したものの、人材投資や出店経費が増加したこと等によるものです。

3. 営業利益

売上総利益の減少や販管費の増加により、営業利益は前連結会計年度に比べ39.6%減少し、3億53百万円となりました。

4. 経常利益

営業利益の減少により、経常利益は前連結会計年度に比べ35.8%減の3億69百万円となりました。

5. 特別損益

当連結会計年度の特別損益は減損損失等の計上により純額で62百万円の損失となりました。

6. 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ48.5%減の1億65百万円となりました。

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。

[食品事業]

主軸のドレッシングカテゴリーでは、商品価値訴求の継続と量販店へのさらなる店頭化に努めてまいりました。

価格訴求ではなく、価値訴求に力を入れた売り方を行うとともに、さらに素材にこだわった「リッチシリーズ」や「季節限定商品」等、和風しょうゆ以外の新たなフレーバーに注力してまいりましたが、夏場の天候不良による野菜価格高騰の影響や商品アイテム数を削減したこと等により、前期を下回る販売額となりました。

第2の柱であるパスタ関連カテゴリーでは、「おうちパスタ」シリーズを筆頭に、レトルトパスタソース「洋麺屋ピエトロ」、プレミアムパスタ麺「AGNESI」、直販限定レトルトパスタソース「ピエトロファーマーズ」の4つの商品群の販路拡大、さらなる育成を行ってまいりました。

中でもレトルトパスタソースでは好評の「洋麺屋ピエトロ 絶望スパゲティ」、9月にリニューアルを行った「洋麺屋ピエトロ お肉好きのあなたのためのボロネーゼ」、おうちパスタシリーズでは3月にリニューアルを行った「おうちパスタ バジル」に注力し、販売は堅調に推移いたしましたが、特に第1四半期において、前期の巣ごもり特需の反動減が大きく影響し、販売額は前期を大きく下回りました。

冷凍商品カテゴリーでは、引き続き冷凍パスタやピザの店頭化を進めるとともに、12月より新たに「洋麺屋ピエトロ」シリーズから冷凍ドリアの販売を開始いたしました。プレミアム冷凍商品として高価格帯でありながらも、食材や味へのこだわりにご支持をいただき、販売チャネルを拡大できたことに加え、ライフスタイルの変化等で需要が高まったこと等により前期より大きく販売額を伸ばしました。

また、フライドオニオン商品「PATFUTTE」は、レストラン店舗で試食をしていただく「テーブルマーケティング」を実施し、認知度の向上を行うとともに、さらなる店頭化を図ってまいりました。

育成事業であるスープカテゴリーでは、直販店舗や期間限定ショップにおいて新しい情報発信を行い、販売強化に取り組んでまいりました。緊急事態宣言下の時短営業等により店舗での販売は厳しいものになりましたが、お客様一人ひとりに寄り添ったサービスを行うことにより、店舗での販売だけでなく、オンライン等の販売につなげることができました。加えてパーソナルギフト需要が高まったことにより、スープの販売数量は前期を上回りました。

また、ブランディング戦略の強化、さらなる認知度拡大を目指し、次のとおり、新規出店、リニューアルを行っております。

 

 

出店・リニューアル時期

店 舗 名

2021年7月

PIETRO A DAY SOUP SHOP & CAFÉグランフロント大阪店

2021年8月※リニューアル

PIETRO A DAY GIFT SHOP 溝口店

2021年10月※リニューアル

PIETRO A DAY SOUP SHOP & CAFÉ横浜ベイクォーター店

さらに通信販売では、オンラインによるソーシャルギフト等を強化したことで、通常のギフトに加え、パーソナルギフト需要が増加し、販売額は前期を上回りました。

利益面では、販売促進費の効果的活用や生産性の向上に努めたものの、反動減による売上の減少と食用油等の主原料の高騰の影響が大きく減益となりました。

以上の結果、セグメント売上高は63億95百万円(前期比7.0%減)、セグメント利益は19億20百万円(前期比17.3%減)となりましたが、コロナ前である2020年3月期と比較すると、販売額、利益ともに上回っており、堅調に推移いたしました。

なお、今後も主原料や資材価格の高騰は続くものと判断し、コストアップの吸収が極めて困難な状況であることを踏まえ、2022年4月1日出荷分より、一部商品において価格改定を行うことを決定いたしました。

[レストラン事業]

レストラン事業では、前期に引き続き、お客様と従業員の安全のための感染予防対策をしっかりと行い、テーブルの間隔を広げて客席数を減らす等、三密防止への取り組みを行いながら、営業を行ってまいりました。

感染の再拡大によるさまざまな制限が続く中、高付加価値メニューの訴求や、スタッフのサービス研修のさらなる強化等、顧客満足度向上のための施策を実施してまいりました。さらに、テイクアウトメニューの拡充やデリバリー、店頭での物販強化にも取り組んでまいりました。

これらの施策のもと、お客様数の増加等もあり、既存店の販売額はほぼ感染拡大前の水準まで回復しております。利益面におきましても、原価の見直し等、利益構造改革に取り組み、収益改善に努めてまいりました。

また、コロナ収束後を見据えるとともに、ファンベースの拠点構築ともいえる店舗を次のとおり、新規出店、リニューアルオープンを行っております。

出店・リニューアル時期

店 舗 名

2021年4月

PASTA & TAPAS PIETRO 池袋店

2021年4月

ピエトロアミュプラザくまもと店

2021年7月

ピエトロフジグラン松山店

2021年7月※リニューアル

ピエトロセントラーレ

2021年10月

ピエトロ名古屋則武新町店

2021年12月

PASTA & TAPAS PIETRO 福岡パルコ店

以上の結果、セグメント売上高は19億84百万円(前期比31.4%増)、セグメント損失は2億17百万円(前期は3億29百万円の損失)となりました。

[その他(本社ビル等の賃貸)事業]

その他(本社ビル等の賃貸)事業におきましては、前期に賃貸不動産を一部売却したこと等により、セグメント売上高は1億60百万円(前期比4.3%減)セグメント利益は77百万円(前期比13.8%減)となりました。

(財政状態)

当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べて2億20百万円減少し、91億79百万円となりました。これは主に有形固定資産が5億61百万円増加する一方、現金及び預金が7億42百万円減少したこと等によるものです。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1億8百万円減少し、36億49百万円となりました。これは主に長期借入金(1年内を含む)が1億83百万円減少したこと等によるものです。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1億11百万円減少し、55億30百万円となりました。これは前期決算の剰余金の配当1億40百万円、譲渡制限付株式報酬制度導入に伴う自己株式の処分35百万円及び自己株式の取得1億82百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1億65百万円の計上によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

 

 

 

単位:百万円

 

2021年3月期

2022年3月期

差額

営業活動によるキャッシュ・フロー

639

687

47

投資活動によるキャッシュ・フロー

△565

△769

△204

財務活動によるキャッシュ・フロー

221

△551

△773

現金及び現金同等物に係る換算差額

△1

11

13

現金及び現金同等物の増減額

294

△621

△916

現金及び現金同等物の期末残高

1,913

1,291

△621

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、6億87百万円の収入(前期は6億39百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益が3億6百万円であり、減価償却費が3億86百万円それぞれ計上があったことと、法人税等の支払額2億11百万円があったこと等によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、7億69百万円の支出(前期は5億65百万円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出9億43百万円、定期預金の払戻による収入が1億20百万円あったこと等によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、5億51百万円の支出(前期は2億21百万円の収入)となりました。長期借入金の返済による支出が1億72百万円、自己株式の取得による支出が1億82百万円、配当金の支払額1億40百万円があったこと等によるものです。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、12億91百万円となりました。

項      目

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率

60.0%

60.2%

時価ベースの自己資本比率

119.9%

117.0%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

2.9年

2.5年

インタレスト・カバレッジ・レシオ

82.0倍

92.4倍

(注)1.各指標の計算は以下により算出しております。

自己資本比率

:自己資本 / 総資産

時価ベースの自己資本比率

:株式時価総額 / 総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

:有利子負債 / 営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ

:営業キャッシュ・フロー / 利払い

2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

3.株式時価総額は、期末終値株価×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は貸借対照表上に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループにおける資金需要のうち、主なものは設備投資、有利子負債の返済及び運転資金等です。また株主還元につきましては、財務の健全性に留意しつつ、配当政策に基づき安定配当を行ってまいります。

運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金の他、金融機関からの借入を基本としています。

今後の資金需要のうち、主なものは、工場設備費用や店舗の出店費用です。これらの資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金の調達を行ってまいります。

突発的な資金需要に対しては、主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠等の調達手段により、流動性リスクに備えています。

また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は12億91百万円であり、上記の調達手段と合わせて、当社グループの今後の事業活動において、必要な運転資金及び設備資金を確保することは可能と考えています。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。

連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積りは、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な方法に基づき行っていますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において適用される重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えています。

1. 固定資産の減損

固定資産の減損については、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

2. 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収見込み額を計上しています。しかし、繰延税金資産の回収見込み額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。

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